エアリー波(水平速度):$u(z,t) = \dfrac{\pi H}{T}\dfrac{\cosh k(z+d)}{\sinh kd}\cos(\omega t)$
KC数:$KC = U_{max}T / D$, $KC < 5$:慣性力支配, $KC > 20$:抗力支配
分散関係:$\omega^2 = gk\tanh(kd)$
モリソン方程式による慣性力・抗力・合力をリアルタイム算出。エアリー波理論の速度場可視化、転倒モーメント・KC数の自動計算。
エアリー波(水平速度):$u(z,t) = \dfrac{\pi H}{T}\dfrac{\cosh k(z+d)}{\sinh kd}\cos(\omega t)$
KC数:$KC = U_{max}T / D$, $KC < 5$:慣性力支配, $KC > 20$:抗力支配
分散関係:$\omega^2 = gk\tanh(kd)$
海洋石油・ガスプラットフォーム(ジャケット構造)の設計:モリソン方程式は、ジャケットを構成する細長い鋼管脚部に作用する波力・流力を評価する国際規格(ISO 19902, DNV規格)で規定された標準手法です。計算された力はFEM解析への入力荷重となり、構造全体の強度と疲労寿命を検証します。
洋上風力発電の支持構造(モノパイル)設計:単管の巨大な鋼管(モノパイル)を支持構造に用いる洋上風力発電では、波と潮流による転倒モーメントが設計上の重要項目です。本ツールで計算される基底モーメントは、基礎の安定性照査に直接活用されます。
係留ブイや浮体式構造物の係留力算定:浮体式の海洋構造物を係留するチェーンやワイヤーには、浮体に作用する波力・流力が伝達されます。浮体の主要部材が円柱形状の場合、モリソン方程式を用いて係留システム設計の基礎外力を求めます。
CFD解析の検証と設計係数の決定:OpenFOAMなどのCFDソフトウェアで詳細な流れの解析を行い、得られた力の時系列データをモリソン方程式でフィッティングすることで、実際の形状に応じた慣性力係数$C_m$と抗力係数$C_d$を決定する、高度な設計プロセスに利用されます。
まず最初に、「モリソン方程式は何でも計算できる万能ツール」と思わないでください。これは細長い円柱状の部材(スレンダーボディ)が対象です。例えば、大きな浮体式構造物(船やセミサブ型プラットフォーム)全体の波浪中での動揺を計算するには、別の理論(ポテンシャル流理論)が必要になります。また、「抗力係数Cd」と「慣性力係数Cm」は定数ではないという点も重要です。既存の解説でKC数が支配性を判別するとありましたが、実際には表面粗さ(生物付着など)、流れの乱れ(乱流)、柱の配置(群柱効果)によってこれらの係数は大きく変わります。例えば、実験値では同じ円柱でもCdが0.6から1.2以上まで変動することがあります。ツールで係数を変えてみるのは感覚をつかむのに良いですが、実設計では対象環境に合った実験値や規格推奨値を参照することが必須です。
もう一点、エアリー波理論の限界を理解しておきましょう。この理論は波高が波長に比べて小さい「微小振幅波」が前提です。つまり、台風時のような巨大で険しい波(非線形性が強い波)を厳密に表現できません。例えば、波高5m、波長50m(波高/波長=0.1)ならまだ使えますが、波高10m、波長60m(同0.17)となると、ストークス波理論など高次理論の検討が必要になります。ツールの結果を鵜呑みにせず、「入力した波は微小振幅波の仮定を満たしているか?」と常に自問するクセをつけましょう。