渦電流損 — CAE用語解説
渦電流損
先生、EVのモーター解析で「渦電流損が大きい」ってよく聞くんですが、渦電流損って何ですか?
渦電流損はモーターや変圧器の鉄心(電磁鋼板)で発生するエネルギー損失の一種だ。交番磁界の中に導電性の鉄心があると、電磁誘導でその内部に環状の電流(渦電流)が誘起される。この渦電流が鉄心の電気抵抗によってジュール熱になるのが渦電流損だ。周波数fの二乗と磁束密度Bの二乗に比例するから、高速回転(高周波)でパワー密度を上げようとすると渦電流損が急激に増大する。EVの高速モーターでは鉄損の大部分が渦電流損になるから、設計の核心的な課題だよ。
定義
電磁鋼板を薄く積層するとなぜ渦電流損が減るんですか?
渦電流は板の面内を流れる。板厚dを薄くすると渦電流のループ面積が小さくなるから誘起される起電力が減り、さらに流路の電気抵抗が増える——この両方の効果で渦電流の大きさが減る。渦電流損はd^2に比例するから、板厚を半分にすると損失は1/4になる理屈だ。実際のモーター用電磁鋼板は0.2〜0.5mm厚が主流で、高速回転EV向けには0.1mm薄板まで使われる。ただし薄くするとプレス打ち抜きコストが上がるし、積層枚数が増えるから製造難度も上がる。
電磁界解析での取り扱い
FEM解析で渦電流損をどうやって計算するんですか?
時間変化する磁場中の渦電流分布を直接計算するには時間過渡FEM(Transient FEM)が必要で、Ansys MaxwellやJMAG、OpenFOAM(magnetoFoam)で実装されている。ただし積層鋼板の全層をFEMでモデル化すると計算コストが爆発的に増えるため、実務では均質化モデルが使われる——各層を均質化した等価異方性導電体に置き換えて、巨視的な渦電流分布を計算する手法だ。Bertotti損失分離モデルを使えば、磁束密度波形とB-H曲線から鉄損(ヒステリシス損+渦電流損+過剰損)を解析的に推定することもできる。
関連用語
薄くすれば減るのに製造コストが上がるというジレンマがあるんですね!
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