共振器パラメータ
一時停止中はスライダーを動かすと結果が即座に更新されます。
ファブリ・ペロー共振:定在波 & 透過スペクトル
共振器内の定在波(共振)
透過スペクトル T(ν)
掃引周波数マーカー
周波数を掃引すると、共振(整数本の半波長が入る)でのみ透過が立ち上がり、ピーク間隔=FSR・鋭さ=フィネスを確認できます。スライダーでリアルタイム更新。
理論・主要公式
$\text{FSR}= \dfrac{c}{2nL}$
$\mathcal{F}= \dfrac{\pi (R_1 R_2)^{1/4}}{1 - \sqrt{R_1 R_2}}$
$\delta\nu = \dfrac{\text{FSR}}{\mathcal{F}},\qquad Q = \dfrac{\nu}{\delta\nu}$
$\tau_p = \dfrac{2L/c}{-\ln(\sqrt{R_1 R_2}) + L_i}$
光共振器・レーザー設計ツールとは
🙋
このツールで計算できる「FSR」って何ですか?レーザー設計でどう使うんですか?
🎓
大まかに言うと、共振器が「選べる光の色(周波数)」の間隔だよ。式は $\text{FSR}= \dfrac{c}{2nL}$。例えば、キャビティ長 $L$ のスライダーを短くするとFSRが広がる。実務では、波長可変レーザーで単一モードを保つために、この間隔を広く設計することが多いんだ。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ「フィネス」は何を表しているんですか?反射率 $R_1$ や $R_2$ をいじるとグラフがすごく変わりました。
🎓
フィネス $\mathcal{F}$ は、共振器がどれだけ「シャープに」光を選ぶかの指標だ。上のエアリー関数の透過ピークを確認してみて。反射率を0.99に近づけると、ピークが非常に鋭くなるだろ?これが高フィネス状態。光原子時計や超高感度センサーは、この鋭いピークを利用してるんだ。
🙋
「光子寿命」も気になります。これが長いと何がいいんですか?内部損失 $L_i$ を増やすとすぐに短くなっちゃいますね。
🎓
その通り!光子寿命 $\tau_p$ は、光子が共振器の中に留まっている平均時間だ。これが長いほど、光と物質(例えば原子や量子ドット)の相互作用時間が長くなって、強い結合が実現できる。量子情報処理や共振器QEDの実験では、この値を極力長くするために、超高反射率ミラーと超低損失材料を組み合わせて設計するんだよ。
よくある質問
キャビティ長Lが短いほどFSR(c/2nL)は広くなり、縦モード間隔が大きくなります。逆にLを長くするとFSRは狭くなり、モードが密になります。設計時には、目的の波長域に単一モードが存在するようLを調整してください。
ミラー反射率(R1、R2)を1に近づけ、内部損失を低減してください。反射率が高いほど光が共振器内に閉じ込められ、フィネスが向上します。ただし、反射率が高すぎると透過ピーク強度が低下するため、用途に応じたバランスが重要です。
ミラー反射率が低い場合や損失が大きい場合、共振器のQ値が低下し、透過ピークがブロードニングして非対称に見えることがあります。また、入力光の波長が共振条件からずれると、位相シフトの影響で形状が歪むこともあります。
共振器内のガウスビームは、ミラー位置で波面が一致するように伝播します。キャビティ長やミラー曲率半径の設定が適切でないと、ビームウェスト位置がずれて断面が急変します。安定共振条件(gパラメータ)を確認してください。
実世界での応用
波長可変レーザー:単一モードで動作させながら波長を変えるためには、FSRを広く設計して隣接モードの干渉を防ぎます。このツールでキャビティ長 $L$ を短く設定するとFSRが広がる様子を確認でき、設計の直感が養えます。
光周波数コム・光原子時計:極めて高いフィネスを持つ共振器(超低損失ミラー)を用いて、光の周波数を精密に測定・比較します。反射率 $R_1$, $R_2$ を0.9999などに近づけるとフィネスが急激に上昇することをシミュレーションで体験できます。
量子光学実験(共振器QED):単一原子と単一光子の強い結合を実現するためには、光子寿命 $\tau_p$ を長くする必要があります。内部損失 $L_i$ を極限まで下げ、反射率を最大化する設計が求められ、このツールでパラメータのトレードオフを学べます。
光通信の波長フィルタ:特定の波長チャネルだけを通し、他を遮断するフィルタとしてファブリ・ペロー共振器が使われます。フィネスを調整することで通過帯域幅を制御でき、反射率とFSRの関係をグラフで確認しながら設計方針を立てることができます。
よくある誤解と注意点
まず、「反射率Rはパーセント表示なのか小数表示なのか」に注意だ。このツールでは、反射率0.99とは99%を意味する。つい「0.99%」と入力してしまい、計算結果が全然合わないという初歩的なミスが多い。次に、「内部損失Liの解釈」。これは「1往復あたりの強度損失率」で、0.01と入力すれば1%損失があることを意味する。ここを「透過率」と混同して、大きな値(例えば0.5)を入れると、光子寿命が異常に短く計算されてしまう。実務では、超精密なミラーでもLiは0.001(0.1%)以下を目指す世界だ。
また、「ガウシアンビームのプロファイルは理想的な場合」という点も押さえておこう。ツールが示すビーム径ω(z)は、完全な球面鏡と完全なアラインメントを仮定している。実際には、鏡の歪みやわずかなズレでビーム形状は歪む。シミュレーションで「このサイズなら収まるな」と安心して設計しても、実機では熱膨張でキャビティ長が変わり、ビームが広がって鏡の端を切ってしまう(=損失増!)という落とし穴がある。例えば、L=1cmの共振器を室温±5℃の環境で使うと、材料にもよるが長さが数μm変化し、FSRやビームウエスト位置がシフトする可能性がある。