hL = f · (L/D) · v²/(2g)
層流(Re<2300): f = 64/Re
乱流: コールブルック式
1/√f = −2log(ε/3.7D + 2.51/(Re√f))
管径・管長・流量・流体を設定して、レイノルズ数・摩擦係数f・主損失・局所損失(エルボ・バルブ)を含む総圧力損失をリアルタイム計算。ムーディ線図に現在の動作点を表示。
プラント・化学設備の配管設計:工場内で薬液や水を送る配管のサイズとポンプ性能を決定するために必須です。直管損失に加え、シミュレーターで計算できるエルボやバルブによる「局所損失」を考慮し、全システムの必要揚程を算出します。
建物の空調・給排水設備設計:ビル全体に冷水や温水を循環させる配管ネットワークの設計に使われます。各階への流量と圧力が均等になるよう管径を決め、エネルギー消費が最小となる最適な設計を目指します。
水道・ガス管路ネットワークの解析:都市に張り巡らされた広大な管路の圧力分布を予測するために応用されます。中継ポンプ場の設置位置やポンプの運転計画を立て、末端まで確実に水やガスを供給する基盤となります。
CAEシミュレーションの前処理・検証:本格的な3次元流体解析(CFD)を行う前に、システム全体の大まかな圧力損失を本ツールで見積もります。これによりCFDの境界条件設定が適切かどうかをチェックし、計算時間の短縮と信頼性向上に役立てます。
このツールを使い始める際、特に初心者が陥りがちな落とし穴がいくつかあります。まず一つ目は、「管内径D」と「呼び径」を混同することです。例えば「50A」という鋼管の呼び径は約50mmですが、実際の内径はスケジュール(板厚)によって異なります。50AのSCH40では内径が約52.5mmなのに対し、SCH80では約49.0mm。この違いだけで、同じ流量での圧力損失が20%以上変わってくることもあるんです。設計では必ず実内径で計算しましょう。
二つ目は、局所損失係数Kの「代表流速」を意識しないことです。エルボや弁の損失は $\Delta P = K \cdot (\rho v^2 / 2)$ で計算しますが、この流速vは通常、損失部品が存在する「管の流速」です。しかし、弁のカタログ値によっては、弁自体の絞り部の流速を代表値としている場合もあり、統一しないと過大または過小評価になります。ツールでは一般的な管流速を基準としていることを押さえておきましょう。
三つ目は、「層流」の範囲を過信しすぎることです。確かにレイノルズ数Reが2300以下なら層流と判定されますが、配管の入口形状が急だったり、途中に乱れを生じる要素があると、Reが2000程度でも乱流遷移が起きることがあります。特に粘度の高い油などの設計では、「計算上は層流」でも、安全を見込んで乱流式で検討するといった現場の知恵が必要です。
鋼管φ25(内径24.3mm)、長さ15m、流量100L/min、エルボ90度3個の場合:流速v=3.43m/s、レイノルズ数Re=82,900(乱流域)、摩擦係数f=0.025(ムーディ線図値)、主損失ΔP=18.2kPa、局所損失(K値0.9×3個)ΔP=5.1kPa、総圧力損失=23.3kPaとなります。ポンプ選定時はこの値に15~20%の余裕を加えた揚程を確保します