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熱流体解析

強制対流熱伝達計算ツール

流体種別・流速・代表長さ・温度を入力してReynolds数・Nusselt数・熱伝達率をリアルタイム計算。Dittus-Boelter / Gnielinski 式と外部平板流・円柱流に対応。4流体のh-V特性を比較可視化。

パラメータ設定
流体
形状・相関式
流速 V
m/s
管径 D
mm
壁面温度 T_s
°C
バルク温度 T_b
°C
計算結果
Re
Pr
Nu
熱伝達率 h (W/m²K)
熱流束 q (kW/m²)
流況
熱伝達率 h vs 流速 V(4流体比較)
熱伝達係数 h vs 速度
Nu vs Re(対数スケール — 現在の流体)

※ 管内流は完全発達流を仮定(L/D≫1)。液体ナトリウムはLyon相関式(Nu=7+0.025Pe^0.8)を使用。エンジンオイルは高Prのため低Re域でも高Nu。

理論・主要公式

管内乱流(Dittus-Boelter):

$Nu = 0.023\, Re^{0.8}Pr^{n}$

(加熱 n=0.4、冷却 n=0.3)

Gnielinski(遷移〜乱流):

$Nu = \dfrac{(f/8)(Re-1000)Pr}{1+12.7\sqrt{f/8}(Pr^{2/3}-1)}$

平板層流:$Nu_L = 0.664\,Re_L^{1/2}Pr^{1/3}$

$h = Nu \cdot k / L$

強制対流熱伝達とは

🙋
「強制対流熱伝達」って、ファンやポンプで無理やり流体を動かして熱を奪うことですよね?このシミュレーターで何が計算できるんですか?
🎓
その通り!大まかに言うと、流体の種類や流れの速さ、管の太さから「どれだけ熱が伝わりやすいか」を計算するんだ。このツールでは、上の「流体」や「形状・相関式」を選んで、流速や温度をスライダーで変えると、リアルタイムで熱伝達率が計算されるよ。例えば、水と空気で同じ条件にすると、熱の伝わりやすさが何十倍も違うのがすぐわかる。
🙋
「相関式」にDittus-BoelterとGnielinskiってありますけど、どう使い分けるんですか?「管径D」を非常に細くしたら結果は変わる?
🎓
いいところに気がついたね。実務ではGnielinski式を使うことが多いんだ。Dittus-Boelterは完全な乱流(Re>10000)専用でシンプルだけど、Gnielinskiは遷移領域(Re=3000くらい)から使えて精度が高い。管径Dを小さくすると流速が同じでもレイノルズ数が小さくなるから、流れの状態(層流か乱流か)が変わる可能性があるよ。実際に「流速V」を固定したまま「管径D」を変えてみると、計算結果が大きく変わることがあるから確認してみて。
🙋
え、じゃあ「流体」を「液体ナトリウム」にすると、なんで熱伝達率が非常に高くなるんですか?冷却に最強って聞きますけど。
🎓
鋭い質問だ!液体金属はプラントル数Prが極端に小さい($Pr \approx 0.005$)のが理由だ。これは熱が分子運動(拡散)よりずっと速く運ばれることを意味する。シミュレーターで「流体」を水から液体ナトリウムに切り替えてみて。Prの値が一気に下がり、同じ流速でもNusselt数Nuが跳ね上がって、結果として熱伝達率が桁違いに高くなるのが確認できるよ。高速増殖炉の冷却などで使われる理由が実感できるはずだ。

よくある質問

Dittus-Boelter式はRe>10,000、Pr=0.6~160の完全乱流に適した簡易式です。Gnielinski式はRe=3,000~5×10^6、Pr=0.5~2,000と広範囲で高精度なため、遷移域や高Pr流体にはこちらを推奨します。本ツールでは両方を自動計算し比較可能です。
外部平板流は、流体が平板上を流れる場合(例:電子基板の冷却)に使用します。円柱流は、円管やワイヤー周りの流れ(例:熱交換器の管群)に適しています。代表長さは平板流では流れ方向長さ、円柱流では外径を入力してください。
本ツールの「h-V特性比較可視化」機能をご利用ください。流速を変化させると、4流体(例:空気・水・油・エチレングリコール)の熱伝達率がリアルタイムでグラフにプロットされます。温度変更も反映されるため、設計条件の最適化に役立ちます。
まず流体種別と物性値(密度・粘度・比熱・熱伝導率)が正しいか確認してください。次に代表長さと流速の単位(m, m/s)が適切か、流れの状態(層流/乱流)に対応する相関式を選んでいるかをご確認ください。特に低Re域ではGnielinski式が推奨されます。

実世界での応用

自動車エンジン冷却:ウォーターポンプで強制循環させる冷却水の熱伝達率を、このツールのような相関式で設計計算します。流速や冷却水路径を最適化し、オーバーヒートを防ぎます。

電子機器の空冷ヒートシンク:ファンによる強制空気流がフィン表面を流れる「外部流」としてモデル化されます。フィン間の流速と温度差から放熱性能を評価し、効率的な形状を決定します。

化学プラントの熱交換器:管内を流れる高温流体(エンジンオイルなど)からシェル側の流体へ熱を移動させる設計の根幹です。流体の種類や温度、流路形状に応じた適切な相関式の選択が設計精度を左右します。

原子炉冷却システム:高速増殖炉などでは液体ナトリウム(Pr数が極めて小さい)を冷却材として用います。通常の水や空気とは異なる熱伝達挙動を正確に予測するため、専用の相関式が必要となります。

よくある誤解と注意点

このツールを使い始めるときに、よくある落とし穴をいくつか挙げておくよ。まず「代表長さDの選び方」。管内流では「管径」でいいけど、外部流の平板なら「流れ方向の板長さ」、円柱なら「直径」だ。例えば、同じ流速で「円柱」を選んだとき、直径を10mmから50mmに変えると、レイノルズ数が5倍になり、流れの状態(剥離の有無)が変わるから、熱伝達率の計算式そのものが切り替わる可能性があるんだ。次に「物性値は温度で決まる」という大原則。ツールでは入口温度で物性値を固定して計算しているけど、実務では流体が加熱・冷却されると物性値が途中で変わる。例えば、エンジンオイルを100℃から150℃まで加熱すると、粘度が大きく下がり、レイノルズ数が上がって乱流が促進される。だから精密な計算では「平均膜温度」を使うなどの工夫が必要だ。最後に「相関式は万能ではない」こと。Gnielinski式は優秀だけど、極端に高い熱流束がかかる場合や、入口効果が強い短い管(L/Dが小さい)では実測とズレる。ツールの結果はあくまで目安で、最終設計では実験データやより詳細なCFDで検証するのが鉄則だ。

使い方ガイド

  1. 流体の種類と温度範囲を設定:水・油・空気から選択し、代表温度(平均膜温度)を入力
  2. 流速V(m/s)と代表長さL(mm:管内径またはプレート幅)を入力
  3. Reynolds数が自動計算され、層流(Re<2300)・乱流(Re>2300)の流況が判定される
  4. 乱流領域ではGnielinski式、層流領域ではDittus-Boelert式相当の補正が適用
  5. Nusselt数からh値(W/m²K)が算出され、設定した壁面温度差から熱流束q(kW/m²)が計算される

具体的な計算例

φ10mm銅管内で温水(Tb=60℃、Ts=70℃)を3.5m/sで流す場合:v_V=3.5、s_L=10、v_Ts=70、v_Tb=60を入力。水の物性値(ν=0.474×10⁻⁶m²/s、λ=0.654W/mK、Pr=3.15)からRe=73,801(乱流)となり、Gnielinski式でNu=467が得られ、h=3,050W/m²Kに達する。壁面積が0.628m²の場合、q=19.2kW/m²の熱流束が発生する。

実務での注意点

  1. 代表長さはシェル&チューブ型では管外径、プレートフィン型ではバッフル間隔を指定
  2. Pr数が10を超える高粘度油(40℃)ではGnielinski式の適用下限Re=3,000以上を確認
  3. Re<1,000の層流域では発達助成係数が必要な場合があり、入口効果補正を加える
  4. 温度依存性が大きい油類は膜温度(Ts+Tb)/2での物性値再計算が必須
  5. 圧力損失とh値のバランス:流速3倍でhは約1.8倍増加だが圧損は9倍に増加