$$T_e = \frac{3}{2}p[\psi_{PM}i_q + (L_d-L_q)i_d i_q]$$
第1項:マグネットトルク、第2項:リラクタンストルク
dq軸モデルに基づくPMSMモーター(SPM/IPM)の設計計算。電磁トルク・銅損・逆起電力・効率・MTPA角をリアルタイムで算出します。
$$T_e = \frac{3}{2}p[\psi_{PM}i_q + (L_d-L_q)i_d i_q]$$
第1項:マグネットトルク、第2項:リラクタンストルク
電気自動車・ハイブリッド車のトラクションモーター:高トルク・高効率・広い速度範囲が要求されます。埋込磁石型PMSMが主流で、低速ではMTPA制御、高速では弱め磁束制御を組み合わせて、バッテリー電圧の制限内で最大性能を引き出します。
産業用サーボモーター:工作機械やロボットの関節駆動に使われ、高速応答性と位置決め精度が命です。表面磁石型も多く、$\psi_{PM}$とインダクタンスのバランスを最適化して、電流からトルクへの応答を速く設計します。
家電製品(エアコン・洗濯機):省エネルギー規制に対応するため、従来の誘導モーターからPMSMへの置き換えが進んでいます。特にエアコンのコンプレッサーは連続運転が多いため、ツールで計算される銅損と効率が設計の重要な指標になります。
ドローン・電動航空機の推進モーター:軽量・高出力が絶対条件です。極対数$p$を増やして低速高トルク化し、ギアを省略して直接駆動する設計や、$\psi_{PM}$を大きくして同じトルクをより小さい電流で達成する設計が追求されます。
まず、「インダクタンスは固定値」と思い込むこと。実際のモーターでは、磁気飽和によって電流が増えるとLdやLqの値が大きく変わります。ツールで「定格電流」と「過負荷電流」の両方でシミュレーションを走らせ、トルク定数がどのくらい変動するか確認する癖をつけましょう。例えば、埋込磁石型でIdを負に大きく流す弱め磁束制御時は、特にLdが飽和して変動し、計算値と実機で差が出る原因になります。
次に、効率マップの「最高効率点」だけを追い求める設計。確かに95%の点は気持ちいいですが、実運用で重要なのは常用運転領域全体の平均効率です。電気自動車なら、市街地走行に相当する中低速・中トルク域が高い効率の「丘」になっているか、ツールで生成した特性を広く評価してください。
最後に、「逆起電力が電圧を超えなければOK」という単純な判断。安全マージンが必須です。バッテリー電圧は負荷変動で変動しますし、インバータの変調方式(例えば正弦波PWMと過変調)で利用できる最大電圧も異なります。ツールで計算した逆起電力 $E$ に対して、 少なくとも直流リンク電圧の $1/\sqrt{3}$ 倍(空間ベクトル変調の最大出力)より十分低く抑えることを心がけましょう。例えば、電源電圧300Vなら、逆起電力は170Vを大幅に下回る値に設計するのが現実的です。
永磁同期モーター(PMSM)で極対数3、定格電流10A、永磁束密度0.8Tの設計事例:電機子抵抗sRs=1.2Ω、sLd=10mH、sLq=15mHと設定すると、銅損は約1.2kW、電磁トルク は約15N・m、定格速度3000rpmで出力約4.7kWが得られます。このとき力率は0.92、全体効率は約88%になります