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振動・波形パターン

リサジュー図形シミュレーター — 振動合成とパターン

2つの振動を直交させると何が見える?周波数比・位相差・減衰を操作して、オシロスコープに現れる数学的な美しさを体験しよう。

振動パラメータ
周波数 f_x
周波数 f_y
位相差 φ
振幅 Ax
振幅 Ay
描画設定
描画点数
線幅
カラーモード
アニメーション
ハーモノグラフ
プリセット
fx:fy = 3:2 φ = 0.00π 蝶型
リサジュー図形
理論と主要な式
$x(t) = A_x \sin(\omega_x t + \varphi)$
$y(t) = A_y \sin(\omega_y t)$
ハーモノグラフ(減衰あり):
$x = A_x e^{-d_x t}\sin(\omega_x t+\varphi)$

リサジュー図形とは?

🙋
リサジュー図形って結局なんですか?シミュレーター上では点が動いているように見えますが、どうしてあんなきれいな模様が描かれるんですか?
🎓
基本的には、互いに直交する2つの独立な振動が合成されて、その先端が描く軌跡なんだ。たとえば、振り子を南北に揺らしながら同時に東西方向にも押す状況を想像してみて。任意の時刻における点の位置は、それぞれの運動から得られるX座標とY座標を組み合わせたもの。シミュレーターで両方の周波数(f_xとf_y)を1に設定してみて。シンプルな楕円や円が描かれるはずだよ。
🙋
本当に!?じゃあ、模様の形は2つの周波数で決まるんですね。1と2のように違う値にすると、どうなりますか?
🎓
その通り!周波数比が鍵を握っているんだ。1:2の比は、Y方向に2周期進む間にX方向に1周期だけ進むことを意味する。これで古典的な「8の字」パターンが現れる。実際にf_x=1、f_y=2と設定して、「位相差 φ」のスライダーを少しずつ動かしてみて。8の字が回転して変形していく様子が観察できるよ!
🙋
なんだか不思議です。「減衰」のスライダーは何をしているんですか?値を大きくすると、内側に渦を巻いていきますね。
🎓
いい観察だね!減衰は摩擦のような現実世界のエネルギー損失をシミュレートしているんだ。これによって、それぞれの振動の振幅が時間とともに指数的に減衰する。だから、完全に閉じた楕円が無限に繰り返されるのではなく、振幅が小さくなりながら中心へと螺旋を描いていく。たとえば自動車のサスペンション試験では、技術者が減衰を加えて振動の収束の仕方を確認する。d_x=0.1、d_y=0.05と設定すると、非対称な螺旋が現れるよ。

物理モデルと主要な式

シミュレーターの中身は、2つの独立な減衰調和振動子です。軌跡点の水平方向(X)と垂直方向(Y)の位置は、サイン波と指数減衰項を組み合わせた次の式で表されます。

$$x(t) = A_x e^{-d_x t}\sin(2\pi f_x t + \varphi)$$ $$y(t) = A_y e^{-d_y t}\sin(2\pi f_y t)$$

変数の意味:
$A_x, A_y$:初期振幅(揺れの大きさ)。
$f_x, f_y$:周波数(1秒あたりのサイクル数)。
$d_x, d_y$:減衰係数(運動が減衰する速さ)。
$\varphi$:位相差(XとYの振動の時間的なずれ)。
$t$:時間。

得られる図形は $y(t)$ を $x(t)$ に対してプロットしたパラメトリック曲線です。周波数比 $f_x : f_y$ が有理数(例:3:2)で減衰がゼロの場合に限り、図形は閉じて周期的に繰り返します。位相差 $\varphi$ はパターンの「回転」や向きを制御します。

$$ \frac{f_x}{f_y}= \frac{m}{n}\quad \text{(安定した閉曲線の条件)} $$

ここで $m$ と $n$ は整数です。1:1($m=n$)の比は楕円を、2:3の比はより複雑なループ状の図形を生み出します。減衰がある場合、図形は閉じずに内側へと螺旋を描いていきます。

実世界での応用

アナログオシロスコープの校正:デジタルオシロスコープが普及する前、技術者は未知の周波数を測定するためにリサジュー図形を活用していました。既知の周波数を一方のチャンネルに、未知の信号をもう一方に入力し、現れる図形の形から周波数比を読み取ります。安定した円が描かれれば、両者の周波数が完全に一致しているという意味です。

機械振動解析:CAEでは、互いに直交する2方向の振動をシミュレートすることが重要です。たとえばタービンブレードの振動解析ではリサジュー的なパターンが現れ、その形状から異なる平面内の振動が同期しているかどうかが分かり、疲労や破壊の予兆を予測できます。

レーザー光線によるライトショー:レーザーディスプレイの幻想的な模様は、直交配置されたミラーを精密に振動させて作られていることが多いです。ミラーの周波数と位相を調整することで(本シミュレーターのスライダーと同じ要領で)、単純な渦巻きから蝶のような複雑な図形まで、さまざまなパターンを生み出せます。

電気信号の位相比較:交流回路の解析では、電圧と電流の位相差を比較することが極めて重要です。X-Yプロットで両者を表示すると、リサジュー楕円が描かれます。楕円の傾きや形状から直接位相差が読み取れ、力率に関する問題の診断に役立ちます。

よくある誤解と注意点

まず、周波数比が単純な整数比に限られると思い込まないでください。1:2や3:4のような比は確かに美しく閉じた図形を生みますが、1:√2のような無理数比では図形は決して閉じず、時間とともに描画領域全体を徐々に埋め尽くしていきます。これは「準周期運動」と呼ばれ、現実世界の非調和振動の解析で重要になります。次に、「位相差」の解釈にも注意が必要です。位相差 φ は y 方向の振動に対する x 方向の「進み」と説明されることが多いですが、本ツールの数式モデルでは「x 方向の振動に φ が加算される」形を採用しています。この定義の違いを意識せずに文献を読むと混乱の原因になるので、実務ではどちらの定義が使われているかを必ず確認してください。

パラメータ設定のコツとしては、「描画点数」と「シミュレーション時間」のバランスに注目しましょう。描画点数を最大にしても、シミュレーション時間が短すぎれば図形は完結しません。逆に、減衰モードで長時間シミュレートすると図形が中心の1点に収束し、見えなくなってしまいます。たとえば 5:4 のような少し複雑な比では、図形が閉じるまでの時間(2つの振動の最小公倍数)が長くなるため、十分なシミュレーション時間を確保する必要があります。最後に、振幅 Ax と Ay は図形の「見かけの大きさ」だけでなく「形状」にも影響します。特に減衰係数 dx と dy が非対称な場合、振幅の違いが螺旋の引き込まれ方に劇的な影響を与えます。両者を組み合わせて調整してみてください。

リサジュー図形シミュレーター — 振動合成とパターンとは?

リサジュー図形シミュレーター — 振動合成とパターンは、工学と応用物理における基礎的なテーマです。このインタラクティブなシミュレーターでは、パラメータを直接操作してリアルタイムに結果を観察することで、主要な振る舞いと関係性を直感的に探究できます。

数値計算と視覚的なフィードバックを組み合わせることで、抽象的な理論と物理的な直感のあいだの溝を埋めます。学生にとっては効果的な学習ツールとなり、現役のエンジニアにとっては素早く検証を行うためのツールになります。

使い方ガイド

  1. スライダーで X 軸方向の周波数(slFxNum)を 1〜20 Hz の範囲で設定し、水平方向の振動レートを定義します
  2. Y 軸方向の周波数(slFyNum)を 1〜20 Hz で設定し、垂直方向の振動レートを決めます。周波数比がパターンの複雑さを決定します
  3. 位相オフセット(slPhiNum)を 0〜360° で調整し、リサジュー曲線を回転または反転させます。位相のずれによって非対称な図形が生まれます
  4. 振幅比(slAxNum)を 0.5〜2.0 に変えて、X 軸を基準にパターンを縦方向・横方向へ伸縮させます
  5. 機械振動のエネルギー損失を模擬したい場合は減衰を有効にします。低減衰系では典型的に 0.01〜0.15 程度の減衰比が用いられます
  6. 「再描画」ボタンを押すと、2D キャンバス上に追跡されたパラメトリックパスがリアルタイムで描画されます

計算例

Fx=3 Hz、Fy=2 Hz、位相=45°、振幅比=1.0、減衰=0 と設定します。3:2 の周波数比により、6 つのローブを持つ古典的なリサジュー曲線が描かれます。位相を 90° にすると図形は傾いた楕円に変わります。減衰=0.08(振り子+ダンパー系で典型的な値)を加えると、外側の軌跡は 8〜10 周期かけて徐々に内側へ螺旋を描き、中心付近の小さなループに収束します。これは免震ダンパーや制振装置など、現実の機械系における調和振動の減衰挙動を模倣しています。

実務上の注意点

  1. 整数比の周波数比(例:1:1、2:3、5:4)は閉じて対称的なパターンを生み、航空宇宙分野の二軸振動試験台の校正などに有用です
  2. 非整数比(例:7:5)は密で準周期的な軌跡を作ります。産業用途では、回転機械における連成共振の解析などに使われます
  3. 位相オフセットの調整は、交流電気計測における位相遅れ(例:50〜60 Hz での力率分析)や、デュアルモーター駆動系のタイミングずれの模擬に応用できます
  4. 減衰値 >0.2 は過減衰の系を表します。車両サスペンションの衝撃吸収や、臨界減衰の 15〜25 % 程度に設計される建築用免震ダンパーのモデル化などに有用です