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光学・波動

プリズム・光の屈折シミュレーター

入射角・プリズム頂角・ガラスの種類を変えて光の屈折・分散・全反射をリアルタイム可視化。スネルの法則・偏角・虹のメカニズムを直感的に理解できます。

ガラスの種類

屈折率 n
プリズム頂角 A
°
入射角 θ₁
°
ライブ数値
入射角 θ₁
—
屈折角 θ₂
—
偏角 δ
—
最小偏角 δmin
—
臨界角 θc
—
屈折率 n
—
リアルタイム光線追跡
赤 (長波長・n小) 紫 (短波長・n大) 偏角の基準線
理論・主要公式
\(n_1\sin\theta_1 = n_2\sin\theta_2\)
偏角:\(\delta = \theta_1 + \theta_4 - A\)
臨界角:\(\theta_c = \arcsin(1/n)\)
最小偏角:\(\delta_{min} = 2\arcsin(n\sin\frac{A}{2}) - A\)

💬 解説ダイアログ

🙋
プリズムで光が虹色に分かれるのはなぜですか?白い光の中に色が入ってるんですか?
🎓
白色光は全ての可視波長(400〜700nm)を含んでいる。ガラスの屈折率が波長ごとに微妙に違って(分散)、紫が最も屈折して赤が最も屈折しにくい。だから出てくる角度がずれて虹色に見える。これをニュートンが実験で示した。このツールの「スペクトル分散表示」は赤 660 nm から紫 440 nm まで6本の光線を波長ごとの屈折率で描いていて、クラウンガラス・頂角60°・入射角45°なら赤と紫の出射方向は約1.2°ずれる。
🙋
「全反射」って何ですか?光ファイバーで使われてると聞きました。
🎓
ガラス→空気のように密な媒質から疎な媒質に光が進むとき、入射角が臨界角以上になると光が全部反射して透過しない。光ファイバーはこの全反射を使ってガラスの中で光を曲げて伝送する。ダイヤモンドの輝きも同じ原理だ。屈折率2.42で臨界角が約24°と小さいから、ブリリアントカットは入った光が底面側で2回全反射して正面に戻るように角度が決められている。このツールで「ダイヤ」を選ぶと、頂角60°ではどの入射角でも第2面で全反射して光が出てこないのが確かめられるよ。
🙋
「最小偏角」って何ですか?この条件だと何かいいことがあるんですか?
🎓
最小偏角の条件(入射角=出射角)では光がプリズム内を対称に通る。このとき偏角の入射角依存性がゼロになって測定精度が最大になる。分光器の校正や屈折率の精密測定にこの条件が使われる。クラウンガラス(n=1.52)・頂角60°なら最小偏角は38.9°で、入射角が約49.5°のときに実現する。図に「最小偏角」の表示が出る入射角を探してみて。

よくある質問

Q. なぜ青より赤のほうが屈折しにくいのですか?
A. ガラス中の電子は光の電場に共鳴し、紫外線に近い高周波(短波長)ほど応答しやすいため、極性(誘電率)が大きく屈折率が高くなります(正常分散)。可視光では紫(n≈1.53)から赤(n≈1.51)まで順次小さくなります。
Q. 空の虹はどう形成されますか?
A. 雨粒が球形プリズムとして働きます。光が入射→内部で1回反射→出射の経路をたどり、太陽と反対の方向から測った角度が約42°(赤)〜40°(紫)に集中するため、その方向に虹が見えます。この「最小偏角に対応する集中」が虹の輝きの原因です。
Q. ダイヤモンドが輝くのはなぜですか?
A. ダイヤモンドの屈折率n≈2.42は非常に高く、臨界角が約24°と小さい。宝石のカット(ブリリアントカット)は光が内部で全反射を繰り返して正面方向に集中するように計算されています。また高い分散(色の広がり)がファイアー(虹色のきらめき)を生みます。
Q. 光ファイバーの開口数(NA)とは?
A. NA=√(n_core²-n_clad²)で、光ファイバーに入射できる光の最大角度(受け入れ角=arcsin(NA))を表します。コアとクラッドの屈折率差が大きいほどNAが高く、より大きな角度の光を取り込めます。典型値はシングルモードファイバーNA≈0.1、マルチモードNA≈0.2〜0.5です。

プリズム・光の屈折シミュレーターとは

プリズム内での光の屈折は、スネルの法則 \( n_1 \sin\theta_1 = n_2 \sin\theta_2 \) に従い、媒質界面での入射角と屈折角が決定されます。プリズム頂角 \( A \) と屈折率 \( n \) により、光線の最小偏角 \( \delta_m \) は \( \delta_m = 2\sin^{-1}\left(n \sin\frac{A}{2}\right) - A \) で与えられ、この関係から波長ごとの屈折率差が分散を生みます。例えば、可視光では青が赤より大きく屈折し、虹色のスペクトルが形成されます。また、第2面への入射角が臨界角 \( \theta_c = \sin^{-1}(1/n) \) を超えると全反射が起こり、光は第2面から出られずに反射されます(本ツールでは反射後の光路も描きます)。本シミュレーターでは、これらのパラメータをリアルタイムで変更しながら、屈折光路や分散の様子を直感的に観察できます。

実世界での応用

光学設計の初期検討
分光器やカメラレンズでは、ガラスの種類(屈折率と分散)と形状で光の曲がり方と色の分かれ方が決まります。「ガラスの種類」を切り替えて偏角と分散の変化を見ることは、その最初の感覚づくりになります。色収差の補正では、分散の小さいクラウンガラスと大きいフリントガラスを組み合わせるのが基本で、下の表のアッベ数がその指標です。光ファイバーでは、コアとクラッドの屈折率差で決まる臨界角より浅い角度の光だけが全反射で閉じ込められるので、臨界角の表示がそのまま設計の出発点になります。

研究・教育での活用
大学の物理学実験や光学の講義では、スネルの法則や分散現象を直感的に理解する教材として利用されます。例えば、虹の発生メカニズムを学ぶ際、水滴内部での屈折と全反射をプリズムモデルで再現し、入射角と波長ごとの偏角変化をリアルタイムに観察できます。これにより、理論式だけでは掴みにくい波長依存性や臨界角の概念を、学生が自ら試行錯誤しながら習得できます。

CAE解析との連携や実務での位置付け
本シミュレーターは、光学系の初期検討で入射角・頂角・屈折率の影響を素早く確かめるためのものです。Zemax や Code V のような光学設計ソフトで精密な光線追跡を行う前に、プリズム形状の大まかな影響を把握する用途に向きます。レンズ全体の収差や公差の評価は、そうした専用ソフトで行います。

よくある誤解と注意点

「入射角が大きいほどプリズム内での光路長が長くなり、分散(色の分離)も強くなる」と思いがちですが、実際は、赤と紫の出射方向の差はガラスの分散(波長による屈折率の差)と頂角でほぼ決まり、入射角への依存はゆるやかです。逆に入射角を小さくしすぎると、第2面への入射角が臨界角を超えて全反射が起き、光がプリズムから出なくなります(クラウンガラス・頂角60°では入射角30°未満)。

「プリズム頂角を大きくすれば必ず虹のスペクトルが広がる」と思いがちですが、実際には頂角が大きいほど第2面で全反射しやすくなり、頂角が臨界角の2倍(クラウンガラスでは約82°)を超えると、どの入射角でも光は透過しません。頂角80°でも透過できるのは入射角73°以上に限られ、その境目付近では屈折率の大きい紫側だけが先に全反射します。シミュレーションでは頂角と入射角の組み合わせに注意してください。

「ガラスの種類を変えても、屈折率が高ければ必ず偏角(光の曲がり角)が大きくなる」と思いがちですが、実際には偏角は入射角・頂角・屈折率の三者で決まります。同じ入射角45°・頂角60°でも、n=1.52 では偏角39.3°、n=1.62 では50.3°ですが、n=2.42(ダイヤ)では第2面で全反射して出射しません。偏角は入射角に対して最小偏角の前後で緩やかに変わり、全反射の境目の近くでは急に変わるので、実務では設計値の微調整に注意が必要です。

使い方ガイド

  1. 「ガラスの種類」のボタンか「屈折率 n」(1.10〜2.80、0.01刻み)で屈折率を設定します。一般的な光学ガラスは1.5〜1.9です
  2. 「プリズム頂角 A」を20°〜80°で変えると、偏角 δ と最小偏角 δmin がすぐに更新されます
  3. 「入射角 θ₁」を0°〜89°で調整し、第1面の屈折角 θ₂ と第2面での全反射の有無を確認します。「入射角スイープ」で自動的に変化させることもできます
  4. 「スペクトル分散表示」をオンにすると、赤(660 nm)から紫(440 nm)までの6本の光線を波長ごとの屈折率で描き、色の分かれ方が見えます
  5. 「法線ベクトル表示」をオンにすると、入射角・屈折角を測る基準の法線が表示されます

具体的な計算例

クラウンガラス(n=1.52)、頂角60°、入射角45°の場合:第1面の屈折角は sinθ₂=sin45°/1.52≈0.465 より θ₂=27.7°。第2面への入射角は 60°−27.7°=32.3° で、臨界角 θc=asin(1/1.52)=41.1° より小さいので透過し、出射角は asin(1.52·sin32.3°)≈54.3°、偏角 δ=45°+54.3°−60°=39.3° です。最小偏角は 2·asin(1.52·sin30°)−60°=38.9°(入射角約49.5°のとき)。分散表示では、ツールの分散モデルで赤(660 nm、n≈1.518)と紫(440 nm、n≈1.530)の偏角が約1.2°ずれます。入射角を30°未満にすると第2面で全反射が起きます。

実務での注意点

🎬 動画で見る

光の屈折|臨界角を越えると光は全部はね返る #Shorts
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光の分散|プリズムが白色光を虹に分ける #Shorts
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補足情報

📊 代表的なガラスの分散特性(ナトリウムD線 λ=589nm 基準)

材質屈折率 n_Dアッベ数 V用途
クラウンガラス (Crown)1.5264レンズ前群・眼鏡
フリントガラス (Flint)1.6236色収差補正・後群
BK7光学ガラス1.51764.2精密光学機器標準
重フリントガラス (SF)1.7528ペリスコープ・特殊用途
溶融石英 (SiO₂)1.45868UV光学・光ファイバー
水 (20°C)1.33356自然界・水中光学
ダイヤモンド2.41755宝石・高圧光学窓
※ アッベ数 V=(n_D−1)/(n_F−n_C)。Vが大きいほど分散が小さい(色収差が少ない)。