熱回路法 — CAE用語解説

カテゴリ: 用語集 | 2026-01-15
CAE visualization for thermal circuit - technical simulation diagram

熱回路法

🧑‍🎓

電子基板の熱設計で「熱回路で温度を見積もれ」って言われたんですけど、3D熱解析とは違うんですか?

🎓

まったく違うアプローチだね。熱回路法は、熱の流れを電気回路に置き換えて解析する方法だよ。温度差を電圧、熱流量を電流、熱抵抗を電気抵抗と対応させる。3D解析と比べて圧倒的に速く概算できるから、設計初期のパラメータ検討に向いてるんだ。

定義

🧑‍🎓

具体的にどうモデル化するんですか?ICチップの冷却とかだとどうなりますか?

🎓

例えばICチップなら、ジャンクション→ダイ→パッケージ→TIM→ヒートシンク→周囲空気という熱の経路を、直列の熱抵抗で繋ぐ。過渡応答を見たいときは熱容量をコンデンサとして各ノードに並列接続する。RC回路そのものだ。

熱解析における役割

🧑‍🎓

RC回路なら計算はオームの法則みたいな感じですか?

🎓

そう、定常なら$\Delta T = Q \cdot R_{th}$で温度差が出る。過渡応答はFourierの熱伝導方程式から導かれるけど、熱回路では各ノードのエネルギー収支として扱う。

$$ \rho c_p \frac{\partial T}{\partial t} = \nabla \cdot (k \nabla T) + Q $$
🎓

例えば5WのICチップで、ジャンクション-ケース間1K/W、ケース-ヒートシンク間0.5K/W、ヒートシンク-周囲間3K/Wなら、合計4.5K/Wで温度上昇は22.5℃だ。周囲40℃ならジャンクション温度62.5℃と即座に出る。

🧑‍🎓

え、手計算でそこまで出るんですか!3D解析する前にまずこれで当たりをつけるわけですね。

関連用語

🧑‍🎓

熱回路法に関連する概念って他に何がありますか?

🎓
  • 熱抵抗 — 直列・並列の組み合わせで複雑な熱経路を表現
  • 集中定数法 — Biot数が0.1以下なら物体内部を1ノードで近似できる
  • 等価回路 — 半導体データシートのθjcやθjaは熱回路の抵抗値
  • 🧑‍🎓

    データシートのθjcって熱回路の抵抗値だったんですね。まずは熱回路で概算して、問題がある箇所だけ3Dで詳細に見るという流れが効率的ですね。

    🎓

    そう、それが熱設計の王道だ。熱回路で全体の温度分布を把握してボトルネックを特定し、そこだけ3D解析で追い込む。実務ではExcelで熱回路を組むことも多いから、まず手計算に慣れておくことをお勧めするよ。

    CAE用語の正確な理解は、チーム内のコミュニケーションの基盤です。 — Project NovaSolverは実務者の学習支援も視野に入れています。

    Project NovaSolver — CAE実務の課題に向き合う研究開発

    「熱回路法をもっと効率的に解析できないか?」——私たちは実務者の声に耳を傾け、既存ワークフローの改善を目指す次世代CAEプロジェクトに取り組んでいます。具体的な機能はまだ公開前ですが、開発の進捗をお届けします。

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