$T = \dfrac{K_t}{R_a}(V - K_e\omega)$
$P_{mech}= T\omega,\quad \eta = \dfrac{T\omega}{VI_a}$
Kt・Ke・Ra・電源電圧Vをスライダーで調整してトルク-速度曲線・出力・効率をリアルタイム計算。停動トルク・無負荷回転数・最高効率点を即座に把握。
$T = \dfrac{K_t}{R_a}(V - K_e\omega)$
$P_{mech}= T\omega,\quad \eta = \dfrac{T\omega}{VI_a}$
産業用ロボットアーム:関節の駆動にサーボモーターが使われます。アームが重い物を持ち上げる(高トルク低速度)時と、素早く移動する(低トルク高速度)時の動作点が、このトルク-速度曲線のどこに位置するかを設計時にシミュレーションします。効率が悪い領域での連続運転は発熱問題を引き起こします。
CNC工作機械の送り軸:切削抵抗に応じて必要なトルクが変化します。モーターと駆動系の慣性モーメント(パラメータJ)が大きいと加速・減速時の過渡応答が遅くなるため、曲線だけでなく動的な特性もCAEで評価します。
電気自動車の駆動モーター:広い速度範囲で高い効率を維持することが燃費に直結します。実務では、このような特性曲線を基に、モーターと減速ギアの組み合わせを最適化し、車両の要求トルク-速度領域を最高効率域でカバーする設計が行われます。
サーボアンプ(ドライバ)の制御設計:実際の制御では、電源電圧VをPWM(パルス幅変調)で実効的に変化させて、このトルク-速度曲線そのものをシフトさせ、目標のトルクと速度を実現します。CAEシミュレーションでは、モーター特性と制御器の応答を連成させたモデルを構築します。
このシミュレーターを使い始める際、特にCAE初心者が陥りがちな落とし穴がいくつかあります。まず第一に、「トルク定数Ktと逆起電力定数Keは、単位が違うだけで同じ値」と思い込むことです。確かに理想的なモーターでは数値が一致しますが、実機では設計や磁気飽和の影響で差が出ることがあります。データシートに両方の値が載っていればそれを使い、Keしかなければ「Ke ≒ Kt」と仮置きしてスタートするのが現実的なやり方です。
次に、電機子抵抗Raを過小評価しがちな点。この値は温度で大きく変動します。データシートの値は常温(25℃)でのもの。実際の連続運転ではコイルが熱を持ち、抵抗が1.5倍になることも珍しくありません。例えば、Ra=1Ωと入力して最高効率を求めても、実機では熱くなった段階で効率のピークがずれ、出力が低下する可能性があります。熱対策を考える際は、想定する最高動作温度での抵抗値を使ったシミュレーションも行いましょう。
最後に、このツールが示すのは「モーター単体の定常状態」の特性だという根本的な理解です。実際の装置では、減速機の効率や慣性モーメント、ドライバの電流制限が曲線を大きく変えます。例えば、停動トルクが1Nmのモーターに10:1の減速機をつけても、減速機効率が80%なら出力軸で得られるトルクは8Nm止まりです。この「システムとしての特性」を評価するには、次のステップとして減速機や負荷慣性を加えたモデリングが必要です。
100Wの小型サーボモーター:Kt=0.1Nm/A、Ke=0.1V·s/rad、Ra=2.5Ω、V=24Vを入力。停動トルク=I_stall×Kt=(24/2.5)×0.1=0.96Nm、無負荷回転数=(24-0)/(0.1×2π)≈382rpm、最大出力点は約1900rpm時の18Wで、このとき効率は75%に達します。産業用精密ロボット関節では同じパラメータセットで出力を3倍化し、Ra=0.8Ω、V=48Vにすることで停動トルク2.4Nmを実現します。