パラメータ設定
圧縮比: $C_r = (P_b - P_s)/(P_m - P_b)$
効率: $\eta = M \times C_r$
運動量保存: $\rho Q_m V_m = \rho (Q_m+Q_d) V_{mix}$
動力流体の高圧ジェットで二次流体を吸引するエジェクタの動作をリアルタイム可視化。エントレインメント比・圧縮比・効率をスライダーで即座に計算します。
真空発生装置:工場や実験室で広く使われます。蒸気や圧縮空気を動力流体として用い、容器内の空気を吸い出して真空を作ります。可動部がなくメンテナンスが楽で、爆発性ガスが存在する環境でも安全に使用できます。
水処理・排水移送:下水処理場や工場の排水設備で見られます。高圧の清水(動力流体)で汚水やスラッジを巻き込み、沈殿池から次の工程へ送ります。固形物が詰まりにくい構造が特徴です。
化学プラント:腐食性や毒性のある流体を、他の流体と直接混合させずに移送・循環させるために用いられます。例えば、塩酸を水で希釈しながらタンクから移送するようなプロセスです。
船舶のビルジ水排出:船底に溜まった水(ビルジ水)を排出するのに使われます。エンジンの冷却水などを動力流体として利用し、専用のポンプを設置せずに済むため、装置の簡素化と軽量化が図れます。
このシミュレーターを使い始めるとき、いくつか勘違いしやすいポイントがあるよ。まず、「動力流体の圧力さえ上げれば、すべてが解決する」と思いがちだけど、それは落とし穴だ。確かに圧力を上げるとエントレインメント比は一時的に上がるけど、混合室出口圧力(吐出圧力)が変わらないと仮定しているからね。現実のシステムでは、出口側の配管抵抗などで背圧が上がり、すぐに効率が頭打ちになる。例えば、動力流体圧力を5MPaまで上げても、出口圧力が4MPaに張り付いているなら、ほとんど流量が増えないどころか、サージング(不安定振動)の原因になることもあるんだ。
次に、流体はすべて水(同じ物性)だと無意識に考えていないか? このツールは密度や粘度が同じという前提だ。でも実務では、動力流体が蒸気で二次流体が水だったり、油と空気だったりする。物性が違うと混合時の運動量交換効率が大きく変わる。シミュレーターで「うまくいく」と思った設計も、実際に試すと全く吸引しない、なんてことはよくある話だ。
最後に、「エントレインメント比」と「効率η」を混同しないでほしい。エントレインメント比が大きくても、効率が極端に低いことがある。例えば、吸引流量は多いけど、それを押し上げるための動力流体のエネルギー消費が莫大なら、それは「非効率」なんだ。ツールでパラメータをいじる時は、この2つの指標を常にセットで見る癖をつけよう。効率が急降下するポイントが、そのシステムの実用限界だと考えるといい。
蒸気駆動のジェットポンプで液体窒素を吸上げる場合:動力流体(飽和蒸気)qm=12kg/s、pm=1.2MPa、吸込液体ps=-0.02MPa、背圧pb=0.5MPaを入力すると、エントレインメント比は約2.8、圧縮比は2.1となり、出口は0.84kg/sの吸込流体が加わった14.8kg/sの混合流となります。