FSPL = 20·log₁₀(4πrf/c) [dB]
ノイズフロア仮定: −100 dBm
アンテナ種別・周波数・送信電力・距離を変えてフリス伝達方程式と自由空間伝搬損失をリアルタイム計算。極座標放射パターンで指向性を視覚的に確認しよう。
FSPL = 20·log₁₀(4πrf/c) [dB]
ノイズフロア仮定: −100 dBm
移動通信(5G/6G基地局):都市部ではセルを小さくし、高周波数帯(ミリ波)を利用するため、高いアンテナ利得と鋭い指向性が要求されます。シミュレーターのようなツールで、ビームフォーミングの効果や最適なアンテナ配置を事前検討します。
衛星通信:静止衛星と地上局との間は距離が非常に長いため、伝搬損失が膨大です。この損失を補うため、地上局ではパラボラアンテナ(非常に高い利得)を用い、正確に衛星方向へ指向性を合わせることが生命線です。
無線LAN(Wi-Fi):家庭用ルーターの内部アンテナや、オフィスで使われる「パッチアンテナ」の設計に活用されます。広い範囲を均一にカバーするためには、適度な利得と指向性パターンの設計が重要です。
車載レーダー・センサー:自動運転を支えるミリ波レーダーは、物体までの距離と方向を検知します。ここではアンテナの指向性が分解能(どれだけ細かく方向を識別できるか)に直結するため、シミュレーションによる精密な設計が不可欠です。
このシミュレーターを使い始めるときに、特に気をつけてほしいポイントがいくつかあるよ。まず「利得が高いほど絶対に良い」という誤解だ。確かに八木宇田アンテナのように利得が10dBiを超えると、特定方向への通信距離は伸びる。しかし、その代償としてビーム幅が狭くなる。例えば、スマートフォンのような端末はあらゆる方向から基地局の電波を受信する必要があるから、むしろ全方向性のアンテナが向いている。指向性アンテナは「どこに向けるか」が命なんだ。
次に、シミュレーションは「自由空間」が前提であることを忘れないで。ここでの計算には壁や地面の反射、木々による散乱、雨の影響は一切含まれていない。実際の都市部では、同じ距離でもビル陰では受信電力が20dB以上も低下することは珍しくない。このツールの結果は「最良の条件下での理論値」と捉え、実設計には十分なマージン(例えば10〜20dB)を見込むことが鉄則だ。
最後に、パラメータ設定の落とし穴。周波数と波長はトレードオフの関係にある。フリスの式を見ると、受信電力は波長λの2乗に比例するよね?つまり、同じ距離なら、周波数が低い(波長が長い)ほど伝搬損失は小さい。例えば、2.4GHz(Wi-Fi)と28GHz(5Gミリ波)では、周波数が約11.7倍だから、損失の差は20*log10(11.7) ≒ 21dBにもなる。高周波数帯を使うなら、高い利得で損失を補う必要があるんだ。
920MHz帯のセルラーIoTリンク設計例:送信電力20dBm、八木宇田アンテナ(利得12dBi)、距離500m。フリスの伝達方程式でFSPL=-107.2dBが計算され、受信電力=-107.2+12+12-8(フェーディング余裕)=-91.2dBmとなります。受信感度-95dBmのモジュールに対してリンクマージンは3.8dBの設計です。