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物理シミュレーター

ニュートンのゆりかご — 弾性衝突・運動量保存

k 個の球を引いて離すと、反対側から k 個が同じ速さで飛び出す。運動量バーと運動エネルギーバーが衝突を通して保存される様子を可視化し、反発係数 e を下げると減衰する理由まで体感できます。

パラメータ設定
5
1
1.00
e=1 は理想弾性。e<1 で減衰します(実物の鋼球は約0.95〜0.99)。
45 °
プリセット

左端の球をドラッグして引き上げてもOK。離すと衝突の連鎖が始まります。

ライブ数値
0
動いている球
0.00
合計運動量 p
0.00
合計運動エネルギー
0.0%
KE損失/サイクル
周期 T [s]
リアルタイム・ニュートンのゆりかご
速度ベクトル 軌跡 衝突
運動量保存 + 運動エネルギー保存 → k 個入れば k 個出る。 等質量の弾性衝突で両方の保存則を同時に満たす解は「同じ数の球が同じ速さで反対側から出る」これだけです。
運動量 & 運動エネルギー(衝突を通して保存)
合計運動量 p
0.00
合計運動エネルギー
0.00
破線=初期値の基準線。e=1 では p も KE もこの線に張り付いたまま(保存)。e<1 では衝突ごとに KE バーが下がり、徐々に減衰します。
計算結果
0.00
運動エネルギー J/kg
0.00
位置エネルギー J/kg
0.00
合計エネルギー J/kg
周期 T (s)
CAEとの関係 衝突シミュレーション(LS-DYNA・Abaqus/Explicit)の基礎モデルです。反発係数のモデル化は衝撃吸収設計・衝突安全解析の要であり、ボールミルや打撃成形も同じ接触力学で支配されます。
理論・主要公式
  • 振り子運動: $\ddot{\theta}= -\dfrac{g}{L}\sin\theta$(半陰的オイラー積分)
  • 弾性衝突(等質量): $v_1' = \tfrac{1-e}{2}v_1 + \tfrac{1+e}{2}v_2,\; v_2' = \tfrac{1+e}{2}v_1 + \tfrac{1-e}{2}v_2$
  • 保存則: $\sum m_i v_i = \text{const}$(運動量)、$e=1$ なら $\sum \tfrac12 m_i v_i^2 = \text{const}$(運動エネルギー)
  • 振り子周期: $T = 2\pi\sqrt{\dfrac{L}{g}}$
  • 1衝突あたりKE損失: $\propto (1-e^2)$

検証:N=5 で k=1 を入れると 1 個だけ(他は静止)、k=2 で 2 個、k=3 で 3 個が反対側から飛び出します(e=1 で p・KE 完全保存)。

ニュートンのゆりかごとは

🙋
ニュートンのゆりかごって、端っこの球を1個引っ張って離すと、反対側の球が1個だけ飛び出す、あのデスクトイですよね。なんで真ん中の球は動かずに、端同士だけが動くんですか?
🎓
大まかに言うと、運動量と運動エネルギーの両方が保存されるからだよ。等しい質量の球が完全弾性衝突(反発係数e=1)すると、ぶつかった球は止まり、その運動量とエネルギーが次の球に「そっくりそのまま」伝わるんだ。シミュレーターで「反発係数」のスライダーを1に保って、球を1個引いてみて。運動量バーと運動エネルギーバーが衝突を通してずっと基準線に張り付いたまま(=保存)なのがよくわかるよ。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ、もし反発係数を1より小さくしたらどうなりますか?この「e」って何を表してるんですか?
🎓
実務ではe=1の完全弾性衝突はほとんどなくて、0.95〜0.99が多いね。eは衝突前後の相対速度の比で、1より小さいと非弾性衝突になる。つまり、衝突のたびに運動エネルギーが熱や音、変形に変わって失われるんだ。シミュレーターでeを0.8くらいに下げてみて。運動量バーは保存されたまま(pは保存)なのに、運動エネルギーバーが衝突ごとに下がっていって、最終的に全部止まるのが観察できるはずだよ。
🙋
なるほど!「引き上げる球の数 k」を2にすると、本当に反対側から2個出てきますね。これも保存則で決まってるんですか?
🎓
その通り。k個入ればk個出る——これは運動量保存と運動エネルギー保存を同時に満たす唯一の解なんだ。仮に「1個だけがk倍の速さで飛び出す」と仮定すると、運動量は合っても運動エネルギーが合わなくなる。逆に「全部がゆっくり同じ速さで動く」と仮定すると、エネルギーは合っても運動量が合わない。両方を満たせるのは『同じ数の球が同じ速さで出る』場合だけ。CAEで振動・衝撃解析する時も、この保存則は基本中の基本なんだ。

よくある質問

球をドラッグして十分な高さまで引き上げ、マウスを離してください。引き上げ角度が小さすぎると衝突の連鎖が弱くなります。また、反発係数が1未満だとエネルギーが減衰し、連鎖が途切れやすくなります。反発係数を1.0に設定して確認してみてください。
反発係数eは衝突後の速度比を決めます。e=1で完全弾性衝突、e=0で完全非弾性衝突(くっつく)です。CAEでは衝撃吸収材の設計(eを小さくしてエネルギー吸収)や、衝突安全部品の性能評価に使われます。
重力gを大きくすると球の落下速度が増し、衝突エネルギーが大きくなります。弦長Lを長くすると振り子の周期が長くなり、衝突の間隔が空きます。これらはCAEで衝突タイミングや衝撃力を調整するパラメータに対応します。
本ツールは等質量の弾性衝突を単純化して表示していますが、LS-DYNAやAbaqus/Explicitでは、複雑な形状・材料の接触を有限要素法で解析します。反発係数の考え方や運動量保存則は共通で、衝撃解析の基礎概念を直感的に理解できます。

実世界での応用

衝突安全設計(自動車・鉄道):車両の衝突シミュレーション(LS-DYNAなど)では、反発係数eは衝撃吸収材の特性をモデル化する重要なパラメータです。eの値がエネルギー吸収量(=乗員への衝撃)を決定します。

製造プロセス(ボールミル・打刻):粉砕機や金属加工の打撃プロセスでは、媒体(ボールやハンマー)同士の衝突が製品品質を左右します。衝突時のエネルギー伝達効率は、まさにこのツールで学ぶ物理で解析されます。

スポーツ用具の開発:ゴルフクラブのヘッドとボール、テニスラケットとボールなどの衝突も、反発係数(COR)が性能の鍵を握ります。規格で上限値が定められているものもあります。

宇宙開発(ドッキング・サンプルリターン):宇宙機のドッキングや、小惑星探査機のサンプル採取時の衝突は、極めて低い相対速度で行われます。非弾性衝突(e<1)を利用して運動エネルギーを消散させる設計が重要です。

よくある誤解と注意点

まず、「球が5個あるから、端の1個を引くと反対側も1個だけ動く」と思い込んでいない? 実は、これは初期条件が完全に対称で、かつ完全弾性衝突(e=1)という理想的な場合だけの話なんだ。例えば、最初に2個の球を同時に引っ張って離すと、反対側からは2個の球が飛び出す。これは運動量とエネルギーの保存から必然的に決まるんだよ。シミュレーターで確認してみて。次に、パラメータ設定の落とし穴。 「重力」を0に設定すると、球は衝突後、一直線に等速運動して戻ってこなくなるぞ。これは振り子ではなくなってしまうから。実務でパラメータを極端な値にすると、モデルが成り立たなくなる典型例だね。最後に、「反発係数eは材質だけで決まる」という誤解。 実際には衝突速度や温度、表面状態でも変わる。CAEで衝突解析する時は、eを定数とせず、速度に依存するモデルを使うことも多いんだ。このツールでeを変えた時の挙動の変化を、単なる「減衰」ではなく「エネルギー損失の割合」と結びつけて観察するのがコツだ。

使い方ガイド

  1. 「球の数 N」を2〜9個の範囲で設定し、ゆりかごの規模を変える
  2. 「引き上げる球の数 k」を1〜(N−1)個に設定し、k個入れば反対側からk個出ることを確認
  3. 反発係数 e を0.60〜1.00に変更して、完全弾性衝突(e=1.0)と非弾性衝突の違いを観察(e=1では運動量バー・運動エネルギーバーが基準線に張り付いたまま保存)
  4. 引き上げ角 θ や再生速度(0.25×/1×/2×)を調整し、衝突の連鎖をスロー/早送りで観察。等質量弾性衝突では運動量保存則 Σm·v=一定 が常に成り立ちます

具体的な計算例

長さL=1.5m、g=9.8 m/s²では周期 T=2π√(L/g)≈2.45秒(質量に依存しません)。理論計算の例として質量2.0 kgの球を高さ0.5m引き上げると、最下点での位置エネルギーは E_p=m·g·h=2.0×9.8×0.5≈9.8 J に等しい運動エネルギー E_k≈9.8 J に変換されます。反発係数 e=0.95 では1回の衝突あたり運動エネルギーの (1−e²)≈9.75% が失われ、振幅が徐々に減衰します。なお本シミュレーターのエネルギー表示は質量を1.0に正規化した値です。

実務での注意点

🎬 動画で見る

ニュートンのゆりかご|なぜ片側だけ飛び出す? #Shorts
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