ドラッグで狙いを定めてリリースで発射 / タッチ操作対応
反発係数・重力・摩擦を調整しながら球の衝突を観察。ドラッグで狙いを定めて球を打ち込もう。運動量保存・エネルギー散逸・DEM(個別要素法)の基礎を体感できる。
ドラッグで狙いを定めてリリースで発射 / タッチ操作対応
等質量 m の2球が衝突するとき、衝突法線方向 n̂(中心間の単位ベクトル)に沿ったインパルスで速度を更新します。
e=1(完全弾性衝突)では運動エネルギーが保存され、速度成分が完全に交換されます。e=0(完全非弾性衝突)では法線方向の相対速度がゼロになり、2球は同じ法線速度を持ちます。
壁に垂直な速度成分に反発係数 e を乗じて符号反転します。摩擦がある場合は接線方向速度も减衰します。
このシミュレーターの衝突モデルはDEM(個別要素法)の基本です。DEMでは球ではなく任意形状の粒子を扱い、ヘルツ接触モデルや転がり摩擦も加えることで、粉末焼結、砕石機の解析、タブレット打錠プロセスなどをシミュレートします。
粉体・粒体プロセス:製薬で薬の顆粒を混合する装置や、農業で穀物を運ぶサイロの設計では、無数の粒子の衝突と摩擦が流動性に影響します。DEMシミュレーションで最適な形状や振動条件を探ります。
自動車安全性評価:衝突試験では、車体の変形とともに、ダミー人形や車内の浮遊物(ペットボトルなど)の飛翔挙動が重要です。これらはまさにビリヤード球のような衝突計算で予測されます。
スポーツ工学:ゴルフボールのディンプル形状やテニスラケットのストリング張力は、ボールの反発係数とスピン(摩擦の影響)に直結します。選手に合った用具設計の基礎データとなります。
宇宙機のランデブー・ドッキング:無重力下で宇宙船やロボットアームが接触する際の衝撃と反発を制御するため、接触力学の理解が不可欠です。このシミュレーターの物理がその基礎となっています。
「反発係数が1.0なら完全弾性衝突なので、衝突後も球の速さはまったく変わらない」と思いがちですが、実際は運動量保存則により質量が等しい球同士の正面衝突では速度が交換されるため、衝突前後で各球の速さは入れ替わります。また、摩擦係数をゼロに設定しても、衝突時に接触点で発生する微小な滑りや回転の影響が完全に消えるわけではない点に注意が必要です。さらに、重力をオフにすると「球は一直線に進み続ける」と考えられがちですが、DEM(個別要素法)では接触判定に時間刻みが影響するため、高速で衝突が連続する場面では数値的なエネルギー散逸が生じ、完全な等速直線運動を維持できないことがあります。このような数値誤差は実現象とは異なる挙動を生むため、シミュレーション結果を解釈する際には注意が必要です。
質量0.17kgのキュー球を秒速2.5m/s(ブレイクショット)で白球に衝突させる場合、e=0.85、摩擦係数μ=0.12のビリヤード台では、衝突後の黒球速度は約1.8m/s、キュー球の速度は約0.3m/s(後ろ回転)となります。DEM解析では接触時間0.003秒間に法線方向加速度が約250G、接線方向で運動量のおよそ12%が散逸する結果が得られます。