群速度: $v_g = c\sqrt{1-(f_c/f)^2}$
矩形導波管のTE/TMモードの電磁界分布をリアルタイム可視化。カットオフ周波数・導波管波長・位相速度・群速度を自動計算。分散図も表示。
衛星通信・レーダー送受信機:地上局のパラボラアンテナと送受信機を結ぶマイクロ波伝送路として広く使用されます。低損失で大電力伝送が可能なため、WR-137(5.8GHz帯)やWR-28(26.5-40GHz帯)など、周波数帯に応じた規格導波管が用いられます。
加速器(粒子線源):電子線形加速器では、高周波電力を導波管で伝送し、加速管内部で強力な加速電界を形成します。ここでは位相速度を電子の速度に同期させる設計が重要になり、円盤荷重導波管などの特殊な構造が採用されます。
無線機・測定器の内部回路:ミリ波帯の周波数シンセサイザやスペクトラムアナライザ内部では、局部発振信号をフィルタやミキサに分配するために、小型の導波管(例えばEバンド用WR-12)がプリント基板上に実装されることがあります。
工業用加熱装置:電子レンジ(2.45GHz)は最も身近な例です。産業用では、プラスチック溶着や食品殺菌のために、マグネトロンで発生したマイクロ波を導波管で処理室へ導き、均一に照射します。
まず、「導波管はただの金属の筒」と思っていませんか?実は、内面の導電率と表面粗さが損失に直結します。シミュレーターでは理想的と仮定していますが、実物では銅や銀メッキが使われ、特に高周波では表面が鏡面のように仕上げられます。例えば、10GHzで導電率が1割落ちると、伝送損失は数%増加する可能性があります。
次に、動作周波数の選定。カットオフ周波数より高ければ何でもOKというわけではありません。基本モード(TE10)以外の高次モードが伝搬し始める周波数も考慮が必要です。例えばWR-90(a=22.86mm, b=10.16mm)では、TE10モードのfcは約6.56GHzですが、次に現れるTE20モードのfcは約13.1GHzです。実務では、単一モードで安定して伝送するため、「1.25×fc ~ 1.9×fc」あたりを動作帯域の目安とすることが多いです。シミュレーターでm=2, n=0に切り替えてfcを確認し、「混信しない安全地帯」を探す練習をしましょう。
最後に、寸法の「名目値」と「実効値」の違い。解説で出てくる寸法a, bは「内寸」です。しかし、特に角Rがついていたり、フランジ接続部で不連続性が生じたりすると、実効的な電気的寸法はわずかに変わります。高精度が要求されるフィルタや共振器の設計では、このずれをシミュレーションで補正する必要が出てきます。
WR-90導波管(a=22.86mm、b=10.16mm)でTE₁₀モードの場合、カットオフ周波数はf_c=6.56GHzです。f=10GHzで動作させると導波長λ_g=32.4mmになり、位相速度v_p/c=1.31、群速度v_g/c=0.544となります。波動インピーダンスは約501Ωとなり、同軸ケーブル(50Ω)との接続時には四分波長整合器が必要です。f_c以下の周波数では信号が減衰するため実用不可となります