入射波(青)・反射波(オレンジ)・透過波(緑)— 振幅は各係数に比例
$R = \dfrac{Z_2 - Z_1}{Z_2 + Z_1}$
$T = \dfrac{2Z_2}{Z_2 + Z_1}$
$R_I = R^2,\quad T_I = 1 - R_I$
$\text{TL}= -10\log_{10}(T_I)\;\text{[dB]}$
空気・水・鋼・コンクリートなど2媒質の界面における音波の反射・透過をリアルタイム計算。入射波・反射波・透過波の振幅をアニメーションで可視化し、超音波探傷・水中音響・建築防音設計に応用できる。
入射波(青)・反射波(オレンジ)・透過波(緑)— 振幅は各係数に比例
超音波探傷検査(UT):金属部品の内部に亀裂や空洞がないかを調べる非破壊検査です。探触子から超音波を送り、内部の欠陥(中は空気)で音がほぼ全反射($R_I \approx 1$)することを利用して、欠陥の位置や大きさを検出します。インピーダンスの差が極端なほど検出感度が高まります。
水中音響・ソナー:ソナーは水中で音波を発信し、その反射波を捉えて目標を探知します。水と空気の界面ではインピーダンス差が大きく、音波のほとんどが水中に閉じ込められます(透過損失TLが約30dB)。この特性が、水中通信や魚群探知の基礎となっています。
建築音響・防音設計:コンクリート壁や防音ガラスなど、音を遮る建材の性能評価に使われます。透過損失 $TL = -10 \log_{10}(T_I)$ [dB] が大きいほど遮音性能が高いことを意味します。材料の組み合わせと厚みをシミュレーションで最適化できます。
医用超音波診断:超音波プローブと人体の間には、インピーダンスが大きく異なるため、そのままでは音波が皮膚に入りにくいです。そこで、プローブと皮膚の間に「結合剤(ゲル)」を塗布し、インピーダンスをマッチングさせることで、効率的に体内に音波を送り、臓器の映像を得ています。
このツールを使い始めるときに、多くの人が同じような勘違いをします。まず押さえておきたいのは、「インピーダンスが大きい=音をよく通す」ではないということ。むしろ逆で、インピーダンスが大きい媒質は「音が進みにくい媒質」です。鋼は空気よりずっと音を速く伝えますが、その「重さ(密度)」の影響が大きく、結果としてインピーダンスは非常に高くなります。この「伝わりやすさ」と「インピーダンスの大きさ」を混同しないでください。
次に、反射係数Rが負の値になる意味。例えば、水(Z1=1.5e6)から鋼(Z2=4.6e7)への入射でRは正ですが、鋼から水への入射ではRは負になります。これは、反射波の位相が180度反転する(山が谷として跳ね返る)ことを意味します。アニメーションで波の形をよく観察してみると、その違いが視覚的に理解できます。
最後に、この計算は「垂直入射」が前提である点が最大の落とし穴です。実務では音波が斜めに入射することの方が多いですよね。その場合、反射・透過の挙動はスネルの法則に従って角度が変わり、さらに界面で波のモード変換(縦波から横波へなど)が起こることがあります。このツールの結果は、あくまで基本となる「垂直入射ケース」の理解の土台として活用しましょう。
鋼(ρ₁=7850kg/m³、c₁=5960m/s)から水(ρ₂=1000kg/m³、c₂=1480m/s)への超音波入射:Z₁=46.79MRayl、Z₂=1.48MRayl、反射係数R≈-0.939、強度反射率R_I≈88.1%、透過損失TL≈9.25dB。周波数2MHzでも同じ値。反対に水から鋼ではR≈+0.939、R_I≈88.1%となり界面での大きなインピーダンス不整合を示す