$v_s = \dfrac{(\rho_p - \rho_f)\,d_p^2\,g\,C_c}{18\mu}$
Cunningham補正
$C_c = 1 + \dfrac{2\lambda}{d_p}\!\left(1.257 + 0.4\,e^{-1.1d_p/2\lambda}\right)$
拡散係数
$D_p = \dfrac{k_B T\,C_c}{3\pi\mu\,d_p}$
粒径0.01〜100μmの粒子について、沈降速度・拡散係数・ストークス数・Cunningham補正係数・肺沈着率をリアルタイムに計算・可視化します。
室内空気質・感染症対策:ウイルスや細菌を含む飛沫・エアロゾルの挙動予測に使われます。換気効率の評価や、空気清浄機の設置位置の最適化において、粒子の沈降速度や拡散係数の計算が基礎データとなります。
大気環境シミュレーション:PM2.5などの大気汚染物質が、発生源からどのように拡散・沈着するかをモデル化する際の核心的な計算です。長期予測モデルに粒子動力学のパラメータが組み込まれています。
産業プロセス・粉体工学:化学プラントでの粉塵爆発のリスク評価、塗装ブースや半導体クリーンルームでの粒子制御、吸入薬のデリバリーシステム設計など、多岐にわたる分野で応用されています。
CAEシミュレーション前処理:流体解析(CFD)で粒子の挙動を追跡するラグランジュ粒子追跡法を用いる際、粒子に働く力のモデルや、ストークス数に基づく衝突・付着モデルの設定パラメータとしてこれらの計算値が直接利用されます。
まず、「粒子密度はいつも水と同じ1g/cm³でいいだろう」という思い込み。これ、結構危ないです。例えば、金属酸化物の粉塵(密度~4g/cm³)と花粉(密度~0.5g/cm³)では、同じ10μmの粒子でも沈降速度が数倍違います。肺への沈着挙動も変わってくるので、実在する粒子の密度を調べるのが第一歩です。
次に、「空気の状態は標準状態(20℃, 1気圧)で固定」と考えがちな点。高所(気圧低下)や高温環境では、空気の粘度μや密度ρ_fが変わり、計算結果に影響します。例えば、標高2000mでは空気密度が約80%になるので、浮力が減り、沈降速度は少し速くなります。実環境をシミュレートする時は、温度・圧力パラメータの調整を忘れずに。
最後に、「ストークス数Stkが1より大きい=すぐに床に落ちる」という短絡的な解釈。Stkは気流の「曲がり角」での挙動指標です。直進性が高くても、初期速度がゼロなら沈降はゆっくり。例えば、換気口の気流に乗った大きな粒子(Stk>1)はダクトの曲がり部で壁に衝突しやすく、一方で同じ粒子が静止空気中では単にストークス沈降します。ツールで計算した各パラメータを、どういう流れ場で適用するのか、セットで考えるクセをつけましょう。
スチール工場の粉塵対策で粒径5μm、温度25°C(298K)、気圧101.3kPaの条件で計算した場合:沈降速度v=0.137cm/s、拡散係数D=1.06×10⁻⁵cm²/s、Stokes数St=0.23となり、肺奥部への到達率は約48%と予測されます。一方、粒径20μmでは沈降速度v=2.18cm/s、肺沈着率65%で上気道で除去されやすくなります。