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燃焼工学

燃焼計算・理論空気量・排ガス成分計算機

燃料種と過剰空気率λを設定すると、理論空気量・排ガス成分(CO₂・H₂O・O₂・N₂)・断熱火炎温度をリアルタイム計算。ボイラーや炉の燃焼管理に活用できます。

燃料設定
燃料種
過剰空気率 λ
燃料流量 [kg/h]
kg/h
計算結果
排ガス成分(乾き基準)
CO₂
0.0%
O₂
0.0%
N₂
0.0%
CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O
計算結果
理論AFR [kg/kg]
実際AFR [kg/kg]
過剰空気率 λ
断熱火炎温度 [K]
空気流量 [kg/h]
排ガス流量 [kg/h]
火炎
Ostwald係数
理論・主要公式

炭化水素の完全燃焼:

$$C_nH_m + \left(n+\frac{m}{4}\right)O_2 \rightarrow nCO_2 + \frac{m}{2}H_2O$$

過剰空気率 $\lambda = \dot{m}_{air}/ \dot{m}_{air,stoich}$

燃焼計算・理論空気量・排ガス成分計算機とは

🙋
「理論空気量」って何ですか?教科書で見たけど、具体的にどうやって計算するんですか?
🎓
大まかに言うと、燃料をきれいに燃やし切るのに必要な最小限の空気の量だよ。例えば、このシミュレーターで燃料を「メタン」に設定してみて。化学式に基づいて、必要な酸素量が自動で計算され、空気に換算した「理論空気量」が表示されるんだ。
🙋
え、じゃあ実際のボイラーとかでは、この理論空気量ぴったりで運転するんですか?
🎓
実務ではそうはいかないんだ。混合が完璧でないと未燃焼が発生するから、少し多めの空気を送る。それが「過剰空気率λ」だよ。画面上のλのスライダーを1.0から1.2に動かしてみて。排ガス中の酸素(O₂)が増えるのがわかるよね?現場ではλ=1.1〜1.3で運転することが多いんだ。
🙋
なるほど!でも空気を増やしすぎると、今度は火炎温度が下がっちゃいませんか?
🎓
鋭いね!その通り。余分な空気(主に窒素)を加熱する分、温度は下がる。燃料を「プロパン」に変えて、λを1.0から2.0まで大きくしてみて。右側に表示される「断熱火炎温度」が大きく下がるのが確認できるよ。燃焼効率と未燃焼防止のトレードオフを、このツールで体感できるんだ。

よくある質問

λ<1.0は酸素不足状態を意味します。本ツールは完全燃焼を前提としているため、λ<1.0では未燃成分(COや煤)が発生し、計算結果の排ガス成分や断熱火炎温度は実際と乖離します。実機では不完全燃焼による危険性があるため、通常はλ≧1.0で運用してください。
理論空気量は燃料を完全燃焼させるのに必要な最小限の空気量です。実際の空気量はこれに過剰空気率λを乗じた値で、実機では燃焼ムラを防ぐためλ>1.0(例:1.1〜1.3)で運用します。本ツールではλを変更することで両方の値を確認できます。
断熱火炎温度は熱損失ゼロの理想値であり、実機の火炎温度より100〜300℃程度高くなります。実機では炉壁への放熱や未燃分の影響で低下するため、本数値は上限目安としてご利用ください。燃焼管理ではこの差を考慮した設計が重要です。
燃料種の選択が正しく反映されていない可能性があります。メタン(CH₄)とプロパン(C₃H₈)では炭素と水素の比率が異なり、理論空気量やCO₂濃度が変化します。ドロップダウンから正しい燃料を選び、入力後に「計算実行」ボタンを押してください。リアルタイム更新が有効でない場合も同様です。

実世界での応用

ボイラー・工業炉の設計・運転:効率的な燃焼を実現するための最適な過剰空気率(λ)を決定するために使用されます。排ガス分析器で測ったO₂濃度から実際のλを逆算し、燃焼制御にフィードバックします。

自動車エンジンの燃焼解析:理論空気量に対する燃料量の比(空燃比)はエンジン性能と排気ガス成分に直結します。λ<1のリッチ燃焼(出力優先)とλ>1のリーン燃焼(燃費優先)のトレードオフを評価します。

発電所(火力・ガスタービン)の環境評価:燃料消費量から発生するCO₂の総量を算定する際の基礎計算として利用されます。また、排ガス脱硝装置の設計には、NOx生成に影響する火炎温度の予測が重要です。

燃焼機器の排ガス測定(オストワルト線図):本ツールに付属する線図は、排ガス中のCO₂とO₂濃度の測定値から、過剰空気率や不完全燃焼の有無を簡便に把握するために現場で実際に使われる手法です。

よくある誤解と注意点

この手の計算で最初につまずくポイントをいくつか挙げておくよ。まず、「理論空気量で燃やせば一番熱いんでしょ?」という考え方。確かに断熱火炎温度は理論空気量(λ=1)で最高になる。でも、実機でλ=1.0ギリギリで運転すると、空気と燃料の混合ムラで未燃焼分(COや煤)が確実に発生する。燃焼効率が逆に落ちるんだ。だから「最高温度」と「最高効率」は一致しないことを頭に入れておこう。

次に、ツールで「石炭」を選んだ時、組成をデフォルトのまま使っていないか?これは大きな落とし穴だ。実務で扱う石炭や重油は、産地やロットで組成(C, H, O, S, 灰分、水分)が大きく変わる。ツールのデフォルト値はあくまで一例。実際の設計では、必ず燃料分析表の値を使って計算し直すことが鉄則だ。例えば、水分が5%増えるだけで、理論空気量と火炎温度は結構変わるからね。

最後に、排ガス中のCO₂濃度の読み方。λを大きくすると(空気を増やすと)CO₂濃度が下がるのがツールで確認できるよね。これを「CO₂排出量が減った」と誤解しないでほしい。あくまで濃度が薄まっただけで、燃料1kgあたりから発生するCO₂の質量そのものは化学量論で決まっていて変わらない。環境評価で重要なのは総排出量であって、濃度パーセントだけを見て判断しないように注意しよう。

使い方ガイド

  1. 燃料種を選択(メタン、プロパン、水素、灯油など)し、燃料流量[kg/h]を入力します
  2. 過剰空気率λ(ラムダ)を設定します。λ=1.0で理論空気量、λ=1.2で20%過剰空気です
  3. 「計算」ボタンをクリックすると、理論AFR、実際AFR、断熱火炎温度、排ガス成分(CO₂、O₂、N₂)がリアルタイム出力されます

具体的な計算例

都市ガス(メタン主成分)で燃料流量10kg/h、λ=1.1(過剰空気11%)の場合:理論AFR=17.2kg/kg、実際AFR=18.9kg/kg、空気流量189kg/h、断熱火炎温度2070K、排ガスCO₂濃度=9.8%、O₂濃度=1.8%、排ガス流量199kg/hとなります。プロパン(燃料5kg/h、λ=1.15)では理論AFR=15.6kg/kg、実際AFR=17.9kg/kg、断熱火炎温度2140Kが得られます。

実務での注意点