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解析ツール

ロータダイナミクス・臨界速度計算機

質量・軸剛性・減衰比・偏心量を入力して臨界速度Ncを算出。不釣り合い応答曲線と歳差運動アニメーションでロータの共振挙動を直感的に理解しよう。

パラメータ入力
ロータ質量 m
kg
軸剛性 k
×10⁵
×10⁵ N/m(スライダー値 × 10⁵)
偏心量 e
mm
減衰比 ζ
運転速度 n
rpm
計算結果
臨界速度 Nc (rpm)
ωc (rad/s)
共振振幅 (mm)
運転点振幅 (mm)
速度比 n/Nc
ローター
応答
理論・主要公式

$$N_c = \frac{60}{2\pi}\sqrt{\frac{k}{m}}\text{ rpm}$$

不釣り合い応答振幅:

$$A = \frac{e \cdot r^2}{\sqrt{(1-r^2)^2 + (2\zeta r)^2}}$$

$r = \omega/\omega_c$(速度比)

ロータダイナミクス・臨界速度とは

🙋
「臨界速度」って何ですか?タービンとかのカタログで見たことがあります。
🎓
大まかに言うと、回転体が一番大きく振れ回ってしまう危険な回転速度だよ。例えば、洗濯機が脱水の途中で「ガタガタ!」と揺れるあの現象に近いね。このシミュレーターで「質量」と「剛性」のスライダーを動かすと、計算される臨界速度がどう変わるか、すぐに確認できるよ。
🙋
え、じゃあその速度で運転しちゃダメなんですか?でもジェットエンジンのタービンはもっと速く回ってますよね。
🎓
良いところに気が付いたね。実務では「超臨界運転」といって、危険な速度域を素早く通り抜けて、その上で運転するんだ。シミュレーターで「運転速度」を臨界速度より高く設定して、グラフの山を越えてみて。減衰比を大きくすると、この山が低くなって通りやすくなるのがわかるよ。
🙋
「偏心量」って何ですか?これもスライダーで変えられますが。
🎓
回転体の重心がほんの少し軸の中心からズレている量だ。完全なバランスは現実には不可能なんだ。この「e」の値を大きくすると、グラフの振幅全体が大きくなるでしょう?これが不釣り合い力の大きさで、現場で振動トラブルの原因で一番多いんだよ。

よくある質問

はい、正しい場合があります。入力した質量と剛性から計算される臨界速度が、グラフの表示範囲外になることがあります。その場合は、グラフの軸範囲を手動で調整するか、入力値を再確認してください。特に剛性が極端に高い、または質量が極端に小さいと高回転側にシフトします。
1つのピークが基本の臨界速度に対応します。複数ピークが見える場合、それは高調波共振(2次、3次成分)や、入力した減衰比が極端に小さい場合に現れる副次的な共振の可能性があります。ただし本シミュレーターは1自由度Jeffcottモデルが基本のため、通常は1つの明確なピークが現れます。
減衰比は振動エネルギーを熱に変換して吸収する能力を表します。値を大きくすると、臨界速度通過時の共振ピークが抑制され、最大振幅が低下します。実機ではベアリングのオイルダンパや材料内部摩擦が減衰に寄与しており、安全な運転のために適切な減衰設計が重要です。
それは逆歳差(バックワードホワール)と呼ばれる現象です。臨界速度以下では順方向歳差が支配的ですが、減衰や非対称性の影響で逆方向成分が現れることがあります。アニメーションはこの複合的な軌道を可視化しており、実機では異常振動の兆候となる場合があるため注意が必要です。

実世界での応用

タービン・発電機:火力や原子力プラントの大型タービンでは、複数の臨界速度が設計範囲内に存在します。起動・停止時にこれらの速度域を如何に安全に通過させるかが運転シミュレーションの重要課題です。

航空機エンジン:ジェットエンジンのコンプレッサーやタービンロータは非常に高速度で回転します。軽量化のために剛性を抑えると臨界速度が下がるため、ほぼ確実に超臨界運転領域に入り、その設計が必須となります。

産業用ポンプ・ファン:化学プラントなどで使われる多段遠心ポンプでは、内部の羽根車(インペラー)がロータを構成します。軸受の劣化による支え剛性の変化が、臨界速度を変え、振動問題を引き起こすことがあります。

自動車のターボチャージャー:エンジンの排気で駆動されるタービンは小型ながら数十万rpmで回転します。この超高回転域で安定して動作させるため、ロータダイナミクス解析により臨界速度を十分に高い位置に設計します。

よくある誤解と注意点

まず、「臨界速度は絶対に通過してはいけない危険速度だ」という思い込み。確かにその速度で定常運転するのは危険ですが、多くの高速回転機械は「超臨界運転」を前提に設計されています。重要なのは、減衰を適切に設計し、起動・停止時に素早く通過することです。例えば、あるターボ分子ポンプでは、1次の臨界速度が10,000 rpm付近にありますが、運転速度は80,000 rpmです。停止時にこの10,000 rpm域で一瞬振動が大きくなりますが、減衰設計により安全に通過できます。

次に、シミュレーターで使う「等価質量」や「等価剛性」の設定。これは現場で一番悩むところです。例えば、軸の中央に集中した質量(m)を考える時、実際のロータの質量をそのまま代入するわけではありません。軸自体の質量の一部(通常1/3から1/2)を加算する必要があります。剛性(k)も、軸の剛性だけでなく軸受や支持構造の剛性が支配的になるケースが多々あります。ベアリングの種類(玉軸受 vs すべり軸受)やオイルフィルムの剛性が大きく影響するので注意しましょう。

最後に、「偏心量(e)をゼロにすれば振動はなくなる」という理想論。現実では加工・組立誤差、材質の不均一、運転中の熱変形や摩耗で必ず不釣り合いは発生します。ツールでeを変えて振幅がどう変わるかを見るのは、バランス調整の効果を予測するためです。例えば、偏心量を10μmから5μmに削減(バランス修正)すれば、共振点での振幅はほぼ半分にできると定性的に理解できます。完全なゼロを目指すよりも、許容振幅以内に収めるコスト感覚が重要です。

使い方ガイド

  1. ロータの質量をkg単位で入力します。例えば圧縮機ロータの場合50~200kgが一般的です
  2. 支持軸受の剛性をN/m単位で設定します。転がり軸受なら500~2000kN/m、すべり軸受なら100~800kN/mの範囲が目安です
  3. 減衰比ζを0.01~0.15の範囲で指定します。鋼製ロータでは0.03~0.05が標準値です
  4. ロータの質量中心の偏心量eをμm単位で設定します。精密機械なら5~20μm、一般産業機械なら20~100μmです
  5. 計算ボタンをクリックすると臨界速度Ncと共振振幅が即座に表示されます

具体的な計算例

ターボポンプのロータ(質量80kg、軸受剛性1200kN/m、減衰比0.04、偏心20μm)の場合を計算します。臨界速度Nc=4238rpm(ωc=443.5rad/s)と求まり、この速度での共振振幅は1.24mmです。運転点が6000rpmの場合、速度比n/Nc=1.42となり、共振域を安全に通過できると判定されます。一方、不釣り合い応答曲線では2000rpm付近で小さなピークが現れ、軸受剛性を20%低減させると臨界速度は3800rpmへ低下することが確認できます

実務での注意点