一定の熱拡散率を持つ1次元の棒を、陽解法の有限差分で計算します。温度分布と物理時間を観察し、固定温度・断熱・右端対流の違いを比較できます。複合材、内部発熱、側面からの放熱、放射、相変化は扱いません。
🙋αを変えても同じステップ数では温度分布が似ています。効いていないのでしょうか?
🎓時間刻みもαに合わせて変わるためです。同じ格子・境界条件なら、αを2倍にすると1ステップの物理時間が半分になります。同じ物理時間で比較すると、αが大きい方が拡散は進みます。ステップ数だけで材料を比較しないでください。
🙋500mmの長さに格子間隔2mmを設定すると、端まで計算できますか?
🎓はい、251節点で0〜500mmを計算します。全長が指定間隔で割り切れない場合は区間数を切り上げ、実間隔をL/区間数に調整します。例えばL=200mm、指定間隔7mmなら29区間、実間隔約6.897mmです。入力は指定値のまま、実間隔は計算格子の説明に表示します。
計算モデルと境界条件
内部節点は前進Euler・中心差分で更新します。断熱端と対流端は半分の幅の端部セルとして熱収支を計算し、断熱時に外部から熱を加えません。右端対流の全長基準Biは10に固定し、格子基準の係数b=Bi·Δx/Lを使います。
$$\frac{\partial T}{\partial t}=\alpha\frac{\partial^2 T}{\partial x^2},\quad 0\le x\le L$$ $$b=\frac{h\Delta x}{k}=\mathrm{Bi}\frac{\Delta x}{L},\quad\mathrm{Bi}=10$$
よくある質問
区間数はceil(L/指定間隔)、実際の間隔はL/区間数です。全長は変えません。入力範囲では2〜251節点を使用します。細かい格子ほど温度勾配を表現しやすくなりますが、計算ステップ数は増えます。
手動の時間刻みスライダーはありません。固定温度・断熱ではr=0.45、右端対流ではr=0.45/(1+b)、b=10·Δx/Lとして、Δt=r·Δx²/αを自動設定します。rは1ステップの安定数、Fo=αt/L²は経過時間の無次元数で、Foを0.5以下に制限する必要はありません。
初期温度T_initは領域の一様な初期温度です。境界はボタンで選びます。固定温度端は開始時から端の設定温度になります。断熱端では端温度の入力は無効です。右端対流ではT_Rを周囲温度T_∞として使用します。各位置の初期温度を個別に描く機能はありません。
このページではhや熱伝導率kを個別に入力できず、全長を基準とするBi=hL/k=10が固定です。端部からの対流を学ぶモデルであり、側面全体から放熱するフィンや実機の冷却能力を直接計算するものではありません。
必要な時間はL、α、境界条件と初期温度で変わり、100ステップやFo=0.2で十分とは限りません。同じ物理時間で格子を細かくした結果と比較してください。粗い格子は安定でも精度が低く、一定物性の教育モデルを安全設計の根拠にはできません。
共有するのは入力値と左右の境界条件です。開き直すと物理時間0から開始し、経過時間や比較曲線は引き継ぎません。アニメーション中の20ステップごとの温度履歴を最大8本までタブ内で表示し、入力変更・リセットで消去します。
示した入力と境界条件を読み込み、指定したステップ数まで進めます。固定温度の実例は675秒、断熱・対流の冷却実例は60秒です。表示値は有限差分の近似値で、本文の連続体解と小さな差が生じます。
検算できる2つの実例
両端固定:α=15mm²/s、L=100mm、指定間隔5mm、左500°C・右300°C・初期300°C。Δt=0.75秒で900ステップ、675秒後の中央は約399.994°Cです。定常解500−200x/Lとも比較できます。
左断熱・右対流:α=15mm²/s、L=100mm、指定間隔5mm、初期150°C・周囲25°C・全長基準Bi=10。Δt=0.5秒で120ステップ、60秒後の連続体解は左端約147.233°C、中央129.051°C、右端47.375°Cです。
実務に使う前の注意
熱拡散率αはmm²/s、長さはmm、温度は°Cで入力します。物性値は温度・材質に依存します。プリセットは操作の例であり、実材料の認証値ではありません。溶接プリセットの高温も融解や潜熱を含まない仮想例です。建築や熱処理への応用はモデルの考え方を学ぶためで、複合壁・放射・安全限界の判定には追加モデルが必要です。
Finite Difference Computing with PDEs · MIT: Biot number