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流体解析

液体スロッシング解析

矩形タンクのスロッシング固有振動数を解析的に計算。タンク幅・液深・密度を変えて5モードの振動数と等価振り子長をリアルタイムで確認できます。

タンクパラメータ
タンク幅 a
m
液深 h
m
液体密度 ρ
kg/m³
計算結果
計算結果
f₁ (Hz) 1次モード
f₂ (Hz) 2次モード
等価振り子長 (m)
等価振り子周期 (s)
底部静水圧 (kPa)
スロッシング固有振動数(モード1〜5)
タンク断面 — 1次モード定在波アニメーション
理論・主要公式

$f_n = \dfrac{1}{2\pi}\sqrt{g \cdot k_n \cdot \tanh(k_n h)}$

$k_n = \dfrac{n\pi}{a}$,等価振り子長:

$l_{eq}= \dfrac{h\tanh(k_1 h)}{k_1 h}$

液体スロッシング解析とは

🙋
「液体スロッシング」って何ですか?タンクの中の水が揺れるだけなら、そんなに問題になるんですか?
🎓
大まかに言うと、タンク内の液体が大きく揺れ動く現象だね。これが厄介なのは、地震や車の急ブレーキなどの振動と「共振」して、揺れがどんどん大きくなってしまうからなんだ。例えば、石油タンクでこれが起こると、タンクの屋根が破損したり、液体が溢れ出したりする大事故につながるよ。上のシミュレーターで「タンク幅」を変えてみると、揺れの周期(固有振動数)がどう変わるか、すぐに体感できるぞ。
🙋
え、そうなんですか!共振を避けるために、揺れやすい周期を事前に知りたいわけですね。でも、計算は難しそう…。
🎓
そこで役立つのが「ノルトン則」に基づくこの計算式だ。実は、タンクの幅と液深ささえ決まれば、最初の5つの揺れ方(モード)の固有振動数がバーグラフでパッと出るんだ。シミュレーターで「液深」のスライダーを動かしてみて。液深が深くなるほど、振動数が上限に近づいていくのがわかるだろう?これが実務でよく使う「深い液体」の近似だ。
🙋
「等価振り子長」って表示されてますけど、これは何に使うんですか?振り子と液体の揺れって関係あるんですか?
🎓
良いところに気が付いたね!一番基本的な揺れ方(第1モード)は、ある長さの振り子の動きで近似できるんだ。この「等価振り子長」がわかると、液体の揺れによる力を振り子の重りが壁を押す力として簡単に計算できる。例えば、燃料タンクの耐震設計で「スロッシング荷重」を見積もる時、この考え方がとても役立つよ。「液体密度」を変えて、等価振り子長がどう変わるかも確認してみよう。

よくある質問

タンク幅を広げると波数が小さくなり、固有振動数は低下します。液深を深くするとtanh項が1に近づき、振動数は増加しますが、ある程度深くなると飽和します。浅い液深では振動数が急激に低下するため注意が必要です。
等価振り子長は、スロッシングの基本モードを単純な振り子としてモデル化する際の長さです。この値を用いて、タンクの制振設計や、地震応答解析でのばね-マスモデルに置き換えることができます。
本ツールは微小振幅・理想矩形タンクを仮定した理論値です。実際の設計では、タンクの弾性変形や内部構造物、非線形効果の影響を考慮する必要があります。目安として活用し、詳細はFEMや実験で検証してください。
通常、基本モード(n=1)が最も励起されやすく重要です。ただし、タンクの加振周波数が高次モードと一致する場合や、制振設計では2次・3次モードも考慮することがあります。本ツールで傾向を把握し、必要に応じて評価対象を選定してください。

実世界での応用

石油・LNGタンクの耐震設計:大規模な地上タンクは地震時にスロッシングが発生し、タンク壁に大きな動水圧がかかります。固有振動数を計算し、想定地震動の周期と共振しない設計(例えば、内部浮き屋根の設置)が必須となります。

自動車・船舶の燃料タンク設計:車の急旋回や船の揺れで燃料がスロッシングすると、重心移動により安定性が損なわれたり、ポンプが空吸いを起こします。タンク内部に防波板(バッフル)を設けることで、スロッシングを抑制します。

宇宙ロケットの推進剤タンク:打ち上げ時の加速度や姿勢制御スラスタの作動により、液体酸素や液体水素がスロッシングします。これが機体の姿勢制御に悪影響を与えないよう、タンク形状やバッフル設計が精密に検討されます。

化学プラントの反応槽:撹拌機を備えた大型反応槽でも、撹拌による強制振動が槽内液体の固有振動数と一致すると、予期せぬ大きなスロッシングが発生し、槽体に過大な負荷がかかる危険があります。

よくある誤解と注意点

このツールを使い始める際、特にCAE初心者が陥りがちなポイントがいくつかあるよ。まず大きな誤解は、「計算結果がそのまま実設計値」と思ってしまうこと。このシミュレーターは「微小振幅」を仮定した理想的な矩形タンクの理論解だ。実際のタンクは円筒形が多く、液面の揺れが大きくなると非線形現象が無視できなくなる。例えば、計算で出た固有振動数が1.0Hzだったとしても、実機では0.8Hz〜1.2Hzくらいのバラつきを見込んでおく必要があるんだ。

次に、パラメータ入力の落とし穴。液深「h」は静止時の深さだよね?でも、タンクが加速している最中は液面が傾くから、実効的な深さが変わる。車の燃料タンクで考えてみよう。急ブレーキで液面が前方に寄れば、後方の壁面にかかる圧力は計算値より小さくなる。逆に、旋回時は片側の壁面に想定以上の荷重がかかる可能性がある。シミュレーション結果は「一つの基準状態」と捉え、最も過酷な液面姿勢を想定した複数ケースの検討が実務では不可欠だ。

最後に、「第1モードだけ見ていればいい」という思い込み。確かに基本モードが最もエネルギーは大きいけど、高次モードも無視できない場面がある。例えば、タンク内部の細かい構造物(計測機器の取り付け支柱など)は、局所的に第3モードや第5モードの波の節(動かない点)や腹(大きく動く点)に位置するかもしれない。ツールで5モードまで可視化している意味を理解して、自らの設計対象がどのモードの影響を受けるか、考えるクセをつけよう。

使い方ガイド

  1. タンク幅Aをスライダーで設定します(0.5~5m)。矩形タンクの内寸幅を入力してください。
  2. 液深Hを0.1~3m範囲で指定します。現場測定値またはCAD図面から得た値を使用してください。
  3. 液体密度ρを入力します(水:1000 kg/m³、油:850 kg/m³など)。
  4. シミュレーターが自動計算して、第1~5次モードの固有振動数(Hz)と等価振り子長(m)を棒グラフで表示します。
  5. 底部静水圧(kPa)を確認し、タンク厚さ設計の照査に使用できます。

具体的な計算例

石油タンク設計例:タンク幅A=3.0m、液深H=2.5m、密度ρ=850 kg/m³の場合、第1次固有振動数f₁≈0.32Hz、第2次f₂≈0.64Hz、等価振り子長Leq≈2.43m、周期T≈3.1sとなります。底部静水圧P=ρgH≈20.6kPaです。この場合、周期が長いため地震時のエネルギー伝達が大きくなり、タンク基礎の動的安定性確保が重要になります。

実務での注意点

  1. 第1次モード(f₁)は橋梁や建物の振動周期と共振する可能性があるため、設計地の地盤周期と照合が必須です。
  2. 液深が浅い場合(H<0.5m)、1次モードの振動モードが単一振り子形から変形し、計算精度低下の可能性があります。
  3. 部分充填タンク(充填率60~80%)は等価振り子長が最大になるため、耐震設計上最も厳しい条件として扱ってください。
  4. 温度変化による密度変化(±2%程度)が振動周期に反映されるため、季節変動時の照査を推奨します。