k = 1.381×10⁻²³ J/K、q = 1.602×10⁻¹⁹ C。nは理想係数(1=拡散支配、2=再結合支配)。
Shockley方程式 $I = I_0(e^{V/nV_T}-1)$ を使ってダイオードの電流-電圧特性を計算。材料・温度・理想係数をリアルタイムで変えて半導体の動作原理を体験しよう。
k = 1.381×10⁻²³ J/K、q = 1.602×10⁻¹⁹ C。nは理想係数(1=拡散支配、2=再結合支配)。
整流回路(AC/DC変換):交流を直流に変換する最も基本的な用途です。家庭用電源アダプターや電源回路の入力段で、シリコンダイオードがブリッジ整流子として使われています。シミュレーターで見られる順方向電圧(シリコンで約0.7V)は、この時の損失電圧となります。
電圧リファレンス・温度センサー:ダイオードの順方向電圧が温度に依存する特性を利用します。例えば、定電流を流した時の電圧変化を測ることで、精度の高い温度測定が可能です。シミュレーターで温度を変えた時のグラフのシフトが、この原理です。
高周波・無線通信(ゲルマニウムダイオード):ゲルマニウムは順方向電圧が低いため、微小な高周波信号の検波(復調)に適しています。ラジオの鉱石検波器や一部のRF回路では、この特性が活かされています。
太陽電池:太陽電池の動作原理は、光によって生成されたキャリアがPN接合を駆動する「光起電力効果」ですが、その内部モデルはダイオード特性が基礎となっています。暗状態の太陽電池のI-V特性は、まさにこのシミュレーターのグラフそのものと言えます。
このシミュレーターを使う上で、特に実務設計を意識した注意点がいくつかあります。まず、「順方向電圧Vfは常に0.7V(シリコン)と思い込む」こと。これは大きな誤解です。データシートの0.7Vは、特定の電流値(例えば10mAや100mA)での「代表値」に過ぎません。シミュレーターで電流スケールを対数から線形に切り替え、1mAと100mAでの電圧降下を比べてみてください。電流が10倍になっても、電圧は約60mV(n=1, 室温の場合)しか増えませんが、絶対値は大きく変わります。低電流回路では0.4V程度、大電流整流では1Vを超えることも珍しくありません。
次に、逆方向飽和電流I₀の扱い。シミュレーターでは固定値ですが、実際の部品では製造バラツキが大きく、データシートには「最大値」しか載っていないことがほとんどです。例えば、あるシリコンダイオードのI₀が25°Cで1nA(典型)と書かれていても、最大値は50nAかもしれず、高温ではこの値がさらに1000倍以上に膨れ上がります。逆方向のリーク電流を厳密に考慮する必要がある高インピーダンス回路では、このバラツキが設計の成否を分けます。
最後に、ショックレー方程式の「適用限界」を理解すること。この式は中電流領域の挙動を非常によく説明しますが、現実のダイオードにはこのモデルに含まれない効果がたくさんあります。順方向の大電流領域では、半導体内部の抵抗(体抵抗)による電圧降下が無視できなくなり、グラフの傾きが急になります。逆に、極めて低い順方向電圧や逆方向領域では、表面リークや再結合の影響が支配的で、シミュレーションと実測が乖離します。あくまで「第一近似の美しいモデル」として使い、必要に応じてより高次のモデル(SPICEモデルなど)に進むことが大切です。
Si PN接合ダイオード(1N4148型)で逆方向飽和電流I0=2.5e-13 A、理想係数n=1.05、温度25℃時:熱電圧VT=25.87 mVとなり、順方向0.6V印加時の電流は約100 mAを示す。同条件で125℃に昇温するとI0が8倍に増加し、同一電圧での電流が約40%増加。Vf@1mA は25℃で0.59 V、85℃で0.56 Vと温度係数-2.0 mV/℃で低下する。