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配管圧力損失計算

管内圧力損失計算機(ダルシー-ワイズバッハ)

管径・管長・流量・流体を設定して、レイノルズ数・摩擦係数f・主損失・局所損失(エルボ・バルブ)を含む総圧力損失をリアルタイム計算。ムーディ線図に現在の動作点を表示。

管路パラメータ
流体
管径 D
mm
管長 L
m
流量 Q
m³/s
管壁粗さ
材料 / 粗さ ε
局所損失(管路部品)
計算結果 & 可視化
層流
計算結果
レイノルズ数 Re
摩擦係数 f
流速 v (m/s)
主損失 ΔP (kPa)
局所損失 ΔP (kPa)
総圧力損失 (kPa)
none
Local inputs
プロファイル
ムーディ線図(現在点: ●)
ムーディ線図
理論・主要公式
ΔP = f · (L/D) · ρv²/2
hL = f · (L/D) · v²/(2g)

層流(Re<2300): f = 64/Re
乱流: コールブルック式
1/√f = −2log(ε/3.7D + 2.51/(Re√f))

管内圧力損失計算機(ダルシー-ワイズバッハ)とは

🙋
このシミュレーターで計算できる「圧力損失」って何ですか?ポンプの選定でよく聞く言葉なんですけど。
🎓
大まかに言うと、流体が管の中を流れる時に失うエネルギー、つまり「流れの抵抗」だね。例えば、同じ流量で水を送る時、細いホースを使うと出口で勢いが弱くなるよね?あれが圧力損失の身近な例だ。このツールでは、管の長さや太さ、流体の種類を上のパラメータで変えると、その損失がどれくらいになるか計算できるんだ。
🙋
え、そうなんですか!「層流・乱流の自動判定」って表示がありますが、それが損失に影響するんですか?
🎓
大きく影響するよ。層流(流れが滑らか)か乱流(流れが渦を巻く)かで、摩擦の仕組みが大きく異なるんだ。シミュレーターで「流量Q」のスライダーをグッと大きくして流速を上げてみて。レイノルズ数が2300を超えると「乱流」に変わり、計算される摩擦係数fが跳ね上がるのが見えるはず。これが圧力損失が急増する原因なんだ。
🙋
「材料/粗さε」も選べますね。ツルツルの管とサビた管で、そんなに結果が変わるんですか?
🎓
実務ではここが非常に重要だよ。特に乱流では、管の内壁の粗さが損失を大きく左右する。シミュレーターで「材料/粗さ」を「新しい鋼管」から「錆びた鋼管」に変えてみて。同じ流量でも圧力損失ΔPが数倍になることがあるんだ。配管設計では、経年劣化で粗さが増すことも考えてポンプを選ばなきゃいけないんだよ。

よくある質問

流体選択ドロップダウンから水や空気などのプリセットを選ぶか、カスタムで密度と粘度を直接入力してください。密度と粘度は圧力損失計算に直接影響するため、実流体の物性値に近い値を設定することが重要です。
エルボやバルブの個数と損失係数(K値)を入力することで、ダルシー-ワイズバッハ式の直管損失に加算されます。総圧力損失は直管損失と局所損失の合計としてリアルタイムに表示されます。
現在の流量・管径・流体条件におけるレイノルズ数と相対粗さに対応する摩擦係数fの位置をムーディ線図上にプロットします。これにより、流れが層流か乱流か、また管の粗さがどの程度影響しているかを視覚的に確認できます。
まず管径と流量の入力値が実測と一致しているか確認してください。流速が二乗で効くため、流量の誤差が大きな影響を与えます。また、流体の粘度や密度、管の相対粗さの設定も見直してください。

実世界での応用

プラント・化学設備の配管設計:工場内で薬液や水を送る配管のサイズとポンプ性能を決定するために必須です。直管損失に加え、シミュレーターで計算できるエルボやバルブによる「局所損失」を考慮し、全システムの必要揚程を算出します。

建物の空調・給排水設備設計:ビル全体に冷水や温水を循環させる配管ネットワークの設計に使われます。各階への流量と圧力が均等になるよう管径を決め、エネルギー消費が最小となる最適な設計を目指します。

水道・ガス管路ネットワークの解析:都市に張り巡らされた広大な管路の圧力分布を予測するために応用されます。中継ポンプ場の設置位置やポンプの運転計画を立て、末端まで確実に水やガスを供給する基盤となります。

CAEシミュレーションの前処理・検証:本格的な3次元流体解析(CFD)を行う前に、システム全体の大まかな圧力損失を本ツールで見積もります。これによりCFDの境界条件設定が適切かどうかをチェックし、計算時間の短縮と信頼性向上に役立てます。

よくある誤解と注意点

このツールを使い始める際、特に初心者が陥りがちな落とし穴がいくつかあります。まず一つ目は、「管内径D」と「呼び径」を混同することです。例えば「50A」という鋼管の呼び径は約50mmですが、実際の内径はスケジュール(板厚)によって異なります。50AのSCH40では内径が約52.5mmなのに対し、SCH80では約49.0mm。この違いだけで、同じ流量での圧力損失が20%以上変わってくることもあるんです。設計では必ず実内径で計算しましょう。

二つ目は、局所損失係数Kの「代表流速」を意識しないことです。エルボや弁の損失は $\Delta P = K \cdot (\rho v^2 / 2)$ で計算しますが、この流速vは通常、損失部品が存在する「管の流速」です。しかし、弁のカタログ値によっては、弁自体の絞り部の流速を代表値としている場合もあり、統一しないと過大または過小評価になります。ツールでは一般的な管流速を基準としていることを押さえておきましょう。

三つ目は、「層流」の範囲を過信しすぎることです。確かにレイノルズ数Reが2300以下なら層流と判定されますが、配管の入口形状が急だったり、途中に乱れを生じる要素があると、Reが2000程度でも乱流遷移が起きることがあります。特に粘度の高い油などの設計では、「計算上は層流」でも、安全を見込んで乱流式で検討するといった現場の知恵が必要です。

使い方ガイド

  1. 管の内径D(mm)と長さL(m)を入力します。鋼管φ25の場合、内径24.3mmを使用します
  2. 流量Q(L/min)を設定します。例えば冷却水系統では50~200L/minの範囲が一般的です
  3. 配管に含まれるエルボ90度と45度の個数を入力し、ムーディ線図から自動計算されたレイノルズ数と摩擦係数を確認します
  4. 主損失(直管部)と局所損失(エルボ等)を合算した総圧力損失が計算されます

具体的な計算例

鋼管φ25(内径24.3mm)、長さ15m、流量100L/min、エルボ90度3個の場合:流速v=3.43m/s、レイノルズ数Re=82,900(乱流域)、摩擦係数f=0.025(ムーディ線図値)、主損失ΔP=18.2kPa、局所損失(K値0.9×3個)ΔP=5.1kPa、総圧力損失=23.3kPaとなります。ポンプ選定時はこの値に15~20%の余裕を加えた揚程を確保します

実務での注意点