体積弾性率 — CAE用語解説
体積弾性率
先生、体積弾性率って弾性率の一種ですよね? ヤング率やせん断弾性率とどう関係するんですか?
体積弾性率Kは「等方圧縮に対する抵抗」を表す定数だ。全方向から同じ圧力pをかけたとき、体積変化率ΔV/Vとの比 K = -p/(ΔV/V) で定義される。ヤング率E、ポアソン比νとの関係は K = E / (3(1-2ν)) で、ポアソン比が0.5に近づく(ゴムや非圧縮性流体)とKは無限大に発散する——つまり体積が変化しにくい材料ほどKが大きい。
定義
ポアソン比0.5って何か特別な意味があるんですか?
非常に重要な分岐点だ。ν = 0.5 は体積変化ゼロ(完全非圧縮)を意味する。ゴムやエラストマーはν≈0.499程度でほぼ非圧縮性だ。FEMでν→0.5に近い材料を普通の変位要素で解こうとすると体積ロッキングという数値的不具合が起きて解が硬くなりすぎる。これを避けるために非圧縮・準非圧縮材料には混合定式化要素やHybrid要素(Abaqusなら末尾にHがつく要素)を使う必要がある。
FEMにおける体積弾性率の役割
流体解析でも体積弾性率って出てきますか?
出てくる。CFDで圧縮性流体を扱うとき、音速 c = √(K/ρ) の式で登場する。水の体積弾性率は約2.2 GPaで、これが「水中の音速は1500 m/s」の根拠だ。ウォーターハンマー解析や水中爆発シミュレーションでは水のKを正確に入力する必要がある。逆に非圧縮CFDではKを無限大として扱い、圧力-速度連成を解くアプローチに切り替える。
岩石や地盤でも使いますか?
地盤工学では頻出だ。岩石のKは地震波の伝播速度から逆算できて、P波速度Vpと S波速度Vsから K = ρ(Vp² - 4Vs²/3) として求める。弾性波トモグラフィーでは地中のK分布を可視化して岩質や間隙率を推定する。また貯留層シミュレーションでは岩石骨格のKと流体のKを組み合わせた有効体積弾性率(Biot理論)が必要になる。
関連用語
体積弾性率ひとつで構造・流体・地盤と幅広くつながるんですね!
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