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熱工学

非定常熱伝導ヒーズラー線図計算機

平板・無限円筒・球の非定常熱伝導を1次近似(ヒーズラー線図)で解析。ビオ数・フーリエ数・中心温度・表面温度・総熱移動量をリアルタイム計算します。

形状・材料設定
α = 8.44×10⁻⁵ m²/s
熱的条件
計算結果
ビオ数 Bi
フーリエ数 Fo
中心温度 T₀ (°C)
表面温度 Ts (°C)
Q/Qmax (%)
第1根 ζ₁
温度分布(t = 300 s)
理論・主要公式
平板: \(\theta_0 = C_1 e^{-\zeta_1^2 Fo}\)
円筒: \(\theta_0 = C_1 e^{-\zeta_1^2 Fo}\)
球: \(\theta_0 = C_1 e^{-\zeta_1^2 Fo}\)

ここで \(\zeta_1\) はBi数に依存する超越方程式の第1根

非定常熱伝導ヒーズラー線図とは

🙋
ヒーズラー線図って何ですか?教科書に出てくるグラフですが、どうやって使うんですか?
🎓
大まかに言うと、物が温まったり冷えたりするときの「内部の温度」をサッと調べるための便利なチャートだよ。例えば、焼き入れした金属部品がどのくらい時間で冷めるか、とか。このシミュレーターでは、上の「形状」と「材料プリセット」を選んで、ビオ数やフーリエ数をスライダーで動かすと、リアルタイムで中心温度が計算されるんだ。
🙋
え、ビオ数とフーリエ数って何が違うんですか?両方ともスライダーで変えられますよね。
🎓
良い質問だね。ビオ数は「表面での熱の逃げやすさ」と「内部の熱の伝わりやすさ」の比だ。例えば、水冷(熱伝達率hが大きい)するとビオ数は大きくなる。フーリエ数は「経過時間」を表す無次元数だ。シミュレーターでビオ数を大きくしてフーリエ数を動かすと、表面と中心の温度差がどう変わるか、すぐに体感できるよ。
🙋
なるほど!で、この「1次近似解」って何ですか?式が3つとも同じ形に見えますけど。
🎓
鋭い!厳密解は無限級数なんだけど、時間がある程度経つ(Fo ≥ 0.2)と、第1項だけでほぼ正確な値が出せるんだ。これが1次近似。式の形は同じでも、係数$C_1$や$\zeta_1$の値が、形状(平板・円筒・球)とビオ数によって変わる。このシミュレーターは、その面倒な係数の計算を全部裏でやって、パッと答えを出してくれる便利ツールなんだ。

よくある質問

入力値が0以下、またはフーリエ数が極端に小さい場合、1次近似の適用範囲外となり計算が行われない可能性があります。また、ブラウザのJavaScriptが無効になっていないかご確認ください。
平板(両面加熱・冷却)、無限円筒(半径方向)、球の3形状に対応しています。特性長さLcは、平板では板厚の半分、円筒・球では半径を入力してください。
フーリエ数Fo>0.2程度の領域では誤差数%以内で一致します。ただし、ビオ数が極端に大きい(Bi>100)または小さい(Bi<0.01)場合は、別の簡略式を用いる方が正確です。
周囲流体温度より初期温度が低い場合、加熱過程では熱移動量が正、冷却過程では負となります。符号は熱の移動方向を示しており、計算自体は正しく行われています。

実世界での応用

金属の焼入れ・熱処理:高温から急冷する過程で、部品の中心が目標温度まで冷えるのに要する時間を推定します。材料(鋼、アルミなど)と冷却媒体(水、油、空気)の組み合わせでビオ数が大きく変わり、冷却速度が決まります。

食品の加熱殺菌・冷却:レトルトパウチ食品の中心まで加熱する時間、またはチルド食品を冷却する時間の設計に利用されます。円筒形状(缶詰)や平板形状(パウチ)に対する解析が可能です。

電子部品・バッテリーの熱設計:発熱するチップやバッテリーセルが、使用開始後どれくらいで定常状態に近づくかの初期評価に使われます。放熱条件(自然対流か強制冷却か)がビオ数に直接影響します。

建築建材の断熱性能評価:外気温の変動(日射や夜間冷却)に対して、壁体内部の温度がどのように応答するかを解析します。コンクリート壁(熱容量大)と断熱材の組み合わせ効果を評価する際の基礎計算として活用されます。

よくある誤解と注意点

このツールを使いこなす上で、特に初心者が陥りがちなポイントをいくつか挙げておくよ。まず「特性長さ Lc の設定ミス」だ。平板なら厚さの半分、無限円筒や球なら半径そのものがLcになる。ここを間違えるとビオ数もフーリエ数も全て狂う。例えば、厚さ20mmの板を冷却する場合、Lcは10mm(0.01m)だ。板厚全体を入力しないよう注意しよう。

次に「1次近似が使える範囲の見落とし」。ツールはFo≥0.2あたりから精度が高まるけど、冷却初期(Foが非常に小さい時)の結果はあくまで目安だ。例えば、金属を水にドブ漬けした直後の数秒間の温度は、この計算よりも実際は表面近くがもっと急激に冷える。初期過渡現象を詳細に知りたいなら、別の手法が必要になる。

最後に「材料プリセットと現実の乖離」。同じ「鋼」でも組成や処理で熱伝導率kは変わる。重要な設計判断に使うなら、必ず自社材料の実測値でkを確認し、ツールの「カスタム」設定で入力する癖をつけよう。プリセットは便利だが、あくまで初期検討用だ。

使い方ガイド

  1. 材料物性値を入力:鋼の熱伝導率k=50W/(m·K)、密度ρ=7850kg/m³、比熱cp=460J/(kg·K)を設定
  2. 代表長さLを入力:平板の場合は半厚さ(m)、無限円筒は半径(m)、球は半径(m)を指定
  3. ビオ数Bi(=hL/k、h:対流熱伝達係数)とフーリエ数Fo(=ατ/L²、α:温度拡散率)を計算してヒーズラー線図から中心温度無次元数θ₀、表面温度無次元数θₛを読取

具体的な計算例

厚さ100mm(L=0.05m)の鋼板が初期温度800℃から空気中(h=20W/(m²·K))で冷却される場合:k=50W/(m·K)、ρ=7850kg/m³、cp=460J/(kg·K)から温度拡散率α=1.39×10⁻⁵m²/sを算出。Bi=hL/k=0.02、τ=100秒でFo=1.39×10⁻³の時、ヒーズラー線図から中心部温度は約760℃、表面は約650℃と読取。総熱移動量Q/Qmax≈0.35となり、放出熱量は初期内部エネルギーの35%に相当

実務での注意点

  1. ビオ数Bi>0.1では内部温度勾配が無視できず、ヒーズラー線図の1次近似が有効な範囲(Bi<10、Fo>0.2)を確認
  2. 円筒・球形状ではベッセル関数項の選択が必須:n=0次項のみで十分か、n=1次項まで必要か幾何形状と精度要件で判定
  3. アルミ(α=8.4×10⁻⁵m²/s)など高温度拡散率材では同じFoに到達する時間が短く、焼き入れ冷却シミュレーションで差異が顕著