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矩形導波管モード

幅・高さ・周波数を変えて、モードとカットオフ周波数を確認。

規格プリセット
導波管寸法
長辺 a (mm)
mm
短辺 b (mm)
mm
動作周波数 f (GHz)
GHz
モード選択
導波管の形状 · 3D

ドラッグで回転/左右キーでも操作

幅a・高さbは入力に連動します。奥行きと矢印は模式表示です。電磁界の強度分布は既存の断面図で確認してください。

幅a・高さbは入力に連動します。奥行きと矢印は模式表示です。電磁界の強度分布は既存の断面図で確認してください。

計算結果
—
f_c (GHz)
—
λ_g (mm)
—
v_p / c
—
v_g / c
—
波動インピーダンス Z (Ω)
場のリアルタイム可視化(断面+伝搬)
側面図:導波管に沿った波の伝搬(f>f_c で進行波、f<f_c でエバネッセント減衰)
分散図(ω–β)とカットオフ
理論・主要公式
$$f_c = \frac{c}{2}\sqrt{\left(\frac{m}{a}\right)^2+\left(\frac{n}{b}\right)^2}$$ 導波管波長: $\lambda_g = \lambda / \sqrt{1-(f_c/f)^2}$
群速度: $v_g = c\sqrt{1-(f_c/f)^2}$
この計算機で確認できること

矩形導波管のTE/TMモードの電磁界分布をリアルタイム可視化。カットオフ周波数・導波管波長・位相速度・群速度を自動計算。分散図も表示。

式と要点を確認する
要点
矩形導波管のカットオフ周波数は f_c = (c/2)·√((m/a)² + (n/b)²)(a・b=導波管の長辺・短辺、m・n=モード次数)で、a>bなら基本モードはTE10、a<bならTE01、a=bなら両者が縮退。f > f_c の伝搬領域では導波管波長 λ_g = λ/√(1 − (f_c/f)²)、群速度 v_g = c·√(1 − (f_c/f)²) となり、f < f_c ではエバネッセント減衰します。

矩形導波管モード計算シミュレーターとは

会話形式の解説
🙋
矩形導波管って、中が空洞なのにどうやって電波を伝えるんですか?普通のケーブルと何が違うの?
🎓
大まかに言うと、金属の壁で電波を反射させながら進ませる「電波のパイプ」だね。同軸ケーブルは中心導体があるけど、導波管は中が空気だ。シミュレーターで「WR-90」を選んでみて。これが実務で一番よく使われる10GHz帯の規格だ。長辺aが約23mmに設定されるよ。
🙋
「TE10モードが基本モード」って説明を見ました。この「10」って何の数字?上のスライダーでmとnを変えると何が起こるんですか?
🎓
mとnは、長辺と短辺方向の電界・磁界の山の数(半波長の数)なんだ。TE10なら、長辺方向に1つの山、短辺方向に変化なし。m=2にすると、長辺方向に山が2つ現れる「TE20モード」になる。シミュレーターでmを1から2に変えてみると、電界パターンが大きく変わるのがわかるよ。カットオフ周波数も跳ね上がる。
🙋
なるほど!でも、カットオフ周波数より低い周波数では伝わらないって、どういうことですか?動作周波数fを下げてみたら、導波管波長がすごく長くなりました。
🎓
それが導波管の最大の特徴で、ハイパスフィルタのように働くんだ。fがfcに近づくと、分母が0に近づくからλgは無限大に発散する。つまり、波が進めなくなる。逆にfをどんどん上げると、λgは自由空間の波長λに近づく。右の分散図で、fc付近で曲線が急激に立ち上がっているのが確認できるね。

よくある質問

その周波数では導波管内で電磁波は伝搬できず、指数関数的に減衰するエバネッセントモードとなります。シミュレーター上では電磁界分布が表示されず、分散図でも伝搬領域外としてグレー表示されます。
TEモードは電界が伝搬方向に成分を持たず(Ez=0)、磁界がz成分を持ちます。TMモードは磁界がz成分を持たず(Hz=0)、電界がz成分を持ちます。シミュレーターではモード選択で切り替え可能です。
aは長辺、bは短辺で、必ずa > bとなるように入力してください。一般的な矩形導波管ではa = 2bが標準です。寸法を変えるとカットオフ周波数やモードの順序が変化するため、目的の周波数帯に合わせて調整します。
横軸に周波数、縦軸に位相速度や群速度をプロットしたグラフで、各モードの伝搬特性が一目で分かります。カットオフ周波数付近で位相速度が急増し、群速度がゼロに近づく様子を確認できます。

実世界での応用

衛星通信・レーダー送受信機:地上局のパラボラアンテナと送受信機を結ぶマイクロ波伝送路として広く使用されます。低損失で大電力伝送が可能なため、WR-137(5.8GHz帯)やWR-28(26.5-40GHz帯)など、周波数帯に応じた規格導波管が用いられます。

加速器(粒子線源):電子線形加速器では、高周波電力を導波管で伝送し、加速管内部で強力な加速電界を形成します。ここでは位相速度を電子の速度に同期させる設計が重要になり、円盤荷重導波管などの特殊な構造が採用されます。

無線機・測定器の内部回路:ミリ波帯の周波数シンセサイザやスペクトラムアナライザ内部では、局部発振信号をフィルタやミキサに分配するために、小型の導波管(例えばEバンド用WR-12)がプリント基板上に実装されることがあります。

工業用加熱装置:電子レンジ(2.45GHz)は最も身近な例です。産業用では、プラスチック溶着や食品殺菌のために、マグネトロンで発生したマイクロ波を導波管で処理室へ導き、均一に照射します。

よくある誤解と注意点

まず、「導波管はただの金属の筒」と思っていませんか?実は、内面の導電率と表面粗さが損失に直結します。シミュレーターでは理想的と仮定していますが、実物では銅や銀メッキが使われ、特に高周波では表面が鏡面のように仕上げられます。例えば、10GHzで導電率が1割落ちると、伝送損失は数%増加する可能性があります。

次に、動作周波数の選定。カットオフ周波数より高ければ何でもOKというわけではありません。基本モード(TE10)以外の高次モードが伝搬し始める周波数も考慮が必要です。例えばWR-90(a=22.86mm, b=10.16mm)では、TE10モードのfcは約6.56GHzですが、次に現れるTE20モードのfcは約13.1GHzです。実務では、単一モードで安定して伝送するため、「1.25×fc ~ 1.9×fc」あたりを動作帯域の目安とすることが多いです。シミュレーターでm=2, n=0に切り替えてfcを確認し、「混信しない安全地帯」を探す練習をしましょう。

最後に、寸法の「名目値」と「実効値」の違い。解説で出てくる寸法a, bは「内寸」です。しかし、特に角Rがついていたり、フランジ接続部で不連続性が生じたりすると、実効的な電気的寸法はわずかに変わります。高精度が要求されるフィルタや共振器の設計では、このずれをシミュレーションで補正する必要が出てきます。

使い方ガイド

  1. 幅a・高さbの内寸(mm)と動作周波数f(GHz)を設定します。標準的な長辺/短辺の表記ではa≥bです。
  2. TEまたはTMを選び、表示されたモードボタンを押します。入力を変えると自動計算され、計算ボタンは不要です。
  3. 計算結果で選択モードのカットオフ周波数、導波長、位相速度、群速度、波動インピーダンスを比較します。

具体的な計算例

「基本 TE10」でWR-90(a=22.86 mm、b=10.16 mm、f=10 GHz)を設定すると、f_c=6.562 GHz、λ_g=39.76 mm、v_p/c=1.325、v_g/c=0.755、Z_TE=499.6 Ωです。ここではc≈3.00×10⁸ m/s、自由空間インピーダンス≈377 Ωを用いています。次のカットオフはTE20の13.123 GHz(TE01は14.764 GHz)で、10 GHzではTE10だけが伝搬可能です。

モデルの範囲と注意点

  1. 中空・空気/真空・完全導体の理想モデルです。金属損失、表面粗さ、コネクタ、誘電体充填は計算していません。
  2. 単一モードの範囲は寸法と次のモードのカットオフで判断します。基本モードのf_cの一定倍率だけでは保証できません。
  3. 位相速度がcを超えても、情報が超光速で伝わる意味ではありません。このモデルではv_p×v_g=c²です。
  4. 場・側面・3Dは原理を示す表示です。動きの速さや模式的な奥行きを、実時間・実長さの測定値として使わないでください。