| バス | 電圧 [pu] | 位相角 [°] | P注入 [pu] | Q注入 [pu] | 状態 |
|---|
有効電力:$P_{ij}= \dfrac{V_i V_j \sin(\delta_i - \delta_j)}{X_{ij}}$
無効電力:$Q_{ij}= \dfrac{V_i^2 - V_i V_j \cos(\delta_i - \delta_j)}{X_{ij}}$
3バス電力系統の発電機出力・負荷・送電線パラメータを自由に変えて、母線電圧・位相角・電力潮流・損失をリアルタイム計算。電力工学の基礎をインタラクティブに学習。
| バス | 電圧 [pu] | 位相角 [°] | P注入 [pu] | Q注入 [pu] | 状態 |
|---|
有効電力:$P_{ij}= \dfrac{V_i V_j \sin(\delta_i - \delta_j)}{X_{ij}}$
無効電力:$Q_{ij}= \dfrac{V_i^2 - V_i V_j \cos(\delta_i - \delta_j)}{X_{ij}}$
系統運用計画:電力会社では、翌日の需要予測に基づき、どの発電所をどの出力で運転するかを決定する際に潮流計算を多用します。シミュレーターのように、特定の送電線が停止(リアクタンス無限大)した場合に他の線が過負荷にならないかなどを事前にチェックします。
新規発電設備・大規模需要家の連系検討:大規模な太陽光発電所や工場が電力系統に新たに接続されるとき、その影響を評価するために潮流計算が必須です。接続点の電圧変動や既存送電設備への影響をシミュレーターのようなツールで詳細に分析します。
系統安定性向上策の検討:電圧が低下しやすい地域に、無効電力を供給する「SVC(静止形無効電力補償装置)」や「調相設備」を設置する場合、その最適な設置場所と容量を決定するために潮流計算が繰り返し行われます。
スマートグリッド・次世代送電網の設計:再生可能エネルギーが大量に導入される系統では、電力の流れが双方向的・不安定になります。このような新しい系統構造において、電力の流れを最適に制御するアルゴリズムを開発する際の基礎計算として潮流計算が活用されています。
まず、「リアクタンスXを小さくすれば、いつでも送電能力が上がる」というのは誤解です。確かに、送電線のリアクタンスが小さいほど、同じ電圧差で流せる電力は大きくなります。しかし、実際の送電線では、リアクタンスを小さくする(例えば太い導体を使う)と、今度は線路の静電容量(充電電流)の影響が無視できなくなります。特に長距離送電では、この充電電流によって軽負荷時に受電端の電圧が送電端より高くなる「フェランチ効果」が発生し、電圧制御が難しくなります。シミュレーターで「線路1-3」を架空線から地中ケーブルに変えたつもりで、リアクタンスXを大幅に小さくし、かつ静電容量Bを大きく設定してみてください。負荷が少ない時に、バス3の電圧がバス1を上回る現象を確認できるはずです。
次に、母線電圧は「1.0」が常に最適と思いがちですが、実務では系統全体の電圧プロファイルを考慮します。例えば、送電端の電圧を1.05[p.u.]、中間点を1.02、需要端を0.98のように、段階的に下げて設定することがあります。これは、無効電力の流れを最小化して送電損失を減らすためです。シミュレーターで全ての母線電圧を1.0に固定して負荷を変えると、無効電力の潮流が大きくなり、結果として送電損失が増加する様子を観察できます。
最後に、潮流計算の結果は「静的なスナップショット」であることを理解しましょう。この計算は、ある特定の運転状態(例えば、午後2時のピーク時)での安定状態を解いています。しかし、実際の系統では、太陽光発電の出力急変や大規模電動機の起動などによる「動的な現象」が常に発生しています。潮流計算で電圧が許容範囲内だからといって、瞬時的な電圧降下(サグ)が起きない保証にはなりません。動的現象の解析には、別の「過渡安定度解析」ツールが必要です。
基準容量100 MVAで既定値(発電機2 Pg2=1.0 pu、Vg2=1.05 pu、負荷 Pl2=0.6 pu・Pl3=0.8 pu、X12=0.10・X13=0.15・X23=0.20 pu)を使うと、正味の負荷は Pl2+Pl3−Pg2=0.4 pu(40 MW)で、X/R=10 を仮定した送電損失の概算は約0.95 MW、スラック発電機(母線1)の出力は約40.9 MWとなります。負荷を増やすと位相角差と損失がともに大きくなる様子を確認できます。