1/2曲げ:$V_{out}= \frac{V_s}{2}GF \cdot \varepsilon (1+\nu)$
全ブリッジ:$V_{out}= V_s \cdot GF \cdot \varepsilon (1+\nu)$
温度誤差:$\Delta V_T \approx \frac{V_s}{4}(\alpha_R - \alpha_{sub})\Delta T$
ゲージ率・供給電圧・ブリッジ構成を選ぶだけで出力電圧と感度を即座に計算。4種のブリッジを同時比較して温度補償の効果を体感しよう。
構造物の健全性モニタリング:橋梁やビル、風力発電のブレードなどにひずみゲージを貼り付け、長期にわたる負荷や疲労によるひずみを計測します。全ブリッジ構成を用いて温度変化の影響を排除し、高精度なデータを取得します。
自動車の衝突試験と車体開発:衝突実験では、車体各部に数百点のひずみゲージを貼付し、衝撃エネルギーの伝達経路や各部品の変形挙動を詳細に計測します。曲げやねじりを測定するため、1/2曲げブリッジがよく用いられます。
航空宇宙機体の地上試験:飛行中の翼や胴体にかかる実際の空気力を模擬する地上強度試験で、機体構造のひずみ分布を測定します。極端な温度環境下でも測定できるよう、温度補償付きのブリッジ構成が必須です。
ロボットアームや精密機械の力覚センサ:ロボットの把持力や作業反力を検出する「6軸力センサ」の内部では、ひずみゲージを全ブリッジ構成で配置し、微小なひずみから3次元の力とモーメントを算出しています。
まず、「ゲージ率(GF)は大きければ大きいほど良い」という誤解です。確かに感度は上がりますが、GFが高い材料は温度依存性も大きい傾向があります。例えば、半導体ひずみゲージ(GF: 100以上)は金属箔(GF: 約2.0)よりはるかに感度が高いですが、温度補償が必須で扱いが難しい。実務では「安定性」と「感度」のトレードオフを考え、金属箔が選ばれることが多いんです。
次に、供給電圧$V_s$の設定 。出力電圧は$V_s$に比例するから、大きくすれば良いと思いがちですが、ゲージに流れる電流で自己発熱(ジュール熱)が起こり、誤差や破損の原因になります。例えば、120Ωのゲージに10Vをかけると約0.83Wの熱が発生。一般的には1〜5V程度で、発熱を抑えつつ十分な信号を得る調整が必要です。
最後に、「全ブリッジは常に最適」という思い込み。感度は最高ですが、ゲージを4枚も貼る必要があり、コストと工数がかかります。また、全てのゲージが完全に同じ特性でないと、理論通りの出力になりません。梁の片持ちはりなど、貼付位置が限られる場合には、1/2曲げブリッジで十分な場合も多い。目的とコスト、実装可能性のバランスを見極めましょう。
アルミニウム製キャンチレバー梁(E=70GPa)にひずみゲージ(GF=2.05)を貼付し、先端に100N荷重を負荷した場合を計算。梁長さ100mm、断面2次モーメント150mm⁴とすると、発生ひずみは約952μεです。1/4ブリッジ構成、Vs=10Vで計測すると出力電圧は約4.9mV、感度は0.49mV/V/μεとなります。ΔT=30℃の温度上昇時に1/2ブリッジ補償を適用すると温度誤差は約0.15mVに低減され、正確な応力値(σ≈67MPa)が得られます。