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電磁気・量子光学

光子エネルギー・量子効率計算機

波長・光源出力・照射面積・量子収率から光子エネルギー、フラックス、照度、光化学反応速度を即時算出。UV〜IRの全スペクトル領域に対応。

パラメータ設定
波長 λ
nm
光源出力 P
mW
ビーム面積 A
cm²
光源種別
量子収率 Φ
照射時間 t
s
計算結果
光子エネルギー E (eV)
周波数 ν (THz)
光子フラックス (ph/s/cm²)
照度 (mW/cm²)
モル光子 (μE/s)
反応速度 (nmol/s)
-
Source factor
-
Dose over t
光子エネルギー vs 波長(UV〜IR)
光子フラックス vs 波長(現在の出力Pで計算)
理論・主要公式

$$E = \frac{hc}{\lambda}= h\nu$$

$h = 6.626\times10^{-34}$ J·s

$c = 2.998\times10^8$ m/s

光子フラックス:

$$\Phi_p = \frac{P \cdot \lambda}{h c A}$$

モル光子数:

$$n_p = \frac{P \cdot \lambda}{h c N_A}$$

光子エネルギー・量子効率計算機とは

🙋
「光子エネルギー」って何ですか? 波長が変わるとどうなるんですか?
🎓
大まかに言うと、光の粒(光子)1個が持つエネルギーのことだよ。波長が短いほどエネルギーは高くなるんだ。例えば、殺菌に使う紫外線(UV-C、約250nm)は、可視光の青(約450nm)よりもずっとエネルギーが高い。上の「波長」スライダーを動かしてみて、グラフの色と一緒にエネルギー(eV)がどう変わるか確かめてみよう。
🙋
え、そうなんですか! じゃあ「光子フラックス」って、その粒がどれだけ来てるかということですか?
🎓
その通り!単位時間に単位面積に届く光子の数だ。実務では、LEDやレーザーの性能評価や、光化学反応の速度を決める特に重要なパラメータなんだ。シミュレーターで「光源出力」と「照射面積」を変えてみて。同じ出力でも、波長が長い赤外線レーザーは、光子一個のエネルギーが低いから、光子フラックスは逆に大きくなるんだよ。
🙋
「量子効率」って、このフラックスを使って何がわかるんですか?
🎓
いいところに気づいたね。これは「吸収した光子に対して、どれだけ反応が起こったか」の割合だ。例えば、太陽電池では「100個の光子が入ってきたら、何個の電子が取り出せるか」を表す。ツールの「量子効率」スライダーを100%から下げてみて。同じ光を当てても、「反応速度」や「モル光子数」が大きく減るのがわかるだろう?これが効率の悪い光触媒と良い光触媒の違いなんだ。

よくある質問

波長はメートル(m)単位で入力してください。ただし、ツール内でnm(ナノメートル)やμm(マイクロメートル)に自動換算する機能はありませんので、例えば500nmの場合は「500e-9」と入力する必要があります。
量子収率は、1個の光子が吸収されたときに目的の反応(例えば電子正孔対生成や化学反応)が起こる確率です。0〜1の範囲で設定します。例えば太陽電池では0.8〜1.0、光触媒では0.01〜0.1程度が一般的です。
照度(単位:W/m²)は単位面積あたりの光のエネルギー量で、人間の目の感度を考慮しない物理量です。光子フラックス(単位:photons/s/m²)は単位面積・単位時間あたりに到達する光子の個数です。波長が短いほど同じエネルギーでも光子数は少なくなります。
はい、可能です。ただしレーザーは通常単一波長かつ高輝度ですが、照射面積を正しく設定してください。ビーム径が小さい場合は面積を小さく入力しないと、実際よりも照度が低く計算されます。またパルスレーザーの場合は平均出力を使用してください。

実世界での応用

光化学・光触媒:水の分解による水素製造や、VOC(揮発性有機化合物)の分解など、反応設計に必須です。反応に必要な光子エネルギー(波長)と、十分な光子フラックス(反応速度)の両方をこのツールで見積もります。

太陽電池・光センサー開発:デバイスの外部量子効率(EQE)を評価する基盤となります。特定の波長の光を当てた時に、何%の光子が電気に変換されるかを、光子フラックスと生成された電流から逆算します。

LED・レーザー光源の評価:光源のスペックシートにある「放射束(W)」を、人間の目や特定の化学物質にとって「どれだけ有効な光の粒の数か」に変換します。殺菌用UV-LEDと植物育成用LEDでは、最適な光子フラックスが全く異なります。

環境計測・分析化学:吸光光度法で物質濃度を定量する際、検出器が受ける光子フラックスから信号強度を推定します。また、大気中の微量気体をレーザーで検出するLIDAR技術でも、戻ってくる光子数を計算する基礎となります。

よくある誤解と注意点

このツールを使い始めるときに、特に気をつけてほしいポイントがいくつかあるよ。まず「光源出力Pは、必ずしも照射面に届く全エネルギーではない」ということ。例えば、LEDのデータシートに「放射束 1W」とあっても、レンズや光学系での損失、照射面への入射角による反射損失がある。実務では、この「光学効率」を見積もって、ツールに入力するPを補正する必要があるんだ。例えば、光学系の透過率が80%なら、実質的なPは0.8Wとして計算しよう。

次に「光子フラックスは一様ではない」という点。ツールでは照射面積Aで平均した値が出るけど、実際のレーザービームはガウシアン分布だし、LEDの光も一様じゃない。反応速度を精密に見積もるには、面内でのフラックス分布を考慮する必要がある。中心部と端っこで反応速度が10倍違う、なんてこともあり得るんだ。

最後に、「量子効率は波長依存する」という特に重要な事実。ツールでは単一の値で設定するけど、実際の光触媒や太陽電池の量子効率は、波長によって大きく変わる。450nmの青い光では50%でも、650nmの赤い光では10%しかない、なんてことが普通にある。だから「この波長で計算した反応速度」は、あくまでその波長単色での話。広いスペクトルを持つ太陽光を使う場合は、波長ごとの計算結果を積分する必要があるんだ。

使い方ガイド

  1. 波長入力欄(sLambda)に200~2500 nmの値を入力。UV-A 365 nm、可視光550 nm、近赤外940 nmなど対象波長を選択
  2. 光源出力(sP)をmW単位で設定。LED照射器なら50~500 mW、太陽光シミュレーター1000 Wクラスの場合は出力値を正確に入力
  3. 量子効率(sAb)は0~1の範囲で材料固有値を入力。シリコン系受光素子なら0.8、有機色素なら0.1~0.3を目安に設定
  4. 計算実行で光子フラックス(photons/cm²/s)、照度(mW/cm²)、反応速度(mol/m²/s)が即座に算出される

具体的な計算例

365 nm UV-A LED出力200 mWで照射面積50 cm²のケース:光子エネルギー=5.44×10⁻¹⁹ J/photon、光子フラックス=1.47×10¹⁶ photons/cm²/s、照度=4.0 mW/cm²。TiO₂光触媒(量子効率0.15)の場合、反応速度は2.21×10⁻⁷ mol/m²/s。940 nm赤外LED 300 mWなら光子エネルギー2.11×10⁻¹⁹ Jで、同条件下フラックス2.85×10¹⁶ photons/cm²/sとなる

実務での注意点

  1. 波長入力時、フィルタ挿入による有効波長シフトを考慮。ND0.3フィルタ装着時は実照度が50%減少するため出力値を補正
  2. 光源スペクトル分布が広帯域(LED 20 nm幅)の場合、ピーク波長ではなく質量中心波長を使用して精度向上
  3. 量子効率は温度依存性があり、シリコン受光素子は25℃基準。55℃で約0.3%低下するため恒温チャンバー使用時は再測定
  4. 光触媒・色素増感太陽電池の評価では、多波長複合照射時に各波長の反応速度を積分する必要がある