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構造解析

固有振動モード形シミュレーター

単純支持・片持ち・両端固定梁の固有振動モード形をリアルタイムアニメーション。固有周波数を自動計算。矩形板の2次元モード形も可視化。

GPa
kg/m³
m
50×5
×
固有周波数 fₙ
Hz
ωₙ = rad/s
E = 200 GPa
ρ = 7850 kg/m³
L = 1.00 m
I = m⁴
モード
アニメーション中...
理論・主要公式
単純支持梁:
$\varphi_n(x) = \sin\!\left(\dfrac{n\pi x}{L}\right)$
$\omega_n = \left(\dfrac{n\pi}{L}\right)^{\!2}\!\sqrt{\dfrac{EI}{\rho A}}$

固有振動モード形シミュレーターとは

🙋
固有振動の「モード形」って何ですか?教科書の図は静止してるけど、実際はどう動くんですか?
🎓
大まかに言うと、構造物が「その周波数だけで揺れた時」の変形のカタチだよ。例えばギターの弦をはじくと、1次モードなら真ん中が一番大きく振れる半波の形で揺れるよね。このシミュレーターでは、上の「n」や「m」のスライダーを動かすと、そのモードのアニメーションがリアルタイムで見られるんだ。操作してみると、2次モードは節(動かない点)が1つ、3次は2つ…と増えていくのがわかるよ。
🙋
え、そうなんですか!「単純支持」と「片持ち」で結果が大きく異なるみたいです。境界条件ってそんなに効くんですか?
🎓
非常に効くんだ。実務で多い片持ち梁は、固定端が動かないから、1次モードでも先端が一番大きく揺れる。シミュレーターで「境界条件」を切り替えて、同じ「n=1」でも形が全く違うことを確かめてみて。あと、材料の「E(ヤング率)」や寸法「L」を変えると、下に表示される「固有周波数」の値が大きく変わる。剛い(Eが大きい)ほど高周波で振動するんだ。
🙋
矩形板の振動も見られますね。梁と比べて何が難しいんですか?
🎓
良いところに気づいたね。板はx方向とy方向の振動が組み合わさるから、モード形が複雑になる。例えば「m=1, n=1」は全体がドーム状に膨らむけど、「m=2, n=1」はx方向に節が1本入る。シミュレーターで「m」と「n」をバラバラに変えて、どんなリッチな模様(モード)が現れるか試してみよう。FEM(有限要素法)で解析するときも、この2次元の振動をどう離散化するかが鍵になるんだ。

物理モデルと主要な数式

このシミュレーターの基礎は、オイラー・ベルヌーイ梁理論です。梁の曲げ振動を記述する4階の偏微分方程式は以下の通りです。

$$ \frac{\partial^2}{\partial x^2}\left( EI \frac{\partial^2 w}{\partial x^2}\right) + \rho A \frac{\partial^2 w}{\partial t^2}= 0 $$

ここで、$w(x,t)$は梁のたわみ、$E$はヤング率、$I$は断面二次モーメント、$\rho$は密度、$A$は断面積です。この式は、「曲げ剛性による復元力」と「質量による慣性力」のバランスを表しています。

上記の方程式を、変数分離法と境界条件(支持条件)を用いて解くことで、固有角周波数$\omega_n$とモード形$\varphi_n(x)$が得られます。例えば単純支持梁の場合、解は以下の美しい形になります。

$$ \varphi_n(x) = \sin\!\left(\dfrac{n\pi x}{L}\right), \quad \omega_n = \left(\dfrac{n\pi}{L}\right)^{\!2}\!\sqrt{\dfrac{EI}{\rho A}} $$

$n$はモード次数(1,2,3...)、$L$は梁の長さです。$\omega_n$は$n$の2乗で増加し、長さ$L$の2乗に反比例することがわかります。シミュレーターはこの式を用いて周波数を瞬時に計算しています。

よくある質問

画面上部または設定パネルに「境界条件」選択ドロップダウンがあります。単純支持、片持ち、両端固定から選ぶと、対応する固有周波数とモード形がリアルタイムで再計算・表示されます。
単位はHz(ヘルツ)です。シミュレーターは標準的な鋼材の物性値(ヤング率、密度など)と代表的な断面形状を仮定して計算しています。実際の設計では、ご自身の材料・寸法に合わせて再計算が必要です。
矩形板モードでは、モード次数(m,n)をスライダーや数値入力で個別に指定できます。アニメーションは回転・拡大表示が可能で、変形の節線(動かない線)を色分け表示するオプションもあります。
はい。画面下部の「アニメーション速度」スライダーで再生速度を0.1倍~5倍まで調整可能です。また、一時停止ボタンで任意の変形位相で静止表示することもできます。

実世界での応用

建築・土木構造物の耐震設計:高層ビルや橋梁は、地震動の周波数と構造物の固有振動数が一致すると共振し、大きく揺れます。設計ではFEMを用いて固有値解析を行い、主要なモード形と周波数を把握し、それらが地震の卓越周波数と重ならないように調整します。

自動車・航空機のNVH対策:車のボディや航空機の翼の振動・騒音(Noise, Vibration, Harshness)は、エンジンや気流による強制振動が固有振動モードで増幅されることで発生します。CAEシミュレーションでモード形を事前に把握し、リブを追加するなどして剛性を上げ、問題周波数を設計範囲外にシフトさせます。

精密機械・半導体製造装置:微細な加工や計測を行う装置は、外部振動や内部モーターの振動によるわずかな変位が精度を大きく損ないます。装置フレームの固有振動モードを解析し、防振材を設置する位置や構造の弱点を特定して改良します。

楽器の音響設計:ギターのボディや太鼓の膜、ビルの壁など、あらゆるものは固有振動数で音を発します。楽器製作者は、木材の選定や形状を調整することで、望ましいモード形(音色)を実現し、望ましくないモード(雑音)を抑制しています。

よくある誤解と注意点

このシミュレーターを使い始めるとき、いくつか勘違いしやすいポイントがあるよ。まず、「n=1が一番低い周波数だから一番危険」と思いがちだけど、必ずしもそうとは限らない。確かに基本モードは最も起こりやすいけど、例えば回転機械の場合は運転速度(回転数)に応じて高次モードが励振されることもある。実務では、対象がどんな外力を受けるかを考えて、どのモードに注目すべきかを判断するんだ。

次に、「節(動かない点)は完全に固定されている」という誤解。シミュレーター上の節は、あくまで「そのモードだけ」で振動した時の話。実際の構造物は全てのモードが混ざって振動するので、節の位置は時間とともに変わったり、完全に止まったりしない。あくまで理論上の目安として捉えよう。

パラメータ設定で気をつけるのは、寸法の単位系の統一だ。例えば、長さLを[mm]、ヤング率Eを[GPa]、密度ρを[kg/m³]で入力すると、計算される固有周波数はとんでもない値になる。シミュレーター内部では単位を調整しているかもしれないが、自分で計算する時は必ずSI単位系(m, Pa, kg/m³)などに揃える癖をつけよう。E=200 GPaは200×10^9 Paだね。

使い方ガイド

  1. 材料選択(アルミニウム合金2024:E=73GPa、密度ρ=2780kg/m³など)と境界条件(単純支持・片持ち・両端固定)を設定
  2. modeN/modeMスライダーで梁または板の固有振動モード次数を入力(1次から高次モードまで)
  3. eSlider(ヤング係数)とrhoSlider(密度)で材料定数を調整し、リアルタイムで固有周波数と振動形状を計算・アニメーション表示

具体的な計算例

長さL=1.5mの鋼製片持ち梁(E=200GPa、ρ=7850kg/m³、断面二次モーメントI=8.33×10⁻⁶m⁴)の場合、1次固有周波数f₁≈18.2Hzで先端が最大変位を示します。幅0.5m、厚さ0.01mのアルミ板(E=73GPa、ρ=2780kg/m³)を両端固定で解析すると、2次モード周波数は約156Hzとなり、板面内に複数の腹が形成される様子をアニメーションで確認できます。

実務での注意点

  1. 複合材料(CFRP:E≈140GPa)の場合、異方性を無視した計算結果は参考値に留め、実測値との乖離を想定して設計安全率を確保する
  2. 実際の製造偏差(厚さ公差±0.1mm)は固有周波数を数%変動させるため、FEM解析で感度分析を併施
  3. 温度上昇時のヤング係数低下(例:アルミの100℃上昇でE低下3~5%)を考慮し、動的特性の変化を予測
  4. 振動工学実験と本シミュレーション結果の一致度確認で、境界条件モデリングの妥当性を検証する