$\lambda_{\max}T = 2.898\times10^{-3}\ \text{m·K}$
ステファン-ボルツマン則:
$P = \sigma A T^4,\ \sigma=5.67\times10^{-8}$
プランクの輻射法則による黒体放射スペクトルを複数温度で同時表示。ウィーンの変位則・ステファン-ボルツマン則をリアルタイム計算。太陽・白熱電球・人体の色温度を体験。
照明・表示技術: 白熱電球やLED、有機ELの色温度設計の基礎です。所望の「白さ」や「温かみ」を得るために、黒体放射曲線(プランキアン軌跡)上のどの点を目指すかが設計指針となります。
リモートセンシング・温度計測: 遠く離れた物体(例えば溶鉱炉内の鋼材、森林火災、地球表面)の温度を、その物体が放射する赤外線のスペクトルを分析することで非接触で計測します。シミュレーターで「人体」のプリセットを選ぶと、ピークが遠赤外線にあることが確認できます。
天文学: 恒星の表面温度を、その色(スペクトル型)から決定するのに用いられます。太陽のスペクトルは約5778Kの黒体放射に近く、ピーク波長は可視光の緑付近です。これが「太陽は緑色の星」と言われる所以です。
熱工学・CAE解析: 高温物体間の熱のやり取り(放射伝熱)を計算する際の基礎式です。自動車のエンジンルーム内の熱管理、人工衛星の熱制御設計など、実機試験が困難な場面でのシミュレーションに不可欠です。
このシミュレーターを使い始めるとき、いくつかつまずきやすいポイントがあるから気をつけてね。まず「黒体放射=物体が黒いこと」という誤解。黒体は「全ての入射光を吸収する」という理想的な性質を持つモデルで、実際の色とは関係ないんだ。例えば太陽(約5800K)は白く輝いているけど、その放射スペクトルは黒体放射に非常に近い。逆に、低温の黒体(例えば500K)は目に見える光をほとんど出さないから「黒い」けど、赤外線では強く放射している。シミュレーターで温度を3000K以下に下げてみて、可視光領域(グラフの虹色の部分)の山がどれだけ低くなるか確認してみよう。
次に波長軸のスケールの取り方。デフォルトでは線形スケールで表示されているけど、実際の応用では対数スケールで見ることも多い。なぜなら、放射エネルギーは波長によって何桁も変わるからだよ。例えば3000Kの分布で、可視光(0.38-0.78 µm)と中赤外(10 µm)の強度を比べてみ? 数桁違うのがわかるはず。実務で熱画像を扱うときは、この広大なダイナミックレンジをどう表示するかが重要になるんだ。
最後に「放射輝度」と「全放射エネルギー」の混同。グラフの縦軸は「分光放射輝度」で、単位波長あたり、単位立体角あたりのエネルギーだ。一方、ステファン-ボルツマン則で求まるのは「全波長、全方向への総エネルギー」。温度を2倍にすると、グラフのピーク値は大幅に上がるけど、全エネルギーは実に16倍(2の4乗)になる。この違いを意識しておかないと、熱設計で大きな見積もり違いをしてしまうから注意してね。
融解炉(T=1800K)のシミュレーション:ウィーンの変位則よりピーク波長=2898/1800=1.61μm(赤外線領域)、全放射M=5.67×10⁻⁸×1800⁴=5.91×10⁵W/m²。一方、常温黒体(T=300K)はピーク波長=9.66μmで赤外線測温器の検出範囲となり、全放射は459W/m²に過ぎません。2000K付近では可視光スペクトルが著しく増加し、鋳造品の色温度判定に用います。