使い方と計算例
まず3つの条件を比較
数値欄かスライダーでε・l・cを変えると、結果と図が即座に更新されます。希薄・高濃度・長光路のボタンは入力例です。「描画をリセット」は条件や停止状態を保ち、点の描画だけを初めに戻します。
既定値で検算
ε=5000 L/(mol·cm)、l=1 cm、c=0.1 mmol/L = 0.0001 mol/L。A=5000×1×0.0001=0.5、透過率は100×10⁻⁰·⁵=31.6228%、半減光路長は0.602060 cmです。
| 条件 | 吸光度 A | 透過率 %T |
|---|
| 既定値 | 0.5 | 31.6228 |
| 濃度を2倍:0.2 mmol/L | 1 | 10 |
| 光路長を2倍:2 cm | 1 | 10 |
濃度または光路長を2倍にするとAは2倍、透過割合Tは元の2乗です。濃度一定なら半減光路長はセルの長さを変えても変わりません。
仕組みと適用範囲
任意の迷光モデルで何が分かる?
迷光設定を2%(s=0.02)にすると、既定条件の見かけの吸光度は0.481967、透過率は32.9635%になります。主光束の理想値A=0.5と31.6228%は変わりません。仮定した迷光Psが、試料を通らず、試料とブランクの測定に同じ量だけ加わるモデルです。分子間相互作用など、すべての非線形性を表すものではありません。
小さな値の読み方
ε=100、l=0.1、c=0.001ならA=0.00001です。A=2600の透過割合は数学上10⁻²⁶⁰⁰で、通常の浮動小数点では0へ丸められます。本ページは対数値を保持し、1e-2600(1×10の−2600乗)と表示します。透過率%では1e-2598%です。「≈100%吸収」は丸め表示で、完全に光がゼロになったという意味ではありません。
実測に用いる前に
本ページは原理比較用です。入力例は校正済みの材料データではなく、迷光も仮定した一定値です。A=0.1〜1.5の外で必ず法則が崩れるという境界はありません。実際の適用範囲は物質、波長、溶媒、装置等に依存するため、標準液・ブランク・実測検量線で確認します。医療の定量、実機の性能保証、規格適合を判定しません。
出典と計算コード
下記の大学教材は吸光度・透過率と単位の関係、装置メーカー資料は迷光による負のずれを説明しています。ここでの一定迷光の正規化式は、上記の加算仮定から導いた教育用モデルで、資料中の実機特性を再現したものではありません。
よくある質問
濃度の単位はmol/Lですか?
入力欄と検量線の横軸はmmol/Lです。計算では1000で割ってmol/Lへ換算し、A = 0.001 ε l c(cはmmol/L)としています。
検量線の傾きはモル吸光係数εですか?
この横軸はmmol/Lなので、理想直線の傾きは0.001 ε lです。εを求めるには傾きを0.001 lで割ります。本ページは測定データへの回帰を行いません。
迷光を加えると溶液自体の吸光度は変わりますか?
このモデルでは変わりません。試料光とブランクに同じ迷光が加わり、見かけの透過率が上がり、見かけの吸光度が下がると仮定します。主光束の吸収と検出値を区別してください。
透過率が小さいとき、表示はゼロになりますか?
完全なゼロと区別できるように指数表記を使います。浮動小数点の表現範囲より小さい場合も、log₁₀T = −Aを保持して表示します。