$$\sigma_r = \frac{3+\nu}{8}\rho\omega^2(R^2 - r^2)$$ $$\sigma_\theta = \frac{3+\nu}{8}\rho\omega^2 R^2 - \frac{1+3\nu}{8}\rho\omega^2 r^2$$ 環状ディスクは Lamé 定数 A, B を内外境界条件で決定。
外径・内径・回転速度・材料を変えて、ディスクの半径方向応力 σr と円周方向応力 σθ の分布をリアルタイムに可視化。破裂速度と安全率も自動算出します。
タービン・発電機ディスク:ガスタービンや蒸気タービンの回転ディスクは、高温高応力下で作動します。フープ応力を正確に評価し、クリープ破壊や低サイクル疲労を防ぐために、この解析が設計の基本となります。
遠心分離機・遠心鋳造機:高速回転するロータ(ボウル)は、中実または小さな内孔を持つ形状が一般的です。材料の降伏応力と破裂速度を比較することで、運転速度の安全限界を設定します。
自動車のブレーキディスク・クラッチ板:回転部品として遠心力による応力が発生します。特にベンチレーテッドディスクなど複雑な形状でも、基本的な円盤応力の理解が熱応力との組み合わせ解析の基礎になります。
フライホイールエネルギー蓄積装置:高速回転により運動エネルギーを蓄えるフライホイールは、軽量化と高強度が求められます。繊維強化複合材料を用いる場合も、円周方向の引張応力が設計上のキーとなります。
このツールを使い始める際、特にCAE初心者が陥りがちな落とし穴がいくつかあります。まず、「材料の降伏応力さえ超えなければ安全」という誤解です。確かに破裂速度は降伏応力から計算しますが、実機では疲労破壊が大きな問題になります。例えば、毎分10万回転を繰り返す遠心分離機のロータは、最大応力が降伏応力の50%以下でも、繰り返し荷重により微小なき裂が成長して破断することがあります。ツールで安全率を確認したら、次は疲労寿命の検討が必要です。
次に、パラメータ入力の単位ミス。これは本当に多いです。ツールは内部でSI単位(m, kg, rad/s)で計算していますが、設計図面ではmmで、回転速度はrpmで記載されていることがほとんど。例えば、外径100mmを入力する際、うっかり「100」のまま入力すると(正しくは0.1)、応力は実は1万分の1で計算され、とんでもなく安全そうに見える結果が出て大事故のもとになります。入力後は、常識的なオーダーの応力値(例えば鋼なら数十~数百MPa)が出ているか、必ずサニティチェックを。
最後に、「薄肉円盤」理論の限界を理解すること。このツールの基礎式はディスクの厚さが一定で薄いことが前提です。しかし、実際のタービンディスクはボス部やブレード取付部で厚みが大きく変化します。そのような複雑形状では、このツールの結果はあくまで一次評価。ツールで内孔縁の応力集中を確認したら、その値を参考に、より詳細な3次元FEM解析で形状最適化を行うのが実務の流れです。
鋼製遠心分離機ロータ:密度7850kg/m³、E=200GPa、内半径30mm、外半径120mm、回転速度6000rpmの場合、外周部の円周方向応力σθmax≈580MPa、半径方向応力σrmax≈240MPaが得られます。破裂速度は約12500rpmと算出され、安全率SF=2.08となり、ASME規格の2.0以上の基準を満たします。最大変位は約0.15mmです。