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流体解析

濾過圧力・フィルター媒体抵抗計算機

ダルシー則・コゼニー・カーマン式・Ruth濾過方程式で圧力損失・透過率・ケーク比抵抗をリアルタイム計算。ケーク蓄積アニメーション付き。

パラメータ設定
媒体タイプ
流量 Q
L/min
フィルター面積 A
cm²
ケーク厚さ L
mm
空隙率 ε
粒子径 dp
μm
粘度 μ
mPa·s
圧縮指数 n
0=非圧縮, 1=高圧縮ケーク
操作圧力 ΔP
0.00 s
計算結果
圧力損失 ΔP [kPa]
透過率 k [m²]
比抵抗 α [m/kg]
濾過速度 [L/m²h]
ケーク形成速度 [mm/h]
サイクル時間 [min]
可視化
Dp
理論・主要公式

ダルシー則:

$$\Delta P = \frac{\mu\,Q\,L}{k\,A}$$

コゼニー・カーマン式:

$$k = \frac{\varepsilon^3 d_p^2}{180(1-\varepsilon)^2}$$

Ruth濾過方程式(線形化):

$$\frac{t}{V/A}= \frac{\mu\alpha\rho_c}{2\Delta P}\frac{V}{A}+ \frac{\mu R_m}{\Delta P}$$

濾過圧力・フィルター媒体抵抗計算機とは

🙋
「濾過」って、コーヒーを淹れる時のフィルターみたいなものですか?計算機で何がわかるんですか?
🎓
その通り!コーヒーフィルターも立派な濾過装置だね。大まかに言うと、液体に混ざった粒子(コーヒーかす)をフィルターで取り除く時に、どれだけポンプの力(圧力)が必要かを計算するツールだよ。例えば、上の「流量 Q」のスライダーを動かしてみて。流量を増やすと、必要な圧力がどう変わるかリアルタイムで見えるでしょう?
🙋
え、流量を2倍にしたら、必要な圧力も2倍以上に跳ね上がりました!これはなぜですか?フィルターの中身(空隙率とか粒子径)も関係してるんですか?
🎓
鋭いね!その関係を表すのが「ダルシー則」という基本式だ。流量と圧力は比例するけど、フィルター媒体の「通りやすさ」を表す「透水係数 k」で割られるんだ。このkは、フィルターの中身、つまり「空隙率 ε」と「粒子径 dp」で決まる。試しに「空隙率」を0.4から0.3に下げてみて。通り道が狭くなるから、圧力がぐっと上がるのがわかるよ。
🙋
なるほど!でも、実際の工場の濾過では、コーヒーかすみたいにフィルターにゴミが溜まっていきますよね?あの「ケーク」の影響も計算できるんですか?
🎓
良いところに気づいたね。そこがこのツールの本領だ!画面のアニメーションでケークが厚くなる様子を確認してみて。「ケーク厚さ L」が増えると、圧力損失は直線的に増加する。さらに「圧縮指数 n」を0(非圧縮性)から0.5くらいに上げてみて。圧力をかけるとケークが詰まって抵抗が増える、いわゆる「圧縮性ケーク」の挙動を再現できるんだ。実務ではこのnの値を見積もるのが重要になるよ。

よくある質問

ダルシー則は既知の透水係数から圧力損失を直接計算する際に使用します。一方、コゼニー・カーマン式は粒子径や空隙率から透水係数を推定したい場合に用います。設計段階で媒体の微視構造が不明な場合は、後者で透水係数を算出してからダルシー則に代入すると便利です。
はい、連動しています。入力パラメータ(流量、濃度、濾過面積など)を変更すると、ケークの厚さがリアルタイムで増減し、それに伴う圧力損失の変化も同時にグラフ表示されます。アニメーションは視覚的に濾過進行を理解するための補助機能です。
まず流体粘度と粒子径の入力値を再確認してください。特に粒子径はコゼニー・カーマン式の結果に大きく影響します。また、空隙率は実測値が理想値と乖離しやすいため、0.3〜0.5の範囲で調整してみてください。ケーク比抵抗も実験条件に合わせて補正が必要です。
直接的な対応はしていませんが、コゼニー・カーマン式の粒子径を相当径(球形換算径)に置き換えることで近似的に計算可能です。圧縮性ケークの場合は、Ruth濾過方程式でケーク比抵抗を圧力の関数として与える必要があります。その際は実験データから近似式を求めて入力してください。

実世界での応用

水処理・浄水場:河川水から濁りを取り除く砂濾過装置の設計に使用されます。濾過速度(Q/A)と目詰まりによる圧力上昇を予測し、バックウォッシュ(逆洗浄)の頻度やポンプの選定を行います。

化学・製薬工程:結晶化した製品を母液から分離する濾過機(ヌッチェ濾過など)の設計・スケールアップに不可欠です。実験室で求めた「ケーク比抵抗」を基に、工業スケールでの処理時間と必要圧力を算出します。

食品製造:ビールや果汁の清澄化、砂糖液の脱色処理後の活性炭分離など、衛生面と品質が求められる工程で濾過条件を最適化します。粒子が変形しやすい(圧縮性が高い)場合は、圧縮指数 n の正確な評価が重要になります。

CAEシミュレーション連携:ANSYS FluentなどのCFDソフトでフィルターや充填層をモデル化する際、多孔質媒体条件として「粘性抵抗係数1/α」を入力します。このツールで計算した透水係数 k から、$\alpha = \mu / k$ の関係で直接変換でき、現実に即した流れ解析が可能です。

よくある誤解と注意点

このツールを使い始める際、特に現場経験の浅いエンジニアが陥りがちな落とし穴がいくつかあります。まず第一に、「透水係数kは固定値ではない」という点。ツールではコゼニー・カーマン式でkを計算していますが、あくまで均一な球体充填層の「理論値」です。実際のフィルター媒体は形状や粒径分布が不均一で、この値から大きく外れることが多々あります。例えば、同じ空隙率0.4でも、角ばった砂利と丸いビーズでは実測のk値が数倍違うことも。まずは実機で簡単な透水試験をして、実測値とツールの理論値を比較し、補正係数を把握するのが鉄則です。

次に、「ケーク比抵抗αと圧縮指数nはセットで考える」こと。n=0(非圧縮性)と仮定すると、ケーク厚さが増えても比抵抗は一定とみなします。しかし、多くのスラリー(例えば生物由来の沈殿物)は圧縮性が高く、n=0.3〜0.8の範囲になります。ここで注意したいのは、実験室の小型フィルターで求めたnの値が、大型機では適用できない場合があること。圧力分布や濾過時間が変わるため、スケールアップ時にはパイロット試験が必須です。

最後に、初期設定の「単位」を見落とさないでください。ツールの入力値は基本SI単位(m, m³/s, Pa・s)です。現場でよく使う「L/min」「bar」「cP(センチポイズ)」などの単位でそのまま入力すると、とんでもない計算結果になります。例えば、粘度1cPは0.001 Pa・sです。計算前に単位換算表を確認する癖をつけましょう。