太陽熱温水器・集熱量シミュレーター 戻る
再生可能エネルギーシミュレーター

太陽熱温水器・集熱量シミュレーター

集熱面積・日射量・入口水温・環境温度を調整して、HWB式による瞬時集熱量・日積算量・200Lタンク昇温量・効率曲線をリアルタイム計算。

プリセット
集熱器パラメータ
集熱面積 A (m²)
集熱器除熱係数 FR
光学効率 τα
総合熱損失係数 UL (W/m²K)
W/m²K
運転条件
日射量 GT (W/m²)
W/m²
入口水温 Tin (°C)
°C
外気温 Tamb (°C)
°C
計算結果
計算結果
効率 η
集熱量 Q (kW)
日積算量 (kWh/日)
200L昇温 (°C)
停滞温度 (°C)
ΔT/G_T (m²K/W)
日射
効率
理論・主要公式
$$Q = \eta \cdot A \cdot G_T$$ $$\eta = F_R\left[\tau\alpha - U_L\frac{T_{in}-T_{amb}}{G_T}\right]$$ $$T_{stag}= T_{amb}+ \frac{F_R\tau\alpha}{U_L}G_T$$

太陽熱温水器・集熱量シミュレーターとは

🙋
このシミュレーターで計算している「集熱効率」って、具体的に何を表しているんですか?
🎓
大まかに言うと、太陽の光エネルギーをどれだけ熱として回収できたかの割合だよ。例えば、日射量が1000W/m²で効率が50%なら、1m²あたり500Wの熱が得られる計算だ。上のスライダーで「光学効率 τα」を動かしてみて。これが高ければ、効率曲線のスタート地点(一番左端)が高くなるのがわかるよ。
🙋
効率曲線が右下がりなのはなぜですか?「入口水温」を上げると、急に効率が下がっちゃいました。
🎓
それが熱損失の影響だ。集熱器の中の水が外気温よりずっと熱くなると、その熱が逃げてしまうんだ。数式でいう「$U_L(T_{in}-T_{amb})/G_T$」の項が大きくなるから。実務では、冬の朝に冷水を送り込むと効率は高いけど、お湯が十分温まった昼過ぎは効率が落ちる、という現象になるね。
🙋
「総合熱損失係数 U」が小さい真空管型の方が高温で有利って、このグラフでどう見ればいいんですか?
🎓
いいところに気づいたね。右側の「パラメータ」で「集熱器タイプ」を「真空管型」に切り替えてみて。効率曲線の傾きが緩やかになるだろ?これが「Uが小さい」ということ。つまり、入口水温が高くなっても効率の落ち込みが少ないから、高温のお湯を作りたいときや、外気温が低い地域で有利なんだ。

よくある質問

本シミュレーターはリアルタイム計算です。スライダー操作後、自動でグラフが更新されない場合は、ブラウザのJavaScriptが有効かご確認ください。また、古いブラウザでは動作が遅くなる場合がありますので、最新版への更新をお試しください。
日積算量は、設定された日射量・外気温が1時間一定と仮定し、瞬時集熱量を8時間積算した値です。200Lタンク昇温量は、その積算熱量で200Lの水を何度昇温できるかを、水の比熱を用いて計算しています。
現バージョンでは、これらの係数は固定値(例:τα=0.75、UL=5.0)で動作しています。実際の製品データに合わせたシミュレーションをご希望の場合は、今後のアップデートでパラメータ編集機能を追加予定です。
HWB式では、外気温が入口水温より高いと熱損失項が負になるため、瞬時集熱量は光学効率による理想集熱量よりも大きくなります。これは、集熱器が周囲の空気からも熱を吸収する状況を表しており、現実の動作を反映しています。

実世界での応用

住宅用給湯システムの設計:世帯人数や地域の日射量から必要な集熱面積を決定します。シミュレーターで冬の条件(日射量は低め、外気温は低め)を設定し、十分な温湯が得られるかを確認するのが典型的な使い方です。

農業用・業務用温水需要への適用:養殖場の水温維持やホテルの給湯など、大量の低温温水が必要な場合に効果的です。集熱面積を大きく設定し、得られる日積算熱量(MJ/日)が需要を満たせるかシミュレーションします。

集熱器の性能比較と選定:メーカーカタログの性能値(F_Rτα, F_RU_L)をシミュレーターに入力し、自社の使用条件(想定する入口水温、地域の気象)でどれだけ効率が違うかを定量的に比較できます。

システムの安全確認(スタグネーション温度の算定):循環ポンプが停止した時、集熱器が到達する最高温度(スタグネーション温度)を見積もります。これがコレクターや配管の耐熱温度を超えないか確認し、過熱防止策を講じるために重要です。

よくある誤解と注意点

まず、「日射量」の入力値は、実際の設置面での値だという点を見落としがちだ。シミュレーターに入力する「面内日射量」は、水平面の日射量とは違う。例えば、屋根に傾斜角30度で設置した場合、真夏の南向きでは水平面より1.2倍程度多い値になることもある。逆に冬の朝夕では逆転することも。実設計では、気象データベースから傾斜面日射量を算出するのが正しい手順だ。

次に、「瞬時集熱量」の値は、あくまで「ある一瞬」の話だという点。例えば、日射量1000W/m²、効率50%で計算された500W/m²の熱は、その条件が1時間続けば0.5kWhの熱エネルギーに相当する。日積算量はこの「一瞬」の計算を一日分積分した結果だ。だから、朝から晩まで同じ条件が続くわけではないので、時間ごとの日射量・気温データを使った逐次計算がより現実的だ。

最後に、シミュレーターの「効率」は集熱器単体の性能であり、システム全体の給湯効率ではない点に注意しよう。例えば、集熱器で80℃のお湯を作れても、配管の熱損失が大きくてタンクに届く時は60℃、ということはよくある。また、タンクが満タンで集熱が止まる「ストッピングロス」も全体効率を下げる。このツールはあくまでコアとなる集熱性能を評価するもので、システム設計にはポンプ動力や制御ロジックなど他の要素も考慮が必要だ。

使い方ガイド

  1. 集熱面積(m²)を入力します。例えば4m²の平板集熱器を想定する場合は「4」と設定します
  2. 日射量(W/m²)を指定します。晴天時の南向き法線面では800W/m²、曇天時は200W/m²が目安です
  3. 入口水温(°C)を設定します。給水温度15°Cから始まる場合と、タンク蓄熱による30°C循環の場合で結果が変わります
  4. 熱除去率FR(0.7~0.85)と熱損失係数UL(W/m²K)をメーカー仕様から入力すると、HWB式により瞬時集熱量が計算されます
  5. 日積算量とタンク200L昇温量を確認して、システム設計の妥当性を判定します

具体的な計算例

南西日本で集熱面積6m²、日射量700W/m²、入口水温20°C、FR=0.75、UL=6W/m²Kの平板集熱器の場合、瞬時集熱量Q=(0.75×700×6)-(6×6×(20-25))=3150+180=3330W≒3.3kWと計算されます。冬季の晴天8時間積算では26kWh/日となり、200Lタンク(比熱4.2kJ/kg°C)の昇温は31°Cに達します。停滞温度は日射量と外気温から85°C程度と推定されます

実務での注意点