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電磁気学・磁場

磁場中の荷電粒子シミュレーター — ローレンツ力と円運動

磁場 B の中を走る荷電粒子に働くローレンツ力 F = qv×B をリアルタイムにアニメーション。なぜ磁場が電荷を円軌道に曲げるのか、速度ベクトル・力ベクトルとともに、サイクロトロン半径・周波数や E×B ドリフトまで一目で確認できます。

パラメータ設定
プリセット
1.0 ×e
負で回転の向きが反転します
1.0 u
120
1.0
正:紙面の外向き ⊙ / 負:紙面の内向き ⊗
交差電場 E
ライブ数値
0
速さ |v|
0
半径 r = mv/|q|B
0.000
周波数 f [Hz]
0.00
周期 T [s]
ローレンツ力による荷電粒子の運動
力は速度に垂直 → 等速円運動

スペース/Enterで再生・停止 — クリックで粒子の初期位置を移動

速度 v ローレンツ力 F = qv×B 軌跡(残像) 磁場 B(⊙外向き / ⊗内向き)
理論・主要公式

理論メモ

磁場 B の源は、このページで解説するアンペールの法則(直線電流)や棒磁石です。その磁場の中を速度 v で動く電荷 q には、ローレンツ力が働きます:

$$\mathbf{F} = q\,\mathbf{v}\times\mathbf{B}$$

力は常に v に垂直なので仕事をせず、速さは一定のまま等速円運動になります。半径・周波数・周期は:

$$r = \frac{mv}{|q|B},\qquad f = \frac{|q|B}{2\pi m},\qquad T = \frac{2\pi m}{|q|B}$$

電場 E を直交させると、ドリフト速度 $v_d = E/B$ で全体が一定方向に流れます。

参考:無限直線電流の磁場 $B=\mu_0 I/2\pi r$、磁気双極子(遠方)$B_r=\tfrac{\mu_0 m}{4\pi r^3}2\cos\theta$。

磁場中の荷電粒子シミュレーターとは

🙋
このシミュレーターで、磁場の中に粒子を放つと、まっすぐ飛ばずにぐるっと円を描いて回り続けますね。どうして磁場の中だと円運動になるんですか?
🎓
それがローレンツ力 F = qv×B の効果なんだ。磁場 B の中を速度 v で動く電荷 q には、速度に「垂直」な向きに力が働く。力がいつも進行方向と直角だから、速さは変わらず向きだけが連続的に曲げられて、結果として等速円運動になるんだよ。画面の黄色い矢印が速度 v、赤い矢印がローレンツ力 F。赤がつねに黄色と直角になっているのを確かめてみて。
🙋
なるほど。じゃあ電荷 q や質量 m、磁場 B のスライダーを動かすと、円の大きさが変わるのはなぜ?
🎓
円の半径はサイクロトロン半径 r = mv/(|q|B) で決まるんだ。速くて重い粒子ほど大きく回り、磁場や電荷を強くすると小さく曲がる。おもしろいのは回転の周波数 f = |q|B/(2πm) で、これは速さに依存しない。だから速い粒子は大きな円を、でも同じ周期で回るんだ。プリセットの「電子」「陽子」「強磁場」を切り替えて、ライブ数値の半径 r と周波数 f がどう変わるか見てみよう。
🙋
「E×B ドリフト」というプリセットもありますね。あれは円運動と何が違うんですか?
🎓
いいところに気づいたね。磁場に直交する電場 E を加えると、円運動の中心そのものが一定方向に流れ出すんだ。これが E×B ドリフトで、流れる速さは $v_d = E/B$。向きは E と B の両方に垂直で、しかも電荷の符号によらないのがポイント。プラズマの閉じ込めや太陽風など、宇宙・核融合の現場でとても重要な現象なんだよ。ちなみに磁力は速度に垂直だから「仕事をしない」——粒子を速くしたいときは電場が必要、という違いも押さえておこう。

ローレンツ力 — 磁場が動く電荷を曲げるしくみ

磁場 $\mathbf{B}$ の中を速度 $\mathbf{v}$ で運動する電荷 $q$ には、ローレンツ力が働きます。これがこのシミュレーターの主役です。力の向きはベクトルの外積で決まり、$\mathbf{v}$ と $\mathbf{B}$ の両方に垂直です。

$$\mathbf{F}=q\,\mathbf{v}\times\mathbf{B}$$

$\mathbf{F}$: 力 [N], $q$: 電荷 [C], $\mathbf{v}$: 速度 [m/s], $\mathbf{B}$: 磁束密度 [T]。画面の黄色い矢印が速度 $\mathbf{v}$、赤い矢印が力 $\mathbf{F}$ で、両者は常に直角になっています。

力が常に速度に垂直なので、速さ(運動エネルギー)は変わらず、進む向きだけが連続的に曲げられます。その結果、磁場だけのときは等速円運動(サイクロトロン運動)になります。円の半径と回転の周波数・周期は次式で与えられます。

$$r=\frac{mv}{|q|B},\qquad f=\frac{|q|B}{2\pi m},\qquad T=\frac{2\pi m}{|q|B}$$

$r$: 半径 [m], $m$: 質量 [kg], $f$: 周波数 [Hz], $T$: 周期 [s]。周波数 $f$ が速さ $v$ に依存しないのが大きな特徴です。上のシミュレーターで $q, m, v, B$ を変えると、ライブ数値の $r$・$f$・$T$ が即座に更新されます。

速度に磁場と平行な成分があると、その成分は力を受けずに進み続けます。垂直成分が円運動を生むため、両者を合わせると軌道はらせん(ヘリカル)運動になります。さらに磁場に直交する電場 $\mathbf{E}$ を加えると、円運動の中心(案内中心)が一定速度で流れるE×B ドリフトが現れます。

$$v_d=\frac{E}{B}\quad(\text{向きは }\mathbf{E}\times\mathbf{B}\text{ 方向、電荷の符号によらない})$$

「E×B ドリフト」プリセットで、円運動の中心が一定方向に流れていく様子を確かめられます。

そもそも磁場はどこから来る?(参考)磁場の源は電流や磁石です。無限直線電流の周りには $B=\mu_0 I/2\pi r$ の磁場が生じ、棒磁石は遠方で $B\propto 1/r^3$ の磁気双極子場をつくります。このページではそうして生じた一様磁場の中で、荷電粒子がどう運動するかに焦点を当てています。

よくある質問

磁場 B の中を速度 v で動く電荷 q には、ローレンツ力 F = qv×B が働きます。この力は常に速度に垂直なので、速さは変えずに進む向きだけを連続的に曲げます。その結果、運動は等速円運動(サイクロトロン運動)になります。電荷の符号や磁場の向きを反転すると、回転の向きが逆になります。
半径はサイクロトロン半径 r = mv/(|q|B) で与えられ、速い・重い粒子ほど大きく、磁場や電荷が大きいほど小さくなります。回転周波数はサイクロトロン周波数 f = |q|B/(2πm) で、速度に依存しないのが特徴です。シミュレーターで q, m, v, B を変えると、半径と周波数の変化を直接確認できます。
速度に磁場と平行な成分があると、その成分はローレンツ力を受けないため一定のまま進み続けます。磁場に垂直な成分は円運動を生むので、両者が合わさると軌道はらせん(ヘリカル)状になります。磁場に沿って進みながら回転する運動です。
磁場に直交する電場 E を加えると、円運動の中心(案内中心)が一定の速度で流れます。これが E×B ドリフトで、ドリフト速度は v_d = E/B、向きは E と B の両方に垂直で、粒子の電荷の符号にはよりません。プラズマ閉じ込めや太陽風などで重要な現象です。
いいえ。ローレンツ力 F = qv×B は常に速度 v に垂直なので、F·v = 0 となり仕事をしません。したがって磁場だけでは粒子の運動エネルギー(速さ)は変化せず、進む向きだけが変わります。粒子を加速したいときは電場が必要です。

実世界での応用

粒子加速器・サイクロトロン:サイクロトロンやシンクロトロンは、磁場による円運動を利用して荷電粒子を周回させ、電場で繰り返し加速します。半径 r=mv/(qB) と周波数 f=qB/(2πm) は加速器設計の出発点です。

質量分析計:同じ速度・電荷でも質量の違う粒子は半径 r=mv/(qB) が異なるため、磁場中での曲がり方で分離・同定できます。化学分析や同位体比測定の基本原理です。

核融合プラズマの閉じ込め:トカマクなどの装置では、強い磁場でプラズマ中の荷電粒子をらせん運動させて閉じ込めます。E×B ドリフトは閉じ込めの安定性を左右する重要な現象です。

宇宙・地球磁気圏:太陽風の荷電粒子は地球磁場に沿ってらせん運動し、磁極付近に導かれてオーロラを生みます。E×B ドリフトは磁気圏プラズマの大規模な流れを説明します。

よくある誤解と注意点

シミュレーターを使うときに、つまずきやすいポイントをいくつか挙げておくよ。まず「磁力が粒子を加速している」という誤解。ローレンツ力 F=qv×B は常に速度に垂直だから、向きを変えるだけで仕事はしない。だから磁場だけでは速さ(運動エネルギー)は一切変わらないんだ。ライブ数値の速さ |v| が円運動中ずっと一定なのを確かめてみよう。粒子を速くしたいときは電場が必要だよ。

次に、回転周波数が速さに依存すると思い込みやすい点。サイクロトロン周波数 f=qB/(2πm) には速度 v が入っていない。だから速い粒子は大きな円を描くけれど、1周にかかる時間(周期)は遅い粒子と同じなんだ。これがサイクロトロンが一定周波数の電場で加速できる理由でもある。

最後に、このツールは2次元・一様磁場の理想モデルだという点。実際の磁場は場所によって強さや向きが変わり、不均一な磁場では「グラディエントドリフト」など別のドリフトも生じる。また、相対論的に速い粒子では質量が増えて周波数がずれる。ここで学ぶ基本原理を、複雑な実機(加速器や核融合炉)にそのまま当てはめる時は注意が必要だね。

使い方ガイド

  1. 電荷 q・質量 m・初速度 v・磁束密度 B の各スライダーを動かし、円運動の半径 r と周波数 f がどう変わるかを観察する
  2. 「交差電場 E」をONにすると、円運動の中心が一定方向に流れる E×B ドリフトを再生できる
  3. プリセット(電子・陽子・強磁場・E×B ドリフト)を切り替え、速度ベクトル(黄)と力ベクトル(赤)が常に直交していることを確認する

具体的な計算例

磁束密度 B=1.0 の一様磁場に、電荷 q=1・質量 m=1 の粒子を速度 v=120 で打ち込むと、サイクロトロン半径は r=mv/(|q|B)=120 となり、ライブ数値の半径 r がこの値を示します。質量 m を2倍にすると半径も2倍に、磁場 B を2倍にすると半径は半分になります。周波数 f=|q|B/(2πm) は速度 v に依存しないため、初速度 v だけを変えても f は一定のままです。「E×B ドリフト」プリセットでは、円の中心が v_d=E/B の速度で横へ流れる様子を確認できます。

実務での注意点

🎬 動画で見る

サイクロトロン運動|速い粒子も同じ時間で一周する #Shorts
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磁力線|N極から出てS極へ戻る閉じたループ #Shorts
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