熱解析 — 輻射
輻射伝熱は、電磁波による熱輸送であり、媒体なしで伝わる・T⁴に比例するという2点で伝導・対流と根本的に異なります。高温プロセス(炉・燃焼)では支配的な伝熱形態になり、常温でも真空中(宇宙機・断熱材)では唯一の伝熱経路です。実務のパラメータは放射率εと形態係数(ビューファクタ)で、特に放射率の不確かさ(表面状態依存)が結果の不確かさの主因になります。
収録記事「キルヒホッフの法則」は、放射率=吸収率という基本法則と、グレー体近似が成り立つ条件・破れる条件(波長選択性)を解説します。「モンテカルロ放射解析」は、光線を統計的に追跡して複雑形状・鏡面反射・波長依存まで扱える最も汎用的な計算法で、統計誤差と光線数のトレードオフ、FEM/FVMの輻射モデル(DO法等)との使い分けを扱います。