1〜3自由度の質量バネ系で固有振動数と振動モードをリアルタイム計算。各モードのアニメーションと周波数応答グラフで振動挙動を直感的に理解できる。
自動車・航空機の設計:エンジンやプロペラの回転数が車体・機体の固有振動数と一致すると、共振による大振幅振動や騒音、疲労破壊が発生します。設計段階でCAE(モーダル解析)を用いて固有値を把握し、危険な周波数域を避けるように質量や剛性を調整します。
建築・橋梁の耐震設計:地震動は広い周波数帯域の振動を含みます。建物の固有振動数が地震動の主要な周波数と一致すると共振し、倒壊の危険が高まります。固有値解析により建物の揺れやすいモードを把握し、制振装置の設置や構造の見直しを行います。
工作機械・精密機器:マシニングセンターなどで工具が回転する際、その回転数が機械構造や工具自体の固有振動数に近づくと「びびり振動」が発生し、加工精度が著しく低下します。工具の長さや保持方法を変えて固有振動数をシフトさせる対策が取られます。
家電製品の静粛化:洗濯機の脱水時や冷蔵庫のコンプレッサー動作時に発生する振動や騒音は、内部構造の固有振動が励起されることが一因です。CAEを用いて振動モードを可視化し、防振ゴムの配置や質量バランスを最適化することで静粛性を向上させます。
このツールで遊んでいると、いくつか勘違いしやすいポイントがあるんだ。まず、「固有振動数が低い(重い・ばねが柔らかい)ほど危険」と思いがちだけど、それは状況による。確かに低い周波数は日常的に発生しやすいけど、問題は「加振力の周波数」と「固有振動数」がどれだけ近いかだ。例えば、高速回転するファン(加振周波数100Hz)に、固有振動数2Hzの筐体はほとんど影響を受けない。逆に、エンジンのアイドリング振動(20Hz)と固有振動数が20Hzのマウント部品は、たとえ周波数が高くても共振してしまう。
次に、ツール上では「減衰」を考慮していない点に注意だ。現実の構造物には必ず減衰(振動をエネルギーを熱などに変えて消す効果)がある。減衰が大きいと、共振ピークの応答振幅は理論値より大幅に低くなる。このシミュレーターの周波数応答グラフは「非減衰系」の理想的な結果だから、実務ではここに減衰項を加えたモデルで再評価するのが次のステップだ。
最後に、パラメータ設定の落とし穴。質量やばね定数を「直列」や「並列」で複数設定する場合、その合成値の計算を間違えることが多い。例えば、2本のばねが質点間に「直列」なら、合成ばね定数kは $1/k = 1/k_1 + 1/k_2$ で求められる。ツールでk1とk2を別々にいじる時、この関係を頭に入れておかないと、意図しない剛性分布になってしまうよ。
3自由度系(機械基礎の振動解析):m1=3kg、m2=2kg、m3=1kg、k1=15kN/m、k2=12kN/m、k3=8kN/mの場合、第1固有振動数は約8.2Hz、第2固有振動数は約15.7Hz、第3固有振動数は約22.1Hzとなります。第1モードでは全質量が同位相で振動し、第2モードでは中間層が逆位相となる特性を示します。