熱入力: $Q = V \cdot I \cdot \eta / v$
角変形: $\theta = C_1 Q / t^2$
縦収縮: $\delta_L = C_2 Q / (EA)$
残留応力ピーク ≈ 降伏応力 $f_y$(完全拘束時)
熱入力・継手種類・板厚・材料・拘束条件を変えて残留応力分布・角変形・縦収縮をリアルタイム計算。PWHT(溶接後熱処理)による応力低減効果も確認できます。
熱入力: $Q = V \cdot I \cdot \eta / v$
角変形: $\theta = C_1 Q / t^2$
縦収縮: $\delta_L = C_2 Q / (EA)$
残留応力ピーク ≈ 降伏応力 $f_y$(完全拘束時)
造船・海洋構造物:分厚い鋼板を接合するブロック溶接では、大きな角変形が発生すると次のブロックとの合わさりが悪くなります。シミュレーションで熱入力を最適化し、補正治具を設計する段階で変形量を予測します。
自動車車体(ボディ)製造:薄板のスポット溶接では残留応力が疲労強度に影響します。特に衝撃を受ける部位では、残留応力の分布を考慮して溶接ポイントの配置を決定し、車体の剛性と耐久性を両立させます。
発電プラント・圧力容器:高温高圧下で使用される設備では、残留応力が応力腐食割れの起点となるリスクがあります。設計段階でシミュレーションを行い、必要に応じてPWHT(溶接後熱処理)の条件(温度、保持時間)を決定します。
橋梁・建築鋼構造:現場での溶接作業では、拘束条件が複雑で変形制御が困難です。シミュレーションを用いて、溶接順序(どこから溶接するか)を事前に検討し、全体の変形を最小化する施工計画を立てます。
まず最初に、このシミュレーションは「万能の予測手段」じゃないということを頭に入れておこう。入力パラメータを適当に入れても、出てくる答えは「入力が不適切なら出力も信頼できない」だ。例えば、材料特性データ。多くの人がカタログ値の常温データをそのまま使ってしまうけど、溶接シミュでは600℃や800℃でのヤング率や降伏応力が結果を大きく左右する。SUS304の常温ヤング率は約193GPaだけど、800℃だと半分以下の約90GPaにまで低下する。このデータを間違えると、変形量も残留応力も見当違いの結果になってしまうよ。
次に、拘束条件の設定ミス。現実のワークは治具でガチガチに固定されてるけど、シミュで完全固定(全ての自由度を拘束)しすぎると、不自然に大きな残留応力が計算されることがある。逆に拘束が緩すぎると、変形が実際より大きく出る。例えば、長尺の突合せ継ぎでは、熱膨張による「蛇行」を許すために、一部の方向だけ拘束するなど、現実の治具を想像した設定が必須だ。
最後に、メッシュ依存性を見落とすな。溶接ビード周辺は急激な温度勾配が生じるから、ここはメッシュを細かく切らないと温度場も応力場も正確に捉えられない。でも全体を細かくしすぎると計算時間が爆発する。例えば、板厚20mmの継手で、溶接線近傍を1mmメッシュ、離れた場所を5mmメッシュといった「段階細分化」が定石だ。メッシュを2倍細かくして結果が大きく変わらなければ、ひとまず安心できるね。
SS400鋼板(t=12mm)の隅肉溶接で電圧30V・電流200A・速度300mm/min・効率85%の場合、熱入力Q=12.0J/mmが得られます。このとき残留応力はσ_res≈280MPaと推定され、予熱なしでの角変形は約1.8°、縦収縮は2.4mmです。予熱を150℃に設定するとpreheat factor=0.72により応力が約190MPaに低減し、さらに650℃×2hのPWHTを施すと応力緩和率60%でσ_res≈115MPaまで改善されます。