光ファイバーリンク計算 戻る
光通信ツール

光ファイバーリンク損失・帯域幅計算ツール

光ファイバーの伝送損失と受信電力をリアルタイム計算。ファイバー長・スプライス・コネクタ損失を入力してリンクパワーマージンと最大伝送距離を求めよう。

ファイバー・システム設定
減衰係数 α (dB/km)
dB/km
ファイバー長 L (km)
km
送信電力 P_in (dBm)
dBm
スプライス数 N_s
コネクタ数 N_c
受信感度 (dBm)
dBm
スペクトル幅 Δλ (nm)
nm

一時停止中はスライダーを動かすと結果が即座に更新されます。

計算結果
光信号の伝搬とリンクパワーバジェット(ライブ)
計算結果
P_received (dBm)
パワーマージン (dB)
BW_link (GHz)
最大到達距離 (km)
受信電力 vs 距離 (dBm)
帯域幅 vs 距離
理論・主要公式
$$P_{\text{dBm}}= P_{\text{in}}- \alpha L - N_s l_s - N_c l_c$$ $$\sigma_t = D \cdot \Delta\lambda \cdot L$$ $$\text{BW}= \frac{0.44}{\sigma_t}$$

スプライス損失 ls=0.1 dB、コネクタ損失 lc=0.5 dB。SMF色分散 D=17 ps/(nm·km)@1550nm。

光ファイバーリンク損失・帯域幅計算ツールとは

🙋
光ファイバーのリンク設計で「損失」って何を計算するんですか?このツールの上の方にある「送信電力」や「減衰係数」を変えると何がわかるんですか?
🎓
大まかに言うと、光がファイバーの中を進む間にどれだけ弱まるかを計算するんだ。例えば、送信側で1mW(0 dBm)の強い光を出しても、ファイバーが長かったり、途中の接続点で光が漏れたりすると、受信側ではもっと弱い光しか届かない。このツールで「送信電力」や「ファイバー長」のスライダーを動かすと、最終的に届く「受信電力」がリアルタイムで計算されるよ。これが受信機の「感度」を下回ると、通信ができなくなるんだ。
🙋
え、じゃあ「スプライス数」や「コネクタ数」も損失に関係するんですか?実務ではどれくらいの数を使うことが多いんですか?
🎓
その通り!ファイバーを継ぎ足す「スプライス」や、機器に接続する「コネクタ」は、どうしても少しずつ光を損失するポイントになる。実務では、数kmごとにスプライスが入り、装置の前後には必ずコネクタが付く。例えば、データセンター内の短いリンクならコネクタが2個だけど、長距離通信ではスプライスが何十個も入ることもあるよ。ツールの真ん中あたりでこれらの数を増やしてみると、「総損失」がどんどん大きくなって、リンクが成立しなくなる様子がわかる。
🙋
帯域幅の計算で「スペクトル幅」ってパラメータがありますけど、あれは何ですか?変えるとどうなるんですか?
🎓
これは光源の「色の広がり」を表すパラメータだ。理想的な単色光ならゼロだけど、実際のレーザーやLEDは少し波長がバラついている。このバラつきが大きい(スペクトル幅が広い)と、ファイバーの中を進む速さが波長ごとに微妙に違う「色分散」の影響で、光パルスが広がってしまうんだ。ツールの下の方で「スペクトル幅」を大きくしてみて。帯域幅が一気に小さくなって、高速通信の距離制限が厳しくなるのが体感できるよ。

よくある質問

送信電力の増加、ファイバー長の短縮、スプライスやコネクタ数の削減、または低損失コネクタ(例:0.1dB→0.05dB)への変更を検討してください。また、ファイバーの減衰係数が小さい(例:0.2dB/km)製品に置き換えることも有効です。
スプライス損失の典型値は0.1dB/箇所、コネクタ損失は0.5dB/個(SCコネクタなど)です。実測値がない場合はこれらの標準値を使用してください。ただし、高精度が必要な場合はメーカー仕様書や実測データを推奨します。
リンクパワーマージンは、受信電力と受信器最小感度の差(dB)です。一般に3dB以上のマージンがあれば、経年劣化や温度変化に対しても安定動作が期待できます。マージンが小さい場合はシステム信頼性が低下するため注意が必要です。
いいえ、長距離では帯域幅制限(モード分散や波長分散)が重要になります。本ツールは損失計算が主ですが、実際のシステム設計では伝送速度に応じた分散制約も確認してください。例えば10Gbps以上では分散補償が必要になる場合があります。

実世界での応用

長距離バックボーン通信:大陸間を結ぶ海底ケーブルや国内の基幹通信網では、SMF(シングルモードファイバー)が使用されます。低損失(1550nm帯で0.2 dB/km以下)と低分散を実現するために、光源はスペクトル幅の狭いレーザーが用いられ、数十kmごとに光増幅器で信号を増幅しながら数百~数千kmを伝送します。

データセンター内ネットワーク:サーバーラック間を接続する短距離(数百m以内)の高速リンクでは、OM3/OM4などのマルチモードファイバー(MMF)とVCSELレーザーが多用されます。コネクタ損失が支配的になるため、高精度なコネクタと低損失の接続が求められ、ツールでコネクタ数を2~4個に設定して設計検証が行われます。

FTTH(ファイバー戸別導入):家庭まで光ファイバーを引くサービスでは、分岐点(スプリッタ)での大きな損失と、家屋への導入部分での曲げ損失が課題です。設計では、ツールで計算した総損失が、ONU(光回線終端装置)の受信感度に対して十分なマージン(リンクパワーマージン)を持つことを確認します。

工場内・車載ネットワーク:自動車の車載ネットワークや工場の制御システムでも、耐ノイズ性に優れた光ファイバーが採用され始めています。振動や熱の影響でコネクタ接続が緩む可能性を考慮し、設計段階で余裕を持った損失マージンを設定することが現場では重要です。

よくある誤解と注意点

まず、「dBm」と「dB」を混同しないでください。dBmは「1mWを0dBmとする絶対的な電力値」、dBは「2つの電力の比を示す相対値」です。ツールで「送信電力 0 dBm」と設定し、「コネクタ損失 0.5 dB」と入力した場合、受信電力は -0.5 dBm になります。0.5 dBmではないんです。次に、パラメータの典型値は状況で変わるという点。例えば、コネクタ損失のデフォルト0.5dBは、清掃が行き届いた新品のLCコネクタなら現実的ですが、汚れたSCコネクタでは1dBを超えることも珍しくありません。ツールで「余裕を持って設計しよう」と思ったら、各損失値に1.5倍程度のマージンを乗せて計算するのが実務の知恵です。最後に、帯域幅計算は「損失」とは独立した別の制約であることを理解しましょう。損失計算だけではリンクが成立しても、帯域幅が足りなければ所定の速度で通信できません。例えば10GbEでOM3ファイバーを使う場合、損失的には数百m伝送可能でも、規格で定められた最大伝送距離は300m程度です。本ツールの「最大到達距離」は損失バジェットのみから算出した値で、帯域幅制約は別途「帯域幅 vs 距離」グラフで確認します。実システムでは損失と帯域幅の両制約のうち厳しい方が最終的な最大距離を決めるため、両グラフを併せて読む必要があります。

🎬 動画で見る

全反射|光ファイバーが光を閉じ込める仕組み #Shorts
全反射|光ファイバーが光を閉じ込める仕組み #Shorts