縞次数:$N = \dfrac{(\sigma_1 - \sigma_2)\,t}{f}$
円板中心(Frocht の解):
$\sigma_x = \dfrac{2P}{\pi D t},\quad \sigma_y = -\dfrac{6P}{\pi D t}$($x$:荷重と直交、$y$:荷重方向)
最大主応力差が大きい領域ほど縞が密になる。
試験片形状・荷重・縞感度定数を変えて、主応力差に対応した等色縞(アイソクロマティック)パターンをリアルタイムで可視化。FEM検証の基礎を体感しよう。
縞次数:$N = \dfrac{(\sigma_1 - \sigma_2)\,t}{f}$
円板中心(Frocht の解):
$\sigma_x = \dfrac{2P}{\pi D t},\quad \sigma_y = -\dfrac{6P}{\pi D t}$($x$:荷重と直交、$y$:荷重方向)
最大主応力差が大きい領域ほど縞が密になる。
製品設計の初期検証:自動車のリンク機構や航空機の窓枠など、複雑な形状の部品について、実物大の透明モデルを作成し、光弾性実験を行います。これにより、設計段階で応力集中が起こりやすい危険箇所を視覚的・直感的に特定できます。
数値解析(CAE/FEM)の検証:有限要素法(FEM)などで得られた応力解析結果の信頼性を確認するためのベンチマークとして利用されます。光弾性で得られた等色縞パターンとFEMの主応力差のコンター図を比較し、その分布傾向が一致するかを確認します。
材料評価・品質管理:異なる材料(エポキシ、ポリカーボネートなど)の縞感度定数(f値)を測定したり、鋳造部品や溶接部の内部残留応力を評価するために用いられます。応力が残留している部分は、荷重を加えなくても初めから縞が観察されます。
教育・研究:力学や材料工学の教育現場で、目に見えない「応力」という概念を、美しい色の縞として可視化する強力な教材となります。破壊力学の分野では、き裂先端の応力拡大係数を光弾性縞パターンから求める研究が行われています。
まず、「縞が濃い=応力が大きい」と思いがちですが、厳密には違います。等色縞は主応力「差」を表しているので、例えば一様な引張り(σ1が大きく、σ2=0)と一様なせん断(σ1とσ2が絶対値同じで符号逆)では、同じ応力差でも全く異なる応力状態です。シミュレーターで「円板」を選び、荷重をかけて中心を確認してみてください。縞が現れますが、これは引張りと圧縮の組み合わせによる大きな応力差です。一方、一様な単純引張りでは σ2=0 なので縞次数は σ1 に比例しますが、試験片全体が同じ次数(同じ色)になり、縞の「模様」は現れません。縞が密に見えるのは応力差の勾配が大きい場所です。応力の「大きさ」ではなく「差」とその分布を見ていることを常に意識しましょう。
次に、縞感度定数「f」の扱い。この値は材料固有で、例えばポリカーボネートで約 7、エポキシで約 10、アクリル(PMMA)では 100 以上(いずれも kN/m・縞 = N/mm・縞)と、材料で大きく異なります。シミュレーターでこの値を変えると、同じ荷重でも縞の本数が大きく変わりますよね?実務で既知の材料(エポキシ)で実験して得た知見を、別の材料(例えばアルミニウム)の設計に直接当てはめることはできません。f値の違いが「見かけの危険度」を変えてしまうからです。
最後に、「2次元の面内応力」しか評価できないという根本的な限界。この手法の前提は、光が通過する厚さ方向の応力は一定(平面応力状態)であることです。実際の厚みのある部品では、表面と内部で応力状態が異なる「3次元応力」が生じます。そのため、複雑な3次元形状の精密評価には向かず、あくまで傾向把握やFEMの検証用という位置づけを理解しておくことが大切です。
円板試験片(直径 50 mm、厚さ 10 mm)に直径方向の圧縮荷重 5 kN を加えた場合:円板中心では荷重と直交する方向に σ₁=2P/(πDt)=2×5000/(π×50×10)≈6.4 MPa の引張、荷重方向に σ₂=−6P/(πDt)≈−19.1 MPa の圧縮が生じ、主応力差は約 25.5 MPa、τmax≈12.7 MPa です。縞感度定数 f=12 N/mm なら中心の縞次数は N=(σ₁−σ₂)·t/f=25.5×10/12≈21.2 で、荷重点に向かって縞はさらに密になります。孔あき板(P=3000 N、D=50 mm、t=10 mm)では孔の縁の応力が遠方応力 P/(Dt)=6 MPa の3倍の 18 MPa になり、応力集中係数 Kt=3 の検証に使えます。