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光通信工学

光ファイバー通信シミュレーター

コア・クラッドの屈折率を変えてNAと全反射光線をアニメーション表示。減衰とパルス広がりを距離の関数でリアルタイム計算します。

パラメータ

波長選択

計算結果
開口数 NA
受光半角
°
臨界角 θc
°
出力パワー
mW
損失
dB
帯域幅×距離
MHz·km
光線追跡(全反射アニメーション)
光パワー vs 距離 / パルス形状
理論・主要公式
$$NA = \sqrt{n_1^2 - n_2^2}$$ $$P(L) = P_0 \cdot 10^{-\alpha L/10}$$

光ファイバー通信シミュレーターとは

🙋
光ファイバーって、どうして光が曲がって伝わるんですか?教科書の「全反射」って言葉がよくわからないです。
🎓
大まかに言うと、コアとクラッドの境界で光がピンポン玉みたいに跳ね返り続けるんだ。その「跳ね返る最小の角度」が臨界角だよ。このシミュレーターで、左側の「コア屈折率 n1」と「クラッド屈折率 n2」のスライダーを動かしてみて。n1を大きくすると、臨界角がどう変わる?
🙋
あ、n1を上げると臨界角が大きくなりますね!でも「開口数NA」って、臨界角とどう関係があるんですか?
🎓
いいところに気がついたね。NAは「ファイバーがどのくらい広い角度から光を受け入れられるか」の指標なんだ。実務では、NAが大きいマルチモードファイバーはLAN配線に、小さいシングルモードは長距離通信に使うことが多いよ。上のスライダーでn1とn2の差を広げてみると、NAの値がどう変わるか確認してみよう。
🙋
なるほど!でも、NAが大きい方がたくさん光を集められるなら、全部NAを大きくすればいいのではないですか?
🎓
そこがトレードオフなんだ。NAを大きくすると、受け入れ角度は広がるけど、光の経路長の差(モード分散)が大きくなって、パルスが広がりやすくなる。下の「伝送距離 L」のスライダーをグッと右に動かして、パルスの広がり具合を確認してみて。長距離になると、この影響が顕著になるんだ。

よくある質問

コアの屈折率n1とクラッドの屈折率n2の差が大きくなると、開口数NAが大きくなり、ファイバー内で全反射する光線の臨界角が変わります。その結果、受け入れ可能な入射角度範囲が広がり、アニメーション上で光線のジグザグ角度が急峻になったり、より多くの光線が全反射される様子を確認できます。
伝送距離L(km)や損失係数α(dB/km)のスライダーを動かすと、グラフが即座に更新されます。減衰はP(L)=P0×10^(-αL/10)に従い、パルス広がりはモード分散や材料分散の影響を反映して、距離に比例して波形がなまる様子をリアルタイムで計算・表示します。
はい。NAの調整による受光効率の変化や、距離に対する減衰量・パルス広がりの定量的な傾向を視覚的に把握できます。ただし、実際の設計では波長分散や非線形効果なども考慮する必要があるため、本シミュレーターは基礎理解と初期検討に適しています。
コアの屈折率n1がクラッドの屈折率n2以下になると全反射条件を満たさず、光線がクラッド側に漏れ出してアニメーションが表示されなくなります。n1 > n2 となるように設定し、さらに入射角度が臨界角より大きくなるよう調整してください。

実世界での応用

長距離通信・海底ケーブル:損失の極めて少ないシングルモードファイバー(NAが小さい)が使用されます。シミュレーターの損失係数αを0.2 dB/km程度に設定すると、数十kmでも十分な光パワーが維持されることが確認できます。

データセンター内の高速接続:短距離だが超大容量が要求される接続では、マルチモードファイバー(NAが大きい)がよく使われます。コア径を太く、NAを大きく設定することで、コストを抑えつつ多くの光を結合できます。

車載LAN(IVN):自動車内のネットワークでは、振動や狭小な配線空間に耐える光ファイバーが採用されています。曲げによる損失(曲げ損失)は、ここで扱う固有の損失係数αに含まれる重要な要素です。

医療用内視鏡:イメージバンドルと呼ばれる多数の極細ファイバーを束ねたものが使われます。一本一本のファイバーのNAが、画像の明るさや解像度に直接影響します。

よくある誤解と注意点

まず、「NAが大きければ大きいほど良い」というのは短絡的です。確かにNAが大きいと光源との結合効率は上がりやすいですが、その代償として高次モードが多く励起され、モード分散が大きくなります。例えば、NA=0.3のマルチモードファイバーで1km伝送した場合、パルスの広がり(分散)はNA=0.2のファイバーに比べて顕著になり、高速通信では信号品質を劣化させます。短距離の配線では気にならなくても、距離が伸びるほどこの影響は無視できません。

次に、シミュレーター上で「損失係数α」を現実離れした値に設定しないこと。例えば、αを0 dB/kmにすると、どんなに距離を伸ばしても減衰しない「夢のファイバー」になってしまい、現実感が失われます。実用的な値の目安は、シングルモードファイバーで0.2~0.4 dB/km、マルチモードファイバーで2~4 dB/km程度です。この値をベースに、「100km伝送で信号強度がどれだけ減るか」を体感してみましょう。

最後に、「シングルモード」と「マルチモード」の違いはコア径だけではないという点。シミュレーターでコア径を変えると伝搬モード数が変わるのは確かですが、実務では使用する波長も決定的に重要です。例えば、同じコア径のファイバーでも、波長1.55μmではシングルモードで伝搬しても、波長0.85μmではマルチモードになってしまうことがあります。パラメータをいじる時は、波長、コア径、屈折率差の三者関係を常に意識してください。

使い方ガイド

  1. コア屈折率(n1)とクラッド屈折率(n2)を入力します。シングルモードファイバーはn1=1.48、n2=1.46程度、マルチモードはn1=1.49、n2=1.46が標準です
  2. 開口数NA=√(n1²-n2²)が自動計算され、受光円錐角が決定されます
  3. 伝送距離L(km)と減衰係数α(dB/km)を設定すると、受信電力P_r=P_t-αLが算出されます
  4. 波長1550nm付近での群速度分散(ps/nm·km)をシミュレーションし、100km伝送時のパルス拡がりを確認できます

具体的な計算例

標準シングルモードファイバー(SMF-28)の場合:n1=1.4789、n2=1.4682、NA=0.14、L=80km、α=0.20dB/kmとします。開口数NAから受光光円錐角θ=2×arcsin(NA)≈16.1°となります。受信電力は-16dBm(送信0dBm)に減衰します。1550nm帯での分散D≈17ps/(nm·km)のため、80km×20nmスペクトル幅で約27.2psのパルス拡がりが生じ、10Gbps伝送ではプリエンファシスが必須となります

実務での注意点