$w(z) = w_0 M^2 \sqrt{1 + (z/z_R)^2}$
$z_R = \pi w_0^2 / \lambda$
$\theta = M^2 \lambda / (\pi w_0)$ [rad]
$I_0 = 2P / (\pi w^2)$
ビームウェスト・波長・M²品質係数からレイリー長・発散角・集光スポットをリアルタイム計算。ビーム伝播プロファイルと強度分布を同時に可視化します。
$w(z) = w_0 M^2 \sqrt{1 + (z/z_R)^2}$
$z_R = \pi w_0^2 / \lambda$
$\theta = M^2 \lambda / (\pi w_0)$ [rad]
$I_0 = 2P / (\pi w^2)$
レーザー加工(切断・溶接):集光スポットサイズと焦点深度は加工品質を左右する最重要パラメータです。スポットサイズを小さく($w_0$を小さく)するとエネルギー密度が上がり、精密な切断が可能になります。一方、焦点深度($z_R$)が深いと、ワークのわずかな凹凸や位置ずれに対してロバストな加工が実現できます。
光通信・LiDAR:長距離を伝播するレーザービームでは、発散角 $\theta$ が小さいことが求められます。発散角は $M^2 \lambda / (\pi w_0)$ で与えられ、波長が短く、ウェスト半径が大きいほど指向性の高い(発散の少ない)ビームが得られます。これが測距精度や通信距離に直結します。
精密計測・干渉計:理想的なガウシアンビーム($M^2 \approx 1$)は、波面が揃っているため干渉縞を鮮明に得るのに必須です。光学設計では、レンズを通した後のビームウェスト位置とサイズを正確に予測・制御するために本ツールのような計算が頻繁に行われます。
医療・美容レーザー:皮膚治療などでは、特定の深さまで適切なエネルギーを届けることが重要です。ビームの伝播特性と強度分布($I_0 = 2P / (\pi w^2)$)を理解することで、安全かつ効果的な照射条件を設計できます。
まず、「ウェスト半径を小さくすればするほど、常に加工は良くなる」というのは誤解です。確かにスポットサイズは小さくなりエネルギー密度は上がりますが、同時にレイリー長 $z_R$ も急激に短くなります。例えば、波長1064nmのNd:YAGレーザーでウェスト半径を10μmから5μmにすると、レイリー長は約300μmから75μmにまで短くなり、焦点深度が極端に浅くなるんです。これではワーク表面のわずかな凹凸や設置誤差でピンぼけになり、かえって加工品質が悪化します。精密溶接では、ある程度の焦点深度を確保するために、敢えてウェスト半径を大きく設定することも戦略の一つです。
次に、波長とM²因子の単位やオーダーを見落とすミスが頻発します。波長はnm(ナノメートル)、ウェスト半径はmmやμmで入力することが多いため、計算前にメートル[m]に統一するのを忘れがち。例えば、CO2レーザーの10.6μmは0.0000106mです。これを間違えると、レイリー長の計算結果が1000倍も違ってくる重大な誤りに。シミュレーターを使う時も、入力値の単位表示には常に目を光らせましょう。
最後に、「M²因子はレーザー光源固有の値だから変えられない」と思い込んでいるケース。確かに光源自体のM²は変えられませんが、ビーム伝播系を通すと実効的なM²は悪化することを忘れてはいけません。例えば、劣化したレンズや汚れたミラーを通せば、ビーム品質は低下し、実質的なM²は大きくなります。シミュレーションで理想的な値を設定しても、光学系のメンテナンス状態が悪ければ再現できないのです。
Nd:YAGレーザー加工において波長1.064μm、ビームウェスト径W₀=50μm、M²=1.2で設計した場合、レイリー長ZR≈3.7mmが計算されます。伝播距離Z=100mmでのビーム半径はW(Z)≈680μmとなり、発散角は約17mradです。これに対し同じ条件でCO2レーザー(10.6μm)を使用すると、ビームウェスト径を0.5mm設定時にZR≈37mmが得られ、より長い焦点深度を確保できます。工業用切断では後者の特性が有利に働きます。