溶融温度±40°Cの範囲でゼロせん断粘度のアレニウス依存性(近似)
$$\eta = \eta_0\left[1+(\lambda\dot{\gamma})^a\right]^{\frac{n-1}{a}}$$
べき乗則: $\eta = m\,\dot{\gamma}^{n-1}$
Carreau-Yasudaモデルとべき乗則でポリマーの粘度曲線をリアルタイム計算。ゲート圧力損失・冷却時間まで算出し、射出成形CAEの初期検討を支援する。
溶融温度±40°Cの範囲でゼロせん断粘度のアレニウス依存性(近似)
$$\eta = \eta_0\left[1+(\lambda\dot{\gamma})^a\right]^{\frac{n-1}{a}}$$
べき乗則: $\eta = m\,\dot{\gamma}^{n-1}$
射出成形金型設計:ゲートサイズやキャビティレイアウトを決定する際、このツールのような計算で圧力損失を予測します。圧力損失が大きすぎると成形機の能力不足でショートショット(充填不足)が、小さすぎるとジェッティング(乱流)が発生するため、最適設計に不可欠です。
成形材料の選択・評価:異なるメーカーの同じ材質(例えばPP)でも、添加剤や分子量分布により粘度曲線は異なります。既存金型で新規材料を使用する際、粘度曲線と圧力損失をシミュレーションし、成形可能性を事前検証します。
成形条件の最適化:射出速度(流量Qに相当)を変更した時の、ゲート通過時の粘度と発熱量の変化を推定できます。これにより、焼けや分解を防ぎつつ、最短充填時間を求める条件設定に役立ちます。
CAEソフトウェアの前処理・検証:本格的な3D充填解析を行う前に、代表的なゲートでの圧力損失を簡易計算し、入力した材料データ(Carreau-Yasudaパラメータ)や境界条件が妥当かどうかを手軽にチェックする目的で利用されます。
このツールを使い始める際、特にCAE初心者が陥りがちな落とし穴がいくつかあります。まず一つ目は、「プリセット材料のパラメータは絶対的な定数ではない」という点。例えば「PC」と一口に言っても、メーカーやグレード(高流動、難燃など)によって粘度特性は大きく変わります。ツールのプリセット値はあくまで代表値。実際の成形材料のデータシートにある粘度曲線と見比べて、必要ならλやnを微調整する姿勢が大切です。
二つ目は、ゲート圧力損失計算の前提条件を見落とすこと。計算式は「完全に発達した円形流路内の層流」が前提です。つまり、実際のゲート入口部の絞り込み損失や、金型温度による壁面での固化層(フローズンスキン)の影響は含まれていません。計算値はあくまで理論上の最小圧力損失と考えるべきで、実際には1.5倍から2倍の安全マージンを見込むのが現場の知恵です。
三つ目は、冷却時間計算を過信しないこと。ツールの冷却時間は、一定温度の金型壁面への熱伝導のみに基づいた理論計算です。しかし実成形では、冷却水路の配置や流量、樹脂の結晶化発熱など複雑な要素が関わります。この計算値は「冷却のオーダーを把握する」ための参考値。例えば計算が10秒なら、実際のサイクルタイムは12〜15秒程度になることが多い、といった相関で捉えましょう。
PA6ガラス繊維30%充填材を射出成形する場合:η0=850Pa·s、λ=0.08s、n=0.35、a=1.2を入力。せん断速度100s⁻¹での粘度は約320Pa·s、10000s⁻¹では約45Pa·sと非ニュートン流動を示す。ゲート径2.5mm、注入圧100MPaの条件でゲート圧力損失ΔP≈3.8MPa、肉厚2mmキャビティの冷却時間は約32秒と算出される。これらは実測値PA6 30%GFの標準範囲内で妥当性が確認できる。