ルイス歯形係数 Y はz₁から近似計算(Y ≈ 0.154 − 0.912/z)
σH = ZE·√(Ft·KH / (b·d₁·u))
モジュール・歯数・歯幅・動力・回転数・材質を入力して、ルイス曲げ応力とヘルツ接触応力を算出。許容応力との比較で安全率を評価します。
自動車のトランスミッション・デファレンシャル:エンジンの出力を車輪に伝える歯車には、高い信頼性が要求されます。特に加速時の衝撃荷重を考慮した強度計算が必須で、CAEを用いた詳細な歯元形状の応力解析も行われます。
産業用減速機(ギアボックス):工場のコンベアやロボットの関節部など、連続運転が前提の装置です。長寿命化のため、歯面の接触強度(ピッチング耐久性)が重点的に検討され、表面硬化処理を施すことが一般的です。
風力発電設備の増速機:巨大な風車の低速回転を発電機の高速回転に変換する大型歯車です。非常に大きな曲げモーメントと変動荷重がかかるため、安全率を大きく取り、信頼性設計が徹底されます。
小型精密機器(プリンター、カメラ等):小型・軽量・低騒音が要求される分野です。モジュールが非常に小さく(0.3mm以下など)、プラスチック歯車も多いため、許容応力の設定や摩耗の検討が重要になります。
まず、「モジュールを大きくすれば必ず強くなる」という思い込み。確かにモジュールが大きいと歯は太くなり曲げ強度は上がりますが、ピッチ円直径も大きくなるため、同じトルクなら歯面に働く接線力 $F_t$ は変わらず、接触応力は改善されません。むしろ歯車が大型化し、コストや重量が増えるデメリットの方が大きいことも。例えば、モジュール2から3に上げる代わりに、歯幅を10mmから15mmに広げた方が、両応力をバランスよく下げられるケースが多いんです。
次に、入力パラメータの「動力」や「回転数」の扱い。ツールでは定格値を入力しますが、実機では起動時や急停止時の「衝撃荷重」が定格の2〜3倍かかることも珍しくありません。この過大荷重を考慮するのが「荷重係数 $K_F$, $K_H$」の役目です。経験則ですが、負荷変動の激しいコンベア駆動などでは、この係数を1.5以上に設定して計算しないと、実際に運転したらすぐに異音がする、なんてことになります。
最後に材質データの盲点。ツールの「S45C」という表示は、いわば材質の「種類名」に過ぎません。同じS45Cでも、焼入れ・焼き戻しをした「調質材」と、何も処理していない「素材」とでは、許容応力が倍近く違います。ツールで材質を選んだら、その背後にある「熱処理条件」や「表面硬度」が何を想定しているか、仕様書を必ず確認しましょう。ここを曖昧にすると、計算上の安全率が全く信用できなくなります。
モジュール2.0mm、小歯車z1=20歯、大歯車z2=60歯、歯幅bw=25mm、トルク50N・mの場合:圧力角20°で接触応力は約850MPa、曲げ応力は約320MPaとなります。S45C焼き入れ材(許容応力600MPa)では接触応力の安全率が1.4、曲げ応力が1.9となり、実務的に許容できる範囲です。