電磁ノイズ — CAE用語解説
電磁ノイズ
先生、EVのモーターから「電磁ノイズ」が発生するって聞きましたが、どんな音ですか?
モーターの電磁ノイズは主に「高調波磁場力」によって引き起こされる振動と騒音だ。ステータのスロット数と回転数に応じた空間高調波成分が径方向の電磁力(Maxwell応力)として鉄心に作用して、ステータがリング状に変形振動し空気を押して音が出る。EVで問題になりやすい「モーター鳴き」は600〜2000Hzの帯域が多く、エンジン音のないEV車室内では特に耳につく不快な音だ。また変換器(インバータ)のスイッチングに起因するPWM高調波も、モーターコアに高周波の磁歪振動を引き起こす要因になる。
定義
FEM解析でこの電磁ノイズを予測するにはどうするんですか?
電磁-構造-音響の3つを連成させる。①磁場FEM(Maxwell)でステータのティース・ヨーク表面にかかる径方向と接線方向の電磁力を周波数ごとに計算する。②構造FEM(Mechanical)でその電磁力を外力として入力し、ステータコアの振動応答(速度・加速度)を周波数応答解析で求める。③音響FEM(またはBEM)で振動するステータ表面を音源として周囲の音圧分布を計算する。Ansys Maxwell-Mechanical-Acousticsのワークフローや、LMSのように特化したNVHツールが使われるよ。
関連用語
設計段階でどのくらい騒音を下げられるんですか?
設計パラメータを最適化することで大きな改善が可能だ。スロット開口幅を狭くする(スロット高調波の低減)、補助スロットの追加、ステータの傾斜(スキュー)、ロータの磁石配置の非対称化などが代表的な対策で、10〜20dBの電磁騒音低減を達成した事例がある。ただしこれらの対策は効率や製造コストとトレードオフになる場合があって、多目的最適化(効率+騒音+コスト)をFEM連成解析ベースで実施するのが最先端の設計アプローチだ。
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