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振動解析

周波数応答関数(FRF)計算

固有周波数と減衰比を入力してFRFのボード線図をリアルタイム描画。共振周波数・Q値・半値幅・動的増幅率を自動計算。2次モードを追加して多自由度系も確認できる。

1次モードパラメータ
固有周波数 fn₁
Hz
減衰比 ζ₁
%
質量 m₁
kg
2次モードを追加
計算結果(1次モード)
Q値(品質係数)
半値幅 Δf (Hz)
動的増幅率 DAF
最大レセプタンス (μm/N)
剛性 k (kN/m)
計算結果
共振周波数 fr (Hz)
ボード線図 — 振幅(レセプタンス |H|)
ボード線図 — 位相 (°)
理論・主要公式

$H(\omega) = \dfrac{1/k}{1 - r^2 + 2j\zeta r}$


$r = \omega/\omega_n,\quad |H| = \dfrac{1/k}{\sqrt{(1-r^2)^2+(2\zeta r)^2}}$

周波数応答関数(FRF)計算とは

🙋
周波数応答関数って何ですか?振動の教科書で見たけど、具体的に何がわかるんですか?
🎓
大まかに言うと、構造物に力を加えた時に、どれくらい揺れるかを周波数ごとに表した「振動の特性表」みたいなものだよ。例えば自動車のエンジンが特定の回転数でガタガタ振動するのは、その周波数でFRFの振幅が大きい、つまり共振しているからなんだ。このシミュレーターでは、上のスライダーで「固有周波数」や「減衰比」を変えると、グラフの共振ピークの位置や鋭さがどう変わるか、すぐに確認できるよ。
🙋
え、そうなんですか!「減衰比」のスライダーを動かすと、グラフの山の形が変わりました。これが「Q値」とか「半値幅」ってやつですか?
🎓
その通り!減衰比ζ(ゼータ)を小さくすると、共振ピークが鋭く高くなるだろ?これがQ値が大きい状態で、エネルギーが溜まりやすいんだ。逆にζを大きくすると山が低く丸くなる。現場でよく使うのが「半値幅」で、ピークの高さの半分の幅を測ることで、実験データから減衰の大きさを逆算できるんだ。シミュレーターでζを0.01と0.1で比べてみると、その違いが一目瞭然だよ。
🙋
2自由度系に切り替えると、グラフに山が二つできますね。これは実務ではどんな現象に対応するんですか?
🎓
現実の構造物は多くの共振モードを持つから、2自由度はその一番簡単なモデルだね。例えば、車体とサスペンションのように、二つの部分がばねで結合された系を想像してごらん。「質量比」のパラメータを変えると、二つの共振ピークの大きさのバランスが変わってくる。これがモードの「関与」の大きさを表していて、CAEでモード解析する時の基礎的な感覚を養えるんだ。

よくある質問

dB値は $20\log_{10}(|H|)$ で計算されています。逆に実変位に戻すには $|H| = 10^{(\text{dB}/20)}$ とします。例えば、グラフで40 dBと読めたら $10^{40/20} = 100$ μm/Nが実際のレセプタンスです。入力力が1 Nなら、その周波数での変位振幅は100 μmになります。
反共振点は2自由度以上の系で、2つの共振ピークの間に振幅が極小になる周波数として現れます。物理的には、2つのモードの応答が逆位相で打ち消し合う現象です。シミュレーターで「2次モードを追加」をONにすると、2つの山の間に谷が生じるのを確認できます。動吸振器(TMD)の設計では、この反共振を主構造の共振周波数に一致させることで振動を抑えます。
ハンマー加振(インパクト試験)は手軽で広帯域の周波数成分を一撃で入力できますが、入力エネルギーが限られ、S/N比が低くなりがちです。シェーカー加振はスイープ正弦波やランダム加振で安定した入力が可能で、高い精度のFRFが得られますが、機材が大掛かりになります。小型部品はハンマー、大型構造物や高精度が必要な場合はシェーカーが一般的です。
共振周波数より低い周波数では、構造物の応答は入力力とほぼ同位相(0°付近)です。共振を通過すると、慣性力が支配的になり応答が入力と逆位相(-180°)になります。共振点のちょうどその周波数では位相が-90°を通過します。この-90°の通過点は固有周波数の正確な同定に使われ、振幅ピークよりも信頼性の高い指標とされています。

実世界での応用

構造物の振動試験:ハンマーやシェーカーで構造物を叩き、加速度計と力センサで実測したFRFから、固有周波数、減衰比、モード形状を同定します。航空機や橋梁の健全性診断に不可欠です。

回転機械の振動解析:タービンやモータなどの回転機械では、回転数(周波数)に応じた振動を常時監視します。FRFを用いて、特定の回転数で共振が起きないように設計段階で対策を講じます。

電子回路のフィルタ設計:機械系と電気系はアナロジー(類似性)があります。機械のFRFは、電気回路の周波数伝達特性(フィルタの特性)を理解するのにも役立ち、カットオフ周波数や鋭さ(Q値)の設計に応用されます。

自動車の乗り心地(NVH)評価:エンジンや路面からの振動が車室内にどう伝わるかをFRFで評価します。サスペンションやボディ剛性の設計は、不快な共振周波数を避け、振動を低減するためにFRFデータを多用します。

よくある誤解と注意点

まず、「FRFは1つだけ」と思い込まないで。実は入力と出力の組み合わせで、変位/力(レセプタンス)、速度/力(モビリタンス)、加速度/力(インアクセラランス)など、複数のFRFが定義されます。シミュレーターで見ているのは変位ベースの「レセプタンス」です。例えば振動試験で加速度計を使う場合はインアクセラランスを扱うことになり、低周波数域ではノイズが目立つなど特性が異なります。次に、減衰比ζと共振ピークの高さは単純な比例関係ではないこと。ζが0.1から0.2に倍増しても、ピークの高さは半分より少し大きめに減衰します。具体的に、ζ=0.01の時のピーク振幅は約50(1/(2ζ))、ζ=0.1では約5になります。最後に、2自由度系の「質量比」や「結合ばね」の設定は慎重に。例えば質量比を極端に大きく(例:m2/m1=100)すると、低い方の共振モードはほぼ小さい質量(m1)だけが振動する「局部振動」状態になり、高い方のモードでは二つの質量が逆位相で振動します。実務でパラメータを設定する時は、想定する物理的な部材の質量と剛性をしっかり見積もらないと、実際とは全く異なるモードを解析してしまう落とし穴があります。

使い方ガイド

  1. 1自由度系の基本周波数(fn1)と減衰比(zeta1)を入力。質量(m1)はkg単位で設定します
  2. mode2Enチェックボックスで2自由度系に切り替え、2番目の共振周波数(fn2)を追加入力
  3. 周波数スイープ範囲(0~500Hz推奨)を自動実行し、ボード線図の振幅と位相応答をリアルタイム描画
  4. 共振ピーク位置とQ値(1/2ζ)から減衰特性を確認、設計仕様との適合性を検証

具体的な計算例

鋼製フレーム(m1=50kg)でfn1=28Hz、zeta1=0.05(5%減衰)と設定した場合、共振点での増幅率は約10倍となります。fn2=85Hzの2番目モードを有効にすると、1次共振(28Hz)と2次共振(85Hz)の間に反共振ディップが発生。加振周波数50Hzでの応答は1次モード支配となり、理論値の位相遅れ約80°が確認できます。FRFの固有値ペアから構造ダンピング係数c=2√(km)を逆算することで、制振装置の必要剛性を決定できます。

実務での注意点