閉断面: $q = \dfrac{T}{2A_{enc}}$
$\tau = \dfrac{q}{t}= \dfrac{T}{2A_{enc}\,t}$
開断面: $\tau_{max}= \dfrac{T\,t}{\frac{1}{3}\sum b_i t_i^3}$
閉断面(箱型・円形)と開断面(C形・I形)のねじり剛性をブレット-バタリー理論でリアルタイム比較。せん断流れ矢印と応力分布を断面周りにアニメーション表示。
閉断面: $q = \dfrac{T}{2A_{enc}}$
$\tau = \dfrac{q}{t}= \dfrac{T}{2A_{enc}\,t}$
開断面: $\tau_{max}= \dfrac{T\,t}{\frac{1}{3}\sum b_i t_i^3}$
自動車・鉄道車体のフレーム設計: 車体の骨格(サイドシル、ピラー、ルーフレール)は、走行中の路面入力によるねじり変形を抑えるため、多くが閉断面(箱型)で構成されます。開断面に比べて桁違いに高いねじり剛性が、車体の剛性と耐久性を確保します。
航空機の主翼構造: 主翼の翼桁やリブは、薄肉の閉断面(いわゆる「翼箱」)として設計され、飛行中の空力によるねじりモーメントに抵抗します。軽量でありながら高いねじり剛性が求められる代表例です。
建築・橋梁の鋼構造部材: トラス橋の部材や建物のブレースなど、軸力が主たる荷重の場合でも、座屈防止の観点から閉断面(円形鋼管や角形鋼管)が多用されます。これは、閉断面が開断面に比べて曲げやねじりに対しても優れた性能を持つためです。
産業機械のシャフト・ハウジング: 動力伝達用のシャフトケーシングや機械の外郭を構成するハウジングは、閉断面とすることで、内部の回転部から伝わる振動やねじりが外部に伝わりにくくし、機械全体の精度と静粛性を高めます。
このツールを使い始める際、特にCAE初心者が陥りがちなポイントがいくつかあるよ。まず「薄肉」の定義だ。ツール名にある通り、ブレット-バタリー理論は「薄肉」が前提。目安は板厚が断面の代表寸法(例えば箱型の一辺の長さ)の1/10未満だ。例えば、幅100mmの箱型断面で板厚を15mmにすると、もはや「中肉」以上で理論の精度が落ちる。実務ではFEAで詳細検証が必要な領域だ。
次に材料定数の入力ミス。せん断弾性係数Gは鋼で約80GPa、アルミで約27GPaと材料で大きく異なる。ここを間違えると、計算される捩れ角が現実とかけ離れた値になる。例えばアルミ部材に鋼のG値を入れると、実際より3倍も剛性が高い(捩れ角が小さい)と誤判定してしまう。
最後に「閉断面」の落とし穴。ツールで箱型を選ぶと強そうに見えるが、実構造では溶接継ぎ目やボルト穴が弱点になる。理論上は閉じていても、継ぎ目が完全にせん断力を伝えられなければ「実質的な開断面」と化し、計算値よりはるかに早く破壊するケースがある。シミュレーション結果を盲信せず、実際の接合部の力の伝達経路を常に意識することがプロの勘所だ。
矩形ボックス断面(底辺100mm、厚さ4mm)にねじりトルク100N·mを作用させた場合、囲み面積A_enc≈9600mm²、せん断流q≈10.4N/mm、極慣性モーメントJ≈30500mm⁴となります。アルミ合金(G=26.5GPa)を選定するとねじり剛性GJ≈810kN·m²、単位長さあたりの捩れ角θ/L≈0.12rad/mです。同一断面を開断面(スリット)に変更すると、Jは約1/300に低下し、θ/Lは360倍増加するため、航空機主翼スパーや橋梁フェンダーには必ず閉断面を採用します。