三角波: $\dfrac{8A}{\pi^2}\sum_{n=0}^{\infty}\dfrac{(-1)^n}{(2n+1)^2}\sin((2n+1)\omega t)$
のこぎり波: $\dfrac{2A}{\pi}\sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{(-1)^{n+1}}{n}\sin(n\omega t)$
正弦波・矩形波・三角波・のこぎり波を最大4成分まで合成。RMS・ピーク・クレストファクター・THD と 512点 DFT スペクトルをリアルタイムに確認できます。
オーディオ・楽器合成:シンセサイザーは、まさにこのシミュレーターのように基本波と高調波を合成して、バイオリンやフルートなど様々な楽器の音色を人工的に作り出します。矩形波やのこぎり波は電子音楽でよく使われる特徴的な音です。
電力品質解析:工場のモーターやインバーター制御機器は、電源に高調波歪み(THDの原因)を発生させます。この歪みが大きいと、変圧器の過熱や精密機器の誤動作を引き起こすため、波形を測定・分析して対策することが重要です。
通信信号処理:デジタル通信で用いられる矩形波パルスは、無限の高調波成分を含みます。このままでは周波数帯域が広すぎるため、フィルタで波形を整形(高調波を削る)して、隣接チャネルへの干渉を防ぎます。
振動・騒音解析:エンジンやギアの振動波形を測定し、その周波数スペクトルを分析することで、どの部分(例えば特定の回転数の倍数)から異常振動や騒音が発生しているかを特定し、設計改良に役立てます。
このツールを使い始めるとき、いくつかつまずきやすいポイントがあるから気をつけてね。まず「振幅」の解釈だ。正弦波では振幅Aがそのままピーク値だけど、矩形波や三角波では話が違う。例えば、振幅1Vの矩形波のピーク値は1Vだけど、その実効値(RMS)は約1Vになる(理想的な矩形波の場合)。一方、振幅1Vの正弦波の実効値は約0.707Vだ。同じ「振幅1V」設定でも波形の種類で実効値が変わるから、電力やエネルギーを考える時は要注意だよ。
次に「位相」の影響を見落とすこと。位相を0度と180度で変えると、波形が上下反転するのは直感的だけど、90度や270度のずれはもっと微妙な影響を与える。例えば、基本波と3倍高調波を合成する時、位相を変えるだけで合成波形の形(ピークの鋭さや対称性)が大きく変わることがある。音響なら音色のニュアンスが、制御系なら過渡応答が変わってくるんだ。
最後に「周波数スペクトルの解釈」。FFTで出てくるスパイクが、設定した成分の周波数と完全に一致しないことがあるよね。これは周波数分解能の問題だ。例えば、基本周波数が1Hzで分析時間が1秒の場合、分解能は1Hzだから、1.5Hzの成分は1Hzと2Hzの間に広がって表示されてしまう。シミュレーションでは理論値がわかっているから気づきにくいけど、実測データを扱う時はこの「漏れ」現象を常に頭に入れておこう。
基本波50Hz・10V正弦波に、3次高調波(150Hz・3.33V)と5次高調波(250Hz・2V)を合成した場合:RMS値は約7.2V、ピーク値は約13.4V、クレストファクター1.86となります。THDは約35%で、電源品質管理の許容限度(IEC 61000-3-2で8%)を大幅に超過するため、フィルタ対策が必要と判定できます。オーディオ信号の場合、正弦波10kHz・1Vに矩形波10kHz・0.3Vを重畳すると、RMS値1.03V、THD約10%となり、音質劣化が予測されます。