核分裂連鎖反応 戻る
原子力工学

核分裂連鎖反応シミュレーター

濃縮度、減速材、制御棒挿入率を変えて実効増倍率 keff を計算します。世代ごとの中性子数の増減を見ながら、臨界条件をインタラクティブに確認できます。

炉心パラメータ
ウラン濃縮度 (%)
%
減速材
制御棒吸収率 (%)
%
初期中性子数
keff = --
-- 原子炉状態 --
世代ごとの中性子数
理論・主要公式

$$k_{eff}= \eta \cdot f \cdot p \cdot \varepsilon \cdot P_{NL}$$ η: 1核分裂あたりの中性子数、f: 熱中性子利用率、
p: 共鳴を逃れる確率、ε: 高速核分裂因子、
PNL: 非漏洩確率

核分裂連鎖反応とは?

🙋
実効増倍率 keff は何を表しますか?
🎓
1世代の中性子が次世代にどれだけ引き継がれるかを表す係数です。$k_{eff}=1$ なら臨界、1を超えると超臨界、1未満なら未臨界です。
🙋
制御棒や濃縮度を動かすと、どこに効きますか?
🎓
濃縮度は核分裂で生じる中性子数や燃料吸収のしやすさに影響し、制御棒は熱中性子を吸収して利用率を下げます。グラフでは、中性子数が世代ごとに増えるか減るかとして現れます。

物理モデルと主要式

連鎖反応の基本は六因子公式で表されます。中性子が生成され、減速され、燃料に吸収され、炉心内に留まる過程をまとめたものです。

$$k_{eff}=\eta\cdot f\cdot p\cdot\varepsilon\cdot P_{NL}$$

$\eta$ は核分裂あたりの中性子数、$f$ は熱中性子利用率、$p$ は共鳴を逃れる確率、$\varepsilon$ は高速核分裂係数、$P_{NL}$ は非漏洩確率です。

世代ごとの中性子数は、簡易的に次のように表せます。

$$N_n=N_0(k_{eff})^n$$

$k_{eff}\gt 1$ では増加、$k_{eff}\lt 1$ では減少、$k_{eff}=1$ では一定になります。

よくある質問

中性子数が世代ごとに指数関数的に増え、超臨界状態になります。実炉では制御棒や減速材条件などを調整して臨界を保ちます。
一般には増える方向に働きますが、減速材、炉心寸法、制御棒吸収、漏洩などにも左右されます。濃縮度だけで臨界性が決まるわけではありません。
制御棒が中性子を吸収するため、熱中性子利用率が下がり、keff が低下します。十分に下がると未臨界となり、連鎖反応は減衰します。
いいえ。このページは教育用の簡易可視化です。実際の炉設計には中性子輸送計算、熱流動、安全解析などの詳細評価が必要です。

実務・学習での使いどころ

臨界性の理解: keff が1を境に中性子数が増減する様子を直感的に確認できます。

制御棒効果: 中性子吸収が連鎖反応をどのように抑えるかを学べます。

安全解析の導入: 実務ではこの考え方を出発点に、より詳細な輸送計算や確率論的解析へ進みます。

注意点

実際の原子炉では、中性子の発生・吸収は確率過程であり、空間分布、エネルギー分布、遅発中性子、温度フィードバックも重要です。このツールは概念理解のための簡略モデルとして扱ってください。

使い方ガイド

  1. 濃縮度スライダー(0~90%)を設定してウラン235の割合を調整
  2. 減速材(グラファイト密度0.8~1.6 g/cm³)の厚さをsl-enrichパラメータで入力
  3. 制御棒本数(0~12本)をslRodNumで指定し、ホウ素吸収断面積σ_a=759バーン条件下での実効増倍率k_effを算出
  4. 初期中性子数(sl-n0: 10³~10⁶個)を入力して連鎖反応の時間発展を観察
  5. k_eff>1.0で超臨界、=1.0で臨界、<1.0で未臨界状態の判定結果を確認

具体的な計算例

ウラン235濃縮度4.5%、黒鉛減速材厚さ15cm、制御棒6本挿入時の計算:マクロ吸収断面積Σ_a=0.018 cm⁻¹、中性子増殖係数η=1.32、拡散面積L²=35 cm²の条件下でk_eff=0.98(未臨界)と算出。制御棒を4本に削減すると中性子実効増倍率がk_eff=1.02上昇し超臨界化。初期中性子数1000個から1世代あたり2%増加する連鎖反応を観測。

実務での注意点