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振動・波動

ホログラム干渉縞シミュレーター

レーザー光の干渉でホログラムが生まれる仕組みをリアルタイム体験。点光源をドラッグして縞模様を自在に操作しよう。

ホログラム干渉縞

点光源をドラッグして動かせます

縞間隔(光源1-2)
— µm
光源1-2 距離
— µm
理論メモ
合成強度:
$$I = \sum_{i,j}2A_iA_j\cos(k\Delta r_{ij})$$ 縞間隔:
$$\Lambda = \frac{\lambda}{2\sin\theta}$$
可視化

ホログラフィーと干渉縞の物理

ホログラムは「光の干渉縞を記録した媒体」です。2つのコヒーレント光(レーザー光)が同一平面に当たるとき、各点での光強度は2つの波の位相差によって決まります。この位相差が0・2π・4π…のとき明縞(強め合い)、π・3π…のとき暗縞(弱め合い)が現れます。

🙋
ホログラムって写真と何が違うんですか?普通の写真にも光が記録されてますよね?
🎓
写真は「光の強度」だけを記録するんだ。でもホログラムは「強度と位相」の両方を記録する。位相を保存するために、参照光(基準波)と物体光を干渉させた縞模様を感光材に焼き付けるんだよ。
🙋
え、縞模様を記録するんですか?あの細かい縞がどうやって3D像になるんですか?
🎓
再生時に同じ参照光を当てると、記録された縞模様が回折格子として働いて、元の物体光の波面を「再現」するんだ。脳はその波面を見て「そこに物体がある」と認識する。縞間隔は λ/(2sinθ) で、レーザー波長に依存する。だからこのシミュレーターで波長を変えると縞が詰まったり広がったりするのが見えるだろう?

強度の計算式

$N$ 個の点光源が同じ角振動数 $\omega$ で振動するとき、観測点 $(x,y)$ での複素振幅は:

$$U(x,y) = \sum_{i=1}^{N}\frac{A_i}{r_i}e^{ikr_i}$$

強度は $I = |U|^2$ で与えられ、展開すると:

$$I(x,y) = \sum_i A_i^2 + 2\sum_{i \lt j}A_i A_j \cos\bigl(k(r_i - r_j)\bigr)$$
理論・主要公式

$$I(x,y) = |E_R + E_O|^2 = I_R + I_O + E_R E_O^* + E_R^* E_O$$

ホログラム記録の干渉強度:参照光 $E_R$ と物体光 $E_O$ の干渉パターン。

$$\Lambda = \frac{\lambda}{2\sin(\theta/2)}$$

干渉縞間隔 $\Lambda$(μm):$\lambda$ は波長(nm)、$\theta$ は2ビームの挟み角。

$$\Delta x = \frac{\lambda z}{D}$$

回折限界分解能(m):$z$ は伝播距離(m)、$D$ は開口径(m)。ホログラムの空間解像度上限。

$k = 2\pi/\lambda$ は波数。$r_i = \sqrt{(x-x_i)^2 + (y-y_i)^2}$ は $i$ 番目の光源までの距離です。

ホログラム干渉縞シミュレーターとは

🙋
ホログラムの干渉縞って、どうやってできるんですか? 写真のピントが合ってない時のボケみたいな模様に見えますけど。
🎓
大まかに言うと、レーザー光のような「波の山と谷がそろった光」が複数あると、重なった場所で強め合ったり弱め合ったりするんだ。その明暗のパターンが干渉縞だよ。このシミュレーターで「プリセット」から「2点光源」を選ぶと、一番シンプルな干渉縞が見えるから、まずは操作してみて。
🙋
え、そうなんですか!確かに同心円状の縞模様が出ました。この縞の間隔って、何で決まるんですか?
🎓
主に波長と光源の角度だね。波長が長い赤い光ほど、縞の間隔は広くなる。シミュレーターの「波長」スライダーを左(青)から右(赤)に動かすと、縞がどんどん広がっていくのがリアルタイムで確認できるよ。実務では、この間隔を測ることで物体の微小な変形を計測するんだ。
🙋
なるほど!じゃあ「プリセット」にある「ゾーンプレート」って、たくさんの点光源が輪になってるやつですけど、あれは何の役に立つんですか?
🎓
あれは面白い例だね。多数の光源を環状に配置すると、中心に一点だけ強い光が集まる「レンズ」のような効果が生まれるんだ。実際のホログラム記録では、物体光と参照光の干渉で、これに似た複雑な縞模様がフィルムに焼き付けられる。シミュレーターで光源の数を増やしたり減らしたりして、パターンがどう変わるか試してみるといいよ。

物理モデルと主要な数式

観測点での光の強度は、すべてのコヒーレントな点光源からの寄与を足し合わせたものです。各光源からの波が位相差を持って重なり合うため、強度はコサイン関数で変調されます。

$$ I = \sum_{i,j}2A_iA_j\cos(k\Delta r_{ij}) $$

$I$: 観測点での光強度, $A_i$, $A_j$: 光源i, jの振幅, $k$: 波数 ($k=2\pi/\lambda$), $\Delta r_{ij}$: 観測点から光源iとjまでの距離の差

2点光源の場合の干渉縞の間隔(空間周期)を表す式です。光源間の角度が大きいほど、また波長が短いほど、縞は細かく密になります。

$$ \Lambda = \frac{\lambda}{2\sin\theta} $$

$\Lambda$: 干渉縞の間隔, $\lambda$: 光の波長, $\theta$: 2つの光源を観測点から見た角度の半分

よくある質問

各点光源から観測点までの距離の差(光路差)が変化することで、位相差が変わるためです。シミュレーターはコサイン関数で強度を計算し、光源の位置に応じてリアルタイムに縞模様を更新します。
光源間の角度を大きくするか、波長を短く設定してください。数式Λ = λ/(2 sinθ)の通り、角度が大きいほど、また波長が短いほど縞の間隔は狭くなり、密な模様が生成されます。
実際のホログラムでは物体光と参照光の干渉を記録しますが、本ツールは点光源の干渉に簡略化されています。位相と光路差の基本概念を理解する目的でご利用ください。
現時点では2点光源の干渉に固定されています。複数光源の干渉パターンは今後のアップデートで対応予定ですが、現在は2光源のドラッグ操作で縞模様の変化を学習できます。

実世界での応用

ホログラフィック干渉計測:物体にレーザー光を当て、変形前後の干渉縞の変化を比較します。例えば自動車のエンジンブロックに熱負荷をかけた時の微小な膨張や、航空機翼の構造試験での歪みを、非接触・高精度で計測するのに用いられます。

ホログラム記録・再生:物体からの光(物体光)と直接のレーザー光(参照光)の干渉縞をフィルムに記録します。記録した干渉縞パターン(ホログラム)に参照光を再び当てることで、立体的な像を再生することができます。

ゾーンプレートレンズ:ガラスレンズの代わりに、同心円状の透明・不透明パターン(干渉縞に類似)を用いて光を集光します。X線のような通常のレンズで屈折させにくい波長の光を扱う顕微鏡やイメージング装置に応用されています。

光通信・光情報処理:干渉を利用した光スイッチや光フィルターが開発されています。複数の光路の干渉を精密に制御することで、高速な信号処理や波長の選択が可能になります。

よくある誤解と注意点

まず、干渉縞は「光の波」が原因なので、光源はコヒーレント(可干渉性)であることが絶対条件です。このシミュレーターでは全ての光源が完全にコヒーレントと仮定していますが、実世界では普通のLEDや太陽光では干渉縞は見えません。レーザーなら大丈夫、というのが第一歩です。
次に、パラメータ設定で陥りがちなのがスケール感覚。例えば、波長を可視光の範囲(400〜700nm)で動かしても、画面上の縞間隔の変化は少しだけですよね。でも、光源間の距離を1mmから10mmに変えると、縞は劇的に細かくなります。実務で干渉計測をする時は、この「幾何学的配置」の影響が波長以上に大きいので、シミュレーターで距離と角度のパラメータを大胆に変えてみることをお勧めします。
また、「干渉縞のコントラスト」にも注目してください。全ての光源の振幅を同じにすると鮮明な縞ですが、例えばメイン光源の振幅を10、他のを1にすると、干渉縞はほとんど見えなくなります。これは、実測で参照光と物体光の強度バランスが悪いと、計測できないことを意味しています。パラメータをいじる時は、強度の分布も意識してみましょう。

使い方ガイド

  1. 波長スライダー(wlSlider)を532nm〜650nmの範囲で調整し、緑色レーザーまたは赤色レーザーを選択します
  2. スリット間隔スライダー(nsSlider)で0.1mm〜1.0mmの間隔を設定し、ヤングの二重スリット干渉実験の条件を変更します
  3. 振幅スライダー(ampSlider)で各光源の強度比(0.5〜2.0倍)を調整し、干渉縞のコントラストを制御します
  4. リアルタイムで干渉パターンが更新され、暗線と明線の間隔が画面上に表示されます

具体的な計算例

波長λ=532nm(Nd:YAGレーザー緑色出力)、スリット間隔d=0.3mm、観測距離L=1000mmの条件で、明線間隔Δy=λL/d=(532×10⁻⁹×1)/(0.3×10⁻³)=1.77mmとなります。nsSliderを0.3に、wlValNumを532に設定すると、画面上に約1.77mm間隔の周期的な干渉縞が生成されます。振幅比を1:1で設定した場合、最大輝度比Imax/Imin=4となり、高コントラストの干渉パターンが得られます。

実務での注意点

  1. 波長532nmはCMOS撮像素子の緑チャネル感度ピークに近いため、デジタルホログラフィの記録に適していますが、650nmの赤色は回折効率が低下する場合があります
  2. スリット間隔が0.1mm以下の場合、環境振動による位相ずれで干渉縞が崩れやすいため、光学テーブルの設置が必須です
  3. 振幅値を2.0倍に設定すると、一方の光源が支配的になり、干渉コントラストが低下する(Imax/Imin<2)ため、0.8〜1.2範囲での調整を推奨します
  4. ゾーンプレート設計では波長精度が重要で、±1nm以上のドリフトでフォーカス位置が数cm変動するため、安定化レーザー源を使用してください