このソルバーが解析解と一致することを、ページを開くたびにブラウザ上で実行して確認しています。 計算コードは GitHub で公開しています。
冷却水配管の径を決める、分岐後の流量配分を見積もる、ポンプの動作点を掴む——3次元CFDを回す前に答えが欲しい問いは、たいてい管路網(流体回路)の計算で足ります。この道具は1D管路網ソルバーです。配管・弁・ポンプ・流量源を回路図のように繋ぐと、各節点の圧力と各要素の流量が即座に求まります。
管路網は電気回路と同じ数学構造を持ちます。ただし抵抗が非線形(流量の2乗に近い損失)である点だけが異なり、そのためニュートン法で解いています。
| 物理量 | 電気回路 | 管路網 |
|---|---|---|
| 断面変数(ポテンシャル) | 電位差 V [V] | 圧力差 ΔP [Pa] |
| 貫通変数(流れ) | 電流 I [A] | 流量 Q [m³/s] |
| 抵抗要素 | R [Ω](線形) | 管路抵抗(非線形・Q²則) |
| 源 | 電圧源/電流源 | ポンプ/流量源 |
直管の圧力損失は Darcy–Weisbach 式で評価します。
ΔP = f · (L/D) · (ρ/2) · v|v|
摩擦係数 f はレイノルズ数 Re = ρ|v|D/μ で切り替えます。層流(Re < 2300)は f = 64/Re(このとき ΔP は Hagen–Poiseuille 式 ΔP = 128μLQ/(πD⁴) に一致)、乱流は Swamee–Jain の陽形式
f = 0.25 / [log₁₀( ε/(3.7D) + 5.74/Re0.9 )]²
を使い、遷移域(Re 2300〜3500)は両者を連続に接続しています。弁・曲がりなどの局所損失は ΔP = ζ·(ρ/2)·v|v| です。 各節点で体積流量の保存(キルヒホッフの電流則に相当)を課し、非線形連立方程式をニュートン法で解きます。単位は圧力 kPa・流量 L/min で表示します(内部はSI)。
| 部品 | 式 | 用途 |
|---|---|---|
| 直管 | Darcy–Weisbach(層流/乱流自動) | 配管の摩擦損失 |
| 局所損失(弁) | ΔP = ζ·(ρ/2)·v² | 弁・曲がり・継手・オリフィス |
| ポンプ(定圧) | ΔP = 一定(理想圧力源) | 循環系の駆動 |
| 流量源 | Q = 一定 | 既知流量の押し込み |
| 固定圧力 | — | タンク・大気開放・基準圧 |
この道具は定常・非圧縮・単相の管路網を解きます。水撃(ウォーターハンマー)・キャビテーション・二相流・圧縮性流れ・温度変化は扱いません。ポンプは一定圧力上昇の理想源で、実機のQ-H曲線はまだ入りません(v0.3で対応予定)。管内の速度分布や渦は1Dでは見えないので、それが必要になったら流体解析の記事やCFDへ進んでください。
v0.2 beta です。ポンプ特性曲線、熱回路網との連成(冷却ループ)、過渡解析を順次追加していきます。ご要望はリクエストフォームへお寄せください。