コア・クラッドの屈折率を変えてNAと全反射光線をアニメーション表示。減衰とパルス広がりを距離の関数でリアルタイム計算します。
長距離通信・海底ケーブル:損失の極めて少ないシングルモードファイバー(NAが小さい)が使用されます。シミュレーターの損失係数αを0.2 dB/km程度に設定すると、数十kmでも十分な光パワーが維持されることが確認できます。
データセンター内の高速接続:短距離だが超大容量が要求される接続では、マルチモードファイバー(NAが大きい)がよく使われます。コア径を太く、NAを大きく設定することで、コストを抑えつつ多くの光を結合できます。
車載LAN(IVN):自動車内のネットワークでは、振動や狭小な配線空間に耐える光ファイバーが採用されています。曲げによる損失(曲げ損失)は、ここで扱う固有の損失係数αに含まれる重要な要素です。
医療用内視鏡:イメージバンドルと呼ばれる多数の極細ファイバーを束ねたものが使われます。一本一本のファイバーのNAが、画像の明るさや解像度に直接影響します。
まず、「NAが大きければ大きいほど良い」というのは短絡的です。確かにNAが大きいと光源との結合効率は上がりやすいですが、その代償として高次モードが多く励起され、モード分散が大きくなります。例えば、NA=0.3のマルチモードファイバーで1km伝送した場合、パルスの広がり(分散)はNA=0.2のファイバーに比べて顕著になり、高速通信では信号品質を劣化させます。短距離の配線では気にならなくても、距離が伸びるほどこの影響は無視できません。
次に、シミュレーター上で「損失係数α」を現実離れした値に設定しないこと。例えば、αを0 dB/kmにすると、どんなに距離を伸ばしても減衰しない「夢のファイバー」になってしまい、現実感が失われます。実用的な値の目安は、シングルモードファイバーで0.2~0.4 dB/km、マルチモードファイバーで2~4 dB/km程度です。この値をベースに、「100km伝送で信号強度がどれだけ減るか」を体感してみましょう。
最後に、「シングルモード」と「マルチモード」の違いはコア径だけではないという点。シミュレーターでコア径を変えると伝搬モード数が変わるのは確かですが、実務では使用する波長も決定的に重要です。例えば、同じコア径のファイバーでも、波長1.55μmではシングルモードで伝搬しても、波長0.85μmではマルチモードになってしまうことがあります。パラメータをいじる時は、波長、コア径、屈折率差の三者関係を常に意識してください。
標準シングルモードファイバー(SMF-28)の場合:n1=1.4789、n2=1.4682、NA=0.14、L=80km、α=0.20dB/kmとします。開口数NAから受光光円錐角θ=2×arcsin(NA)≈16.1°となります。受信電力は-16dBm(送信0dBm)に減衰します。1550nm帯での分散D≈17ps/(nm·km)のため、80km×20nmスペクトル幅で約27.2psのパルス拡がりが生じ、10Gbps伝送ではプリエンファシスが必須となります